低く垂れさがった枝先をさらに手元まで引き寄せ、つぼみをしげしげと眺めてみる。
……!
既につぼみの先端が割れ始めていて、その更に先端の一部にほんのりとピンク色が差し始めているのに気付く。
この分だと2、3日かあるいは3、4日もすれば開きそうである。
ある気象予報会社の予想によれば東京のソメイヨシノの開花は「21日ころ」で全国でも最速の部類だというから、いい勝負になりそうだ。
写真に撮ったのは離れた場所の別々の木だが、多分種類はソメイヨシノだと思う。
それにしても彼岸に入るか入らないかの頃の開花とは恐れ入る。
長くてしかも寒い冬だったことを重ね合わせると想像もできない速さだが、サクラの開花には「400℃の法則」というものがあるそうな。
「2月1日以降の平均気温の合計が400℃を超えると開花する」というのがそれ。
2月1日を「休眠打破の日」として開花予想の起点に設定し、それから平均気温を足していくだけで開花日を予測できる…というところがミソで、2011年から2017年の7年間で検証してみるとピタリ賞はないものの、毎年最大でも3日しかズレていないというから十分に目安として使えるということだろう。
南関東は3月の声を聞いた途端、暖かくなったものな。
そう言えばヤマザクラの開花はソメイさんより早いものが多い。
あの広町の森の「大桜」の様子を見てこなくちゃな。
ひょっとするともう咲き始めているかもしれない。
あっちのヤマザクラ、こっちのソメイヨシノ…東の…西の…
今年も気ぜわしい春がやって来た♪
世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし
この世の中にサクラというものが全くなかったならば、さぞ春の気持ちはのどかであるだろうに…と短い命ゆえのサクラの美しさをたたえる在原業平の心情に心の底から同意するね♪

先っぽをよく見ると薄いピンク色が萌し始めているのが分かる♪

こっちのツボミも…

こちらも…

こっちも負けじと…

ピンクの砂嘴色はまだだが随分膨らんできている

落ち葉の積もる辺りにはキツネノカミソリの瑞々しい緑が…

雑木林の梢の先でも目を凝らすと新たな芽吹きが始まっている♪