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ICUROK!!

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The dead are alive...

2015年12月24日 23時34分37秒 | 映画

007スペクターについて諸々。

ダニエル・クレイグ演じるボンド(以下ダニボン)もいよいよ4作目。こちらには前3作(123)の感想など書き連ねた経緯もあり、今回も“礼儀”として、あれこれ思ったことなどグダグダ書き残しておくことにする。
(以下、例によってネタバレとか関係なしに書くので。)

本作はタイトルそのまんま、満を持してボンドの宿敵スペクターの登場。個人的に00セクションの新陣営を完成させた前作までが「ボンド君成長記三部作」とおもっていて、いよいよ本格的なボンドアクションに突入とあたしゃ胸躍らせたわけだ。

とにもかくにも心配だったのがお馴染みのガンバレル。またもや「意外だつたろう」とドヤ顔で本編の最後に挿入されては堪らない。前成長三部作で新ボンドが完成したのだから、本作はきちっと伝統通り冒頭に入れるべきである。
いざ劇場にて、客を泥棒呼ばわりする啓発映像が終了し、MGMとコロンビア映画のロゴが映し出されると不穏な音楽が流れる……。まさかやらかしゃあしないだろうなとドキドキしていたところ、デーデッ!デー!デーデッ!デー!とお約束通りガンバレルの登場!!
これはもう、思わず劇場で「でかした!!」と独り小さくガッツポーズしたよ。あの不穏な音楽も観客をワクワクさんにさせる粋な計らいだったってことだ。

アヴァンタイトルはメキシコ死者の日が舞台。冒頭ボンドが女と街を歩き、エレベーターに乗って、部屋の窓を出てから狙撃体制に入るまでワンカットでじっくりと見せる。実に良い仕事をしてくれるじゃない。それはそうと、あのホテルの部屋のダニボン早着替えはぜひともBDのメイキングに入れて欲しいものだ。
建物がぶっ飛んで転げ落ちるダニボンの所作は何処となくロジャー・ムーアあたりを彷彿させるものがあり、いよいよ4作目で作風変えてきたかと感じる。その後のアクロバティックなヘリのアクションなんか思いっきりユアアイズオンリーぽくて往年のファンはニンマリするところよね。

んで、OPクレジット。やはり今回もカジノロワイヤルのかっこよさと衝撃には敵わなかった。スペクターの旗印であるタコさんがたくさん出てくる。そして背景にはかつて愛したヴェスパーやらラスボスの面々が登場。この演出は女王陛下の007ぽい。女王陛下といえば本作の劇場予告で女王陛下のテーマが流れてたからやはり意識しているんだとおもわれる。あれが流れたときには大変テンションが上がったものだが、結局本編であの曲が使われることはなかった。

OPクレジットの後、ダニボンは巨悪の正体に近づくべく準備を始めるわけだが、前作で殉職した真のボンドガールMの遺したメッセージが出てくるシーンでスカイフォールで使われたMのテーマ的曲が流れてちょっとウルっとくるのがポイント。前回より続投のベン・ウィショー演じるQは新世代になってもボンドに新しいオメガの機能を訊かれたときに「時間がわかる」とオヤジギャグを言う“らしさ”を持ち合わせているの良いですな。あと、ボンドにアストンマーチンDB10を横取りされた009はご愁傷様でした。

カツアゲした車で向かう先は待ってましたモニカ・ベルッチ姐さん!しかしまあ、出番これだけっ!?ってくらい短い!でもエロい!エロいけど短い!!
大変勿体無いモニカ姐さんであったが、ボンドが最初に寝た女は大体死ぬ法則からいくと、フェリックス・ライターに保護を求めるよう促したのはせめてもの情けか……。

モニカ姐さんの手掛りからいよいよ悪の巣窟へ潜入のボンドさん。ここで待ってましたクリストフ・ヴァルツの登場なんだけど例によってボンドさんバレッバレでスペクターの殺し屋とカーチェイスに突入。このカーチェイスも引きのショットで緊張感を持続させながらじっくりと見せてくれて大変良いです。DB10の流線型のボディって近未来的で凄く美しい。途中おじいちゃんがのんびり運転する車に阻まれたり、DB10にマシンガン(生憎弾倉は空っぽ)、火炎放射機能等が搭載されていたり、ここでも往年のボンド映画っぽさを覗かせる。5億5,000万掛けて装備を施した最新鋭のスポーツカーなのに、各種機能のスイッチが市販の部品だったり、テープライターで刻印した銘版を付けちゃったりするQのセンスが可愛らしい。

