【取材で見えた“無差別攻撃”の実態】
「恐ろしかった」キエフで生活…民間人の苦悩
ミサイル攻撃が強まるウクライナ首都キエフに、
ジャーナリストの佐藤和孝さんが入りました。
そこで見たのは、ロシアによる無差別攻撃の実態でした。
◇ 20日、ジャーナリストの佐藤和孝さんが向かったのは、
ウクライナの首都キエフの中心部です。
佐藤和孝さん 「何日か前に砲撃された所でしょ。ぐちゃぐちゃだね」 5日ほど前にロシア軍による攻撃を受けたアパートは屋上部分が崩落し、目の前の通りには、道をふさぐようにがれきが散乱していました。 “攻撃の爪痕”は、別のアパートにも…。
佐藤和孝さん 「ここ、完全に落ちてるね。砲弾が当たったって言っているんですよね」 1階部分が崩れ落ちたアパート。そこには住人の姿がありましたが…。
攻撃を受けた住人 「3階に住んでいたんだ」 母親と一緒に3階で暮らしていたという男性は、部屋が被害に遭ったため、住むところを変えるしかないといいます。
佐藤和孝さん 「使える物を運んでるんですね…みんな、たまんないね」 男性は家財道具を、車に積み込んでいました。
◇ 激化するロシア軍による“無差別攻撃”。
民間人が生活する場所も“標的”となっています。
佐藤和孝さん 「市内中心から10キロくらいの所なんですけど、トロリーバスが破壊されてますね」 “近隣住民の足”ともいえるバスは、つぶれて動かない状態になり、待合所は屋根が焼け落ちていました。 そして佐藤さんたちの取材中にも、近くで“攻撃音”が鳴り響きました。
佐藤和孝さん 「近くに落ちたな、ドカンと来たな。スピードあげたよ、車も、退避した方がいいな」 ロシア軍の侵攻に備え、路面電車などを使ったバリケードなども設置されていた首都キエフ。日中、人の姿はほとんど見られなくなっていましたが、このような事態でも、ここで生活せざるをえない人もいました。
佐藤和孝さん 「2日前に攻撃された普通のアパートですよ、人がまだ住んでるし」 話を聞いたのは、キエフにとどまっている男性です。ベランダを見上げて、話してくれました。 キエフで生活を続けるジンチェンコ・セルゲイさん 「あそこにいるのが私の妻、あそこに住んでいます」 2人で暮らすアパートが攻撃に遭いました。
ジンチェンコさん 「ほら、(ガス管の)パイプを見てください…穴だらけになってる」 妻・ニナさん 「ここはちょうど台所で、燃やされてしまって…」
ジンチェンコさん 「ガス爆発で建物全体が、ふき飛んでもおかしくなかったと」 家の中は少しずつ片付けているといいますが、台所の壁には今も、えぐれたような跡がいくつも残っていました。
ジンチェンコさん 「恐ろしかった…正直なところ、生きてるだけ神様に感謝です」 民間人に広がる被害。
佐藤さん 「プーチン大統領に言いたいことは?」
ジンチェンコさん 「言わないでもいいかい…」
ロシアによるウクライナ侵攻開始からまもなく1か月。
民間人の犠牲が増え続けています。
(2022年3月21日放送「news every.」より)
【取材で見えた“無差別攻撃”の実態】「恐ろしかった」キエフで生活…民間人の苦悩
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