その後、手掛りを追う中で懐かしのMr.ホワイトが登場して、その娘、今回のボンドガール、レア・セドゥ演じるマドレーヌさんが登場。このマドレーヌさんの働いている雪山の療養施設が完全に女王陛下でニンマリ。ここにスペクターの殺し屋軍団が乗り込んでくるんだけど、さらわれたマドレーヌさんを飛行機で追跡するボンドの力技っぷりが従来のシリアスかつハードボイルドなダニボン路線を完全に破壊してて笑える。最後は主翼もぶっ飛んで無理やり車列に突っ込むというヤケクソっぷりで、「ああ、そうだボンド映画ってこんなもんだったな」と我に返るのだった。
ここの場面でもう一つ着目すべきが、スペクターの殺し屋リーダー格のヒンクスさん。バレルが水平二連状に2本くっついたガバメントカスタム片手にボンドに対抗する。AF2011-A1というロシア製の銃らしい。なんでもM1911誕生100周年記念で新規設計のうえ製作したらしいが、無骨で人間工学無視のデザインセンスといい、流石ロシアというべき素晴らし過ぎる一丁だ。

スペクターの秘密基地がアフリカにあることを突き止めたボンドとマドレーヌさん。ロシアより愛をこめてを彷彿させる列車の旅へ。二人でしっぽりと食堂車でディナーを楽しもうという矢先、ヒンクスさんが猛烈な勢いで殺しに来るのはすげえ笑った。さらに笑ったのがヒンクスを見事“途中下車”させた後のボンドとマドレーヌさんのあたふたセックス!死線を超えた二人の盛りようったら、あんたらいい加減にしなさいよ!と。ってか、こんだけドンパチやって「電車止めろよ!」っていう突っ込みは無粋なのか、はたまた、「ここはアフリカの辺境なので」で片付けられる問題なのか……。いずれにせよ、このあたりの展開は何故かとても雑に感じる。

さて、電車を降りて、スペクター総本山にご丁寧にお迎えの車で辿り着いた二人。ラスボスの我らがクリストフ・ヴァルツと再会だ。この辺りの展開も実に昔ながらのボンド映画らしい。なんだか知らないけど悪の親玉とウィットに富んだ会話を交わしつつ、敵さんのほうも丁重なおもてなしをするというアレ。
そして始まる“獲物を前に舌なめずり”の拷問シーン。脳に微細なドリルで少しずつ穴をあけていくという、これまた“らしさ”全開の拷問器具をボス自ら操作する定石通りの丁寧な展開。
この場面でペルシャ猫が登場し、「やっぱりね」と。そして“我が名はブロフェルド”の自己紹介。ここのヴァルツさんはコネリーボンド時代のブロフェルドっぽくマオカラージャケットを着用しているのもポイントね。
結局ブロフェルドはボンドの死んだはずの義理の兄でしたってことになるわけだけど、これは何とも言えん気持ちになったなあ。まあ、“007はスケールでかいけど話は小っちゃい”っていうお馴染みの要素と言えなくもないか。前作のスカイフォールから完全にその傾向にあったしね。

Qから貰った時計の目覚まし機能で辛くも脱出したボンドとマドレーヌさん。ガス管やら何やらを撃って基地はギネス級の大爆発。これが余りにもあっけなく、唐突すぎてポカーン状態。さておき、最近Twitterでこの爆破を成功させた直後のスタッフの写真を見たのだけど、そこには大変素敵な仕事人たちの姿がありました。皆楽しそうに仕事をしていて何より。

この後、ボンドはスペクターの仕組んだ情報システムとMI5の黒幕Cをとっちめにロンドンに戻るわけで、話がどんどん小さく纏まってくる。
またもやスペクターに捕らわれたボンドだが、目隠し状態のまま銃を持った男二人を相手に怒りMAXで拘束状態を脱する豪腕ぶりを発揮。所は爆破解体目前のMI6本部。廃墟状態のMI6内部に進むと、壁面に取り付けられた殉職者リストのプレートに赤スプレーでご丁寧に“JAMES BOND”の表記が。もう笑っちゃうよね。そして、更に赤スプレーの矢印通りに進んでいくと、またまたご丁寧に射撃場にボンドの顔写真の付いたターゲットが配置され、更に進むとル・シッフルをはじめかつての敵やヴェスパーさんたちの写真が飾られてるの。わざわざブロフェルドの指示の下、部下たちが一生懸命セッティングしたかとおもうと微笑ましいじゃあありませんか。黄金銃を持つ男のスカラマンガ・アトラクションにも通づるような、やたらマメで何処か可愛げのある昔ながらのボンド映画の悪役だなあとおもう。そして「こんな罠上等よ」と付き合ってあげるボンドの優しさよ。
ところ変わってMはCをとっちめるんだけど、新しいMは現場たたき上げ感も相まって凄くカッコイイおじさまだよね。マネーペニーといい、前作で本当に良いチームができたとおもう。
一方のボンドは矢印に導かれて先の大爆発で顔面を怪我したブロフェルドとご対面するんだけど、この怪我の仕方が007は二度死ぬのドナルド・プレザンス版ブロフェルドのオマージュなのが堪らない。んで、捕らわれのマドレーヌさんを救出し、MI6大爆発。シリーズこの後どうすんだよ……。

ヘリで逃げたブロフェルドをボートで追うボンド。前作の傷はすっかり癒えたのか、PPKの正確な射撃でヘリを見事撃墜しちゃう。ホンマかいな。この辺のブロフェルドの小物感満載のヘタレっぷりは観ていてホント悲しくなる。墜落したヘリから脱出したブロフェルドにボンドはとどめを刺さずMが普通に逮捕するんだけど、この時言っている「2001年施行の特別条例に基づき逮捕」の意味はよく分からなかったので知ってるしとおせーて。

物語の最後は00要員を辞職したボンドがスカイフォールでシルヴァさんにぶっ壊されたDB5を引き取ってマドレーヌさんと一緒に走り去っていくというもの。
さてはて、現実的な話、ダニエル・クレイグ本人はやる気無くても契約は一応あと一本残ってるっぽいから次回一体どうすんのかね。愛に生きるのーっ!と決めたボンドに女王陛下ばりの悲劇が起きたとて、それじゃあ一本で片付く話にならなそうだし、そもそもその手の復讐話はヴェスパーの一件でもう懲りたしっていう。
個人的には次回ダイアナザーデイのトラウマ上等、思いっきりバカやったら良いんじゃあ無いかというのと、一方で、いっそ今回でスッキリ辞めさせてあげて全てリセットした形で7代目ボンドを迎えるのがベストなんじゃないかとおもっている。

そんなこんなで、節操も無くダラダラと感想など述べてきたが、作品通してどうだったかというと、部分部分は良いんだけど全般的に見ると凄く惜しかったとおもう。
前作に引き続き落ち着いた引きの画とカット割は大好物だし、アクションも良くできてるんだよね。今回は往年のファンがニンマリする要素を従来より多めに散りばめているのも嬉しかった。続投だったサム・メンデス監督は良い仕事する人と改めて感じたところである。
一方、モニカ・ベルッチ姐さんの出番の少なさと、せっかくクリストフ・ヴァルツを迎えてのブロフェルドのキャラ設定が嫉妬深い義理の兄みたいに小じんまりしてて一々インパクトが無いという点。この二人の無駄遣い感はホント勿体無いとおもうでありますよ。結末の肩透かし感もブロフェルドのキャラクターの薄さに起因しているとおもう。あと、ボンド映画らしいちょっとお間抜けな感じやぶっ飛び展開は、前三部作が硬派な作りだったこともあり、あまりダニボンには似合わなかったというのも辛いところだった。
そしてもう一つ、カジノロワイヤルなんかと比べても時間的に余り変わらないはずなんだけど若干長く感じてしまったのよね。前述の“007はスケールでかいけど話は小っちゃい”パターンに乗っかった結果、間延び感が増大してしまったせいかもしれない……。

最後に、ここにダニボン四部作として、個人的に好きな順で並べてみる。

カジノロワイヤル>>スカイフォール>>>スペクター>>>>>>>>>>>慰めの報酬

やっぱりカジノロワイヤルはインパクトは勿論のこと、完成度高いっすよ。慰め~は今回MI6にグリーン氏の写真が貼られていなかったのが可哀想すぎて、もうそっとしておこうとおもいます……。


Everything Is Awesome!!!

2014年12月31日 14時36分53秒 | 映画

大して本数観ているわけではないですが、2014年の個人的な映画10選など記しておきます。


『レゴムービー』
多様性の共存、創造することの素晴らしさをテーマに、クライマックスでそれらを訴えかけるワイルドガールの演説に涙。最後はみんなハチャメチャになって、がむしゃらにレゴ世界を駆け巡るエメットが凄く輝いていて、「君よ君たれ」と背中を押してくれるような、観ている人の気持ちを暖かく、前向きにしてくれる。お互いが認め合うラストに喝采を。そしてあのオチも大好きだ。
今更言うまでも無いが映像も素晴らしく、CG処理されているものの、すべてにおいてきちんとレゴのパーツをベースに使用し、“稼動部以外も無駄に曲げちゃう”とかやらかさない徹底っぷりに脱帽。
音楽も良い。テーマ曲はもちろん、バットマンのあの歌も。すべては最高。

『イコライザー』
また一人、歩く死亡フラグオヤジが爆誕!なのであった。
デンゼルパイが“前の職場”の仲間に大暴れの許可を取りにいくあたりで、もう終わったなと、敵に憐れみを感じざるを得ない。ホームセンター勤務のデンゼルパイによる正しい工具の使い方、電子レンジを使った楽しい即席爆弾作りなど、フルボッコアクションの宝石箱。なめたらあっか~ん~♪映画の傑作である。
共演のクロエさんもよう育っておりまさぁ。個人的にキックアス2がうんこちんちんだったので、これでクロエさんは救われたとおもう。

『ゴーン・ガール』
結局これが今年最後に観た映画。フィンチャー作品の傑作。ネタバレっぽいこと書くから未見の人は流しておくんなまし。
例の嫁が案の定すぎて、あの車で開放感満載のところですげえ笑った。あと、あのスカしてたらDQNカップルに襲われるところも堪らんよなあ。終盤のサイコパスVSサイコパスというコメディ映画のような展開にも拍手。
あとは、主人公の妹さんが良いんだよ。“ザ・バー”で朝から一緒に酒くらいたい。
全体として画が凄く引き締まっていて好み。夫婦ないしカップルという一種の契約状態に潜在する虚構や欺瞞やらを上手く扱っている。年配夫婦の感想を訊いてみたいところ。

『ニンフォマニアック』
実はラース・フォン・トリアー監督作品は食わず嫌いで、本作品が初だったのだが、素晴らしいコメディ映画監督じゃないの。(ちゃうの……?)
Vol.1とVol.2に分けての公開だったけど個人的には幼少期~若さ真っ盛りのVol.1が笑いどころが多くて好み。Vol.1のエロ列車で行こうは友人Bにお世話になりたいよね。Vol.2は黒人二人がカメラの前でポコチンおっ立てながらケンカするところは一枚絵にしたいくらい美しい。「鬱三部作」だか何だか知らんけど、あのオチで完全にコメディ映画決定。(ちゃうの……?)

『イントゥ・ザ・ストーム』
ソフト出てからで良いか~とスルーせずにいて良かった。
引火トルネードの断末魔シーンで傑作入り確定。そしてトルネードチェイサーの装甲車「タイタス」ね。あの男の子が大興奮しちゃう魔改造装備の数々、燃えるよなあ。トルネードが大量発生して、最後は超巨大になって主人公たちを襲う。文字通りバカでか過ぎてもう笑うしかない。そして、ピートのおっさんよ、あの最後が美しすぎて謎の感動を覚えたのだった。

『インターステラー』
これはなんというか、壮大な美しい宇宙空間のCGを観るのが目的だったので満足。そこにノーラン的な要素も合わさって特にあのデカイ波が来るとことか、5次元世界の感じとかも好き。親父宇宙行き決めんの早すぎだろとか、そういうのはもうどうでもいいんだ。
あとはTARSとCASEに尽きる。最後はまさにXウィングに乗るR2-D2の姿そのもの。ユーモア設定もできちゃうなんて可愛すぎる。

『ポリスストーリーレジェンド』
毎度お馴染みジャッキーのアクションやめるやめる詐欺。
本作はアクションとシリアスとバランスが良く、ストーリーものとして普通に楽しめる。独りよがりのお兄ちゃんに振り回されて結局それかよーってね。シリアス展開の中でもジャッキーが金網に押さえつけられた時にはご自慢の顔芸も健在でホッとさせてくれる。

『エクスペンダブルズ3』
アクション映画ファンの礼儀として、今回も二度観に行ったよ。はっきり言って前作より勢いは落ちた。しかし、出獄番長、バンデラス、ロンダ・ラウジーの姉御、メルギブは最高だった。中でもお喋りバンデラスの「道があるだけマシ」発言や、スライ隊長に仲間のことや身の上話をちゃんと聞いてもらってたくだりなんか泣かせるじゃあないの。そして個人的にロバート・ダヴィが久しぶりに大きなスクリーンに登場してくれて嬉しかったぜ。

『ローン・サバイバー』
なんだかかなり前だよなあとおもってTwitterのログみたら春くらいの映画かあ。
これはまあ、一々痛々しくて堪らんかった。確か指が飛んだシーンとかもあって、そんなとこ撃たれんといてという。まあ、あとは最後のアパッチ最強ね。ヴァーーーッてあれ牛乳瓶くらいの弾頭ばら撒いてんだろ?鬼だよなあ。この映画観た後youtubeでアパッチの赤外線狙撃動画みて更に凍り付いた。あんなの逃げられんて。アメさんにおいたはあかん。

『泣く男』
10本目は迷った。『ザ・レイドGOKUDO』とかシュワちんの『サボタージュ』なんかも候補だけど、とりあえずこれでいこうか。
これはまあ、話狙いすぎじゃんとかおもわなければね。アクションが良質。車の影に隠れたチャン・ドンゴンを一斉射で狙ってくる傭兵さんが好きね。バババーって突撃して行って、片腕撃たれたら教科書通り太股に銃身挟んでマグチェンジの手際の良さ。ラストの男臭い美しさも教科書通りの演出にて。


そんなこんなで、とりあえず私的10選はこのようになりやした。
その他、今年観たやつだとキネカ大森で観たヴァーホーベン御大のトリックなんかもあったけど、今年の作品じゃあないし、そもそも別格なので外してます。
しかしまあ、こういうのまとめるときにTwitterのログは取って置くもんだなあ。脳の経年劣化とアルコールの副作用でどんどん記憶が飛んでいくんだから。

あ、そうだ、オマケに男優賞と女優賞的なものをば。男優賞は悩むけど、とりあえずデンゼルパイかなあ。女優賞はロンダ・ラウジー姐さん一択!前も言ったけど、ゴリラゴリラ言ってた秘宝の糞ライターは許さないんだからなっ!


ところで、ここにきて滅多にやらない映画の年間ベスト的なものを何故ブッ込んだのかというと、実は今年の初めに当スペースの更新ノルマなんぞを課してしまったからなのです。
とういうわけで、5回の更新ノルマ見事達成!来年も宜しくだゾ☆彡(残すところあと9時間ちょい……)


私が死んでも代わりはフニフニ

2012年12月03日 01時50分42秒 | 映画

柄にも無いというか安直なタイトルとか言わんといてお父ちゃん。

007スカイフォール鑑賞。ネタバレ込みで感想とかメモる。

今作は前二作のボンド君成長記(カジノロワイヤル慰めの報酬)を経て007ジェームズ・ボンドの完成といった趣がある。これは三部作と捉えてよろしいか?って勝手に言うと次回作どうなるか分からないから、とりあえず素人はこれ以上黙っておくよ。

今回も映画はガンバレルから始まらない。ただし、例の「デデッ♪」で急に始まるところはとてもグッドでありますよ。
アバンタイトルのアクションは予告編でもお馴染みのボンドがバイク乗ったり列車をぶっ壊してすまし顔で乗り込むシーンなど見ごたえたっぷりで、「えーもうここで見せちゃうの」ってワクワクが止まらない。カーチェイスや列車の上での肉弾戦など、引きの画を挟みながらとてもよく撮れている。前作慰めの報酬の細かいカット割りとブレブレのアクションとは大違い。ここで引けよ!って思ったらきちんと空撮使ってくれるし、カーチェイスもじっくり見せてくれる。ボンドに追いかけられるヒットマンの無駄に細かい設定が007らしくて好き。使っている銃が、劣化ウラン弾仕込んだグロック18Cで、しかもドラムマガジンとか馬鹿じゃねえの(笑)

今回の歌のお姉さんはアデルさん。アデルってもリュック・ベッソンの桃色おっぱいと歌丸師匠が沢山出てくる映画のことじゃないからな。映像は水と血と女と銃と瞳のアップ、昔の007を彷彿させる。ただ、ダニエルボンドの各主題歌で比べると、やはりカジノロワイヤルのインパクトには敵わなかったかなという印象。

アバンタイトルで撃たれたボンドが復活、予告編でもお馴染みのMI6大爆破を知り、Mの家へ「007は二度死ぬの!」と帰還報告。敵の痕跡を追って上海~マカオと飛んで出会った敵はかつてMの元にいた一人の諜報員、今回のラスボスであります、シルヴァさん。シルヴァ役のハビエル・バルデム、見たことあるなーと思ったらノーカントリーの殺し屋だったか。今回の役のために髪も染めたそうな、全然イメージ違うわな。そして、シルヴァさん、金髪だけが取り柄じゃ無いのが007のラスボスだからこそ。中国に捕らえられた際、奥歯のシアン化水素で自殺を図るも失敗して口の中やお腹の中が大変になりましたって設定つきで、上の歯というか、顎の骨あたりまで入れ歯になってるという。MI6に捕らえられた後あれをはずすシーン、良くできてたよなあ。入れ歯はジョーズあたりのオマージュでもあるのかな。ちなみにシルヴァさんが本拠地としていた廃墟になった島が見事で、「まるで軍艦島だなあ」とか思っていたら、エンドロールに「長崎県 軍艦島」ってあってびっくりした。ロケしたんだね、知らんかったわ。
ところで、シルヴァさんはMの元にいたときに中国でやらかしてから「Ma'amの言うとおりに一生懸命やったのにさ、全然僕のこと見てくれないしさ、冷たいしさ、もういじけちゃうから」ってな具合で愛から憎悪へ転じ、Mに復讐をすべく殺意の変態マザコンモードに突入しているのだが、ここで戸田奈津子が「Ma'am」を「母親」とか訳すのを問題視している人が一部いるみたいだな。別に英語できる分けでもないけど、個人的には皮肉交じりに言っているような文脈からこれはアリだと思うのだが、いかがだろう。なっちアレルギーが過ぎると細かいところが気になり出すのは分からなくも無いがね……。

シルヴァが計画通りMI6に捕らえられてから脱出し、Mを襲撃するあたりの一連の流れはイギリスを舞台にした24のような展開に。現場で汗かきながら走り回るボンドをQたちがITを駆使して支援する様はジャック・バウアーと愉快な仲間たちそのものだ。ロンドンの街がここまで描かれる007はひょっとして初めてじゃないだろうか。地下鉄に乗ったかと思ったら、今度は地下鉄が落ちてくる。ああいうちょっとしたところで急に金かけてバカ展開やるから007は好きなんだ。そして議会で事情聴取を受けるMたちが襲われる銃撃戦の美しさったら。しっかりと引きの画で捉えて位置関係を明確にハンドガンでの応酬を繰り返すという、一見地味かもしれないが、特別なことはしなくてもアクションの迫力はこうやって見せるんだよという手本のような演出。

襲撃から逃れたボンドとMは、満を持して登場のアストンマーチンDB5に乗って駆け落ちへ…じゃなくて、敵をおびき出しつつ、ボンドの故郷スカイフォールの実家兼セーフハウスへ。いや、駆け落ちっつーのは満更でもなくて、道中車を降りて語り合うボンドとMが本当に恋人同士みたいなんだものな。このあたりから本作のM萌え度が急激に上昇してくる。ちなみにアストンマーチンは例のガジェットを備えるゴールドフィンガー仕様でファンをニヤッとさせてくれますな。
スカイフォールに到着すると、長年住みつきボンド一家のこともよく知るキンケイドおじさんが登場。水平二連銃が良くお似合いよ。しかしボンドのルーツをここまで掘り下げる作品って今まで無かったよな。そういう意味でも本作は重要。
追ってくるシルヴァを迎え撃つべく、実家の各所に罠を仕掛けるボンド、M、キンケイドおじさんの3人。うちのおばあちゃんはお裁縫より手作り爆弾作らせたらピカイチなんだぜっ!そして古いボンド家の家具の埃にむせそうなMという萌えポイント、いただきましたーっ。

日の暮れる頃、武装したシルヴァ一味御一行の到着。戦いの狼煙はどなたが上げるのかしらと固唾を呑んで見守っていたら、隠れていたボンドさんがアストンマーチン内臓の機銃を景気良くぶっ放す!ひゃああああ、祭りじゃ!祭りじゃ!んで、家の中に立てこもって応戦するMとキンケイドおじさん。キンケイドおじさんはソードオフにした水平二連銃をぶっ放す。一方、丹精こめて作り上げた手作り爆弾を起爆し、ハンドガンで応戦するMに萌えというか、もう惚れちゃったよ愛して愛して愛しちゃったのよ。
しかし敵もやられっぱなしでは無く、いよいよラスボスが。ヘリに乗ったシルヴァさん、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」を大音量で鳴らしながらド派手に登場。ボンド家にナパームでもぶち込むのかと思ったが、機銃掃射というのは少々拍子抜けしたけど…。しかし、この一連の要塞警察的アクションがものすごく良く撮れてるんだ。だんだん外が暗くなってきてアクションが見えづらくなるという心配も無用のもの。暗ければそこを逆手にとって逆光によるシルエットや炎を上手く利用している。サム・メンデス監督、できる子や。
家中蜂の巣にされ、焼夷手榴弾をぶち込まれたボンドもいよいよブチ切れる。応戦の前に、まずはMとキンケイドおじさんを秘密の通路から逃がすのだが、Mが負傷してるじゃないの!すげぇ嫌な予感がするんですけど!!
で、ボンドは2人の退避を確認してから、愛想の尽きた実家をガスで思いっきり吹っ飛ばす。あらかたの敵は爆発に巻き込まれ、ヘリも破片と爆風により墜落というオマケつき。イギリスの片田舎でどんだけ景気の良い爆発させてんだと思わずゲラゲラ笑ってしまった(笑)

それでも、最後まで生き残りお付き合いいただくシルヴァさんと部下2名。こういう最後の最後まで敵さんがボンドと観客に丁寧に付き合ってくれるところも007だよなあ。部下1名はボンドの飛び蹴りであまりにもあっけない最期。もう1名はボンドともみ合って凍った池を円形に銃でぶち抜いて水中に落下というリビング・デイライツのオマージュ的展開から、総合格闘技的な技で首を絞められて御陀仏に。
一方、シルヴァさん、Mとキンケイドおじさんが逃げ込んだ古い教会に到着。ここでボンド家の墓とご対面ってのがニクイよね。いよいよMを追い詰めたシルヴァさん、Mに銃を持たせて、自分とMの頭をぴったり重ね合わせ打ち抜くように迫る。すっかりカーチャンと心中したがるマザコン変態男!!ってかMの負傷が深刻そうだが大丈夫か!?刹那、ボンドの投げたナイフが見事シルヴァさんの背中に命中。ラスト・ネズミ・スタンディング!西部劇的重厚さを持つ最後に惚れ惚れし安堵したのも束の間…うわあああああ!!Mが!!Mがあああ!!!
いや、今作でジュディ・デンチの出演が最後ってのを聞いたことあったから嫌な予感したんだけど、お亡くなりになるとはな……。このときに見せるダニエル・クレイグの物凄く人間臭いボンド、最高だよ……!!

スカイフォールのフィナーレはブロスナンボンドから続いたMとの悲しい別れ、そして、新しいMと、マネーペニーの登場という、007ジェームズ・ボンドの完成により締めくくられる。ガンバレルとJames Bond Will Rerurnを以って心の中で拍手。新しいMの就任というのが今回のこの駄文タイトルのポイントな。更に言えば、いずれは007も…という物悲しさは永遠のテーマであるからして。

そんなこんなで、冒頭に書いたように、本作はボンド君成長記の一つの完成といえるのではないか。前二作で私情を交えての戦いにケリを付けスパイ稼業の経験を積み、今回は子供の頃に死別した両親と住んだ家を炎の中で葬り去って、第二の母ともいえるMとの決別を果たしたわけだ。そして新M体制では初代ボンドを彷彿させるオマケつきという、まさに007シリーズ50周年にふさわしい仕上がりともいえようか。
まあ、あとはね、やっぱり今回はMなのよ!M!!M萌え映画だよねっ!!真のボンドガールはMなんだよ!!!おかげで他の若いねーちゃんの霞みっぷりが不憫で仕方ない(笑)
映画全体としては、改めて振り返ると重厚で、悪く言えば地味なんだけどね、多分音楽でよく「スルメ曲」っていう言葉あるけど、これもその類の言わば「スルメ映画」のようなものじゃないかなと感じた。なので、もう一回くらい観に行こうかなと思っていたり。ってか、あんたここのところ毎々「007は二度見る」じゃない。と、戯言はおしまいにしようか。


Yes!消耗品軍団Go Go!

2012年10月22日 23時35分21秒 | 映画




先般公開のご褒美映画「エクスペンダブルズ2」、アクション映画ファンとしての礼を尽くすべく字幕版と吹替え版を堪能してきました。結果的に暫定今年最高に楽しんだ映画No.1へランクインです。霧の中からヴァン・ダムが!アドキンスが!そしてチャック・ノリスが!!鼻息荒いうちに久々に映画の感想というか備忘録をば。ストーリー解説なんぞするつもりは無いが、ネタバレは平気でする所存なので、まだ大スクリーンでヴァン・ダムのジャンピング後ろ回し蹴りを観ていない諸氏はとっとと劇場へ行きやがれ。

鼻息荒くなりすぎた…ちょっと落ち着こう。


まずもって、今回はなんといっても前作を上回る豪華な布陣。前作を上回るレベルの面子が揃ってどうやって撮るんかいな…という不安はあったのだがこれを思いっきり吹き飛ばしてくれたのがサイモン・ウェスト監督。そもそもデビュー作がコン・エアーという華麗な経歴をお持ちですから、はなっから心配する必要なんざ無かったのですよね。
冒頭ネパールのドンパチ映画御用達“なんだかよく分からん政情不安地区”での戦闘シーンからグイグイ引き込まれる。その疾走感はラストまで保ちつつ、緩急つけたアクションに加え、前作より消耗品軍団の人物描写を細かく織り込んでキャラクター性に深みを持たせるという。それぞれのキャラの持ち味の引き出し方は前作を遥かに凌いでいたと思いますよ。肝心なアクションの撮り方、見せ方も安定していて、スライ隊長は思い切って監督を任せて大正解だったんじゃないかな。いやー、良い仕事しましたよ本当に。


さて、本作でも我らがスライ隊長は髑髏アクセサリーで身を固めドンギマリの中二病。というか、スライ隊長はまず、役柄よりも、こんな鼻汁、脳汁、クソ汁、万汁グッチョグチョになる企画を2度もやり遂げて下さったことに感謝。ナンパなチャラ坊はスタローンに土下座っすよ。男の教科書というか中二の教科書っぷりをむき出しに、この時代に敢えてアクションバカを地で行くかと。エクスペンダブルズメンバーのインタビューで度々出てくるのは80年代辺りの筋肉火薬弾けるアクション映画全盛期への回顧なんだよな。そういう思いが画面から噴き出していて、あたいの身体にビショビショ降り注ぐわけです。ほおら、鼻息が荒くなる、荒くなる。

万年クリスマスのステイサムは相変わらず次世代型動けるハゲっぷり目覚しく、前作の彼女はすっかり良い感じのエロビッチとなり仕事中も電話に振り回される始末。前作でも思ったけど、ステイサムはスライ隊長にめちゃくちゃ愛されてるよなあ。スタローンに足が短いってからかわれるシーンがお気に入り。悪に祈りを捧げてクナイで始末するセクシーハゲも素敵。一体何本隠し持ってるんだ。

元人間核弾頭ドルフ・ラングレンはパート2でついに萌えキャラに昇格しちゃいましたね。本作では自身のプロフィールをオーバーラップさせるが如く、昔の彼女のことをネタにされたりMIT卒だったけど落ち目になってたりと、すっかりいじられキャラ、もとい、萌えキャラっぷりを発揮。二度目の大々的カムバックに表情明るく、イビキ高らか、元人間核弾頭自作の爆弾は不発弾という茶目っぷり。個人的にヴァン・ダムの部下たちに襲われた村を助ける所の一幕が好きでして。銃撃戦の最中、スライ隊長をバックアップしつつラングレンがハイタッチするところが泣けてきちゃうのね。ニクイ演出だよ。

ジェット・リーは…後で書くからな!

26世紀青年の大統領テリー・クルーズはグルメキャラまっしぐらで相変わらず連射型ショットガン小脇にお笑いキャラも勢い弾む。仲良しランディは今回も自己啓発本片手に耳ネタいじられ役で安定。今回は特にこの仲良し2人がメンバーの会話を掘り下げ、キャラクターに厚みを持たせてくれます。

あと誰がいたっけ?ああ、そう、本年のワーストワンに見事ノミネートされたハンガーゲームが記憶に新しいリアム・ヘムズワース演じるのはヴァン・ダムにぶっ殺されるおいしい役ビリー・ザ・キッド。埋葬されると死人に口無しでスライ隊長に託した恥ずかしい手紙を弔辞としてメンバーの前で披露されるというオマケ付きですな。

紅一点ユー・ナンはずっとつまらなそうな顔して大して可愛くないのだが、あれだけガチムチ親父に囲まれると不思議と可愛く見える瞬間があるという、理系学部マジック的なアレ。彼女の趣味は爪の手入れ。

そんでまあ、今回の一大イベントというか、一大事というか、前作でカメオ出演だったジョン・メイトリックス知事、ジョン・マクレーン刑事(あいや偶然にも二人ともジョンだ)両氏が今作ではドンパチ賑やかに暴れ回ってくれるわけです。スタローンと合わせて3人でマシンガン片手に降臨するシーンは涙モノ。「I'm back!」「I'll be back!」を連発するシュワにウィリスが「お前は戻りすぎ」とツッコミを入れたり、「イピカイェー」「次はランボーか」などの台詞を挟みつつサービスたっぷり。しかしまあ、シュワっちは本当に「お帰りシュワちゃん!」だからね。プルトニウム鉱山で掘削機に乗り込んで登場のシュワっち、あれトータールリコールのオマージュだよね!?こういうの本当に分かってらっしゃる。シュワちゃんさんは完全に役者復帰して4月に本邦で新作公開予定だっけ。楽しみ。

さて、ここで満を持しての、兎にも角にも嬉しいのはジャン=クロード・ヴァン・ダム!JCVD!JCVD!…がでっかいスクリーンにカムバックしたわけです。しかもナルシストな悪役に持ち前のユーモアを引っ提げて。長い低迷期を経て「その男、ヴァン・ダム」あたりからメキメキと哀愁漂わせつつ演技に磨きをかけ、最近では「ユニバーサル・ソルジャー リジェネレーション」といった傑作を送り出し、ついにメジャー作品でスライ隊長に開脚キックをぶちかまして再び出世街道へ!?今になってみれば前作を断ったのは正解だったよな。“ヴィラン”は本当に当たり役。霧の中からヴァン・ダムが出てくるところ、泣きそうになったよ。心の中で「来るぞ、来るぞ~」って鳥肌まみれになりながらね。リスペクトが足りませんでした!申し訳ありませんでしたー!ってあたいも地面にひれ伏しそうになったし。いいなー、ビリー・ザ・キッド、あたいも中段蹴り食らいたいよー。スライ隊長VSヴァン・ダムは、筆舌に尽くしがたいガチンコっぷりでアクション映画史に残る名場面。銃撃戦から肉弾戦に持っていく流れがブロークン・アローみたいですごく良い。そんで何より、スライ隊長の肩越しに映るヴァン・ダムの断末魔の顔素敵よー。あと、個人的に好きなのは空港でスライ、シュワ、ウィリスの三人組に襲撃されて焦るヴァン・ダム。「やっべー」って感じで後ずさりする姿に一人ゲラゲラ笑ってたあたいはリスペクトが足りないなw

ヴァン・ダム演じるヴィランの忠実な手下には、近年コアなアクションファンに大注目のスコット・アドキンス。ズバ抜けた身体能力を武器にメジャーシーンに駆け上がってゆくアドキンス、嬉しいじゃあありませんか(息子の成長を陰ながら見守る母親のような眼差しで)。ステイサムVSアドキンス、これもアクション映画史に残りますなー。アドキンスの美しい蹴り、ステイサムが1発打てば3発返すほどの勢い。デッドロック2のボイカよろしくヒゲ面の凶悪アドキンスに心してお手合わせした次世代型動けるハゲ、ステイサムも偉いよね。アドキンスの最期はヘリのテイルローターで頭部粉砕というお約束パターンでグロっと爽やかでありました。

そして、ヤツが!生きる伝説が!モリコーネの音楽をバックに霧の中から現れたッ!その名はプレジデントマン!じゃなくて、ブルース・リーと闘った男、チャック・ノリス!!まさに字幕版のお言葉を借りれば「祭りだな」ということですね。なんなんだよ、あのチャック・ノリス無双!そして“チャック・ノリス・ファクト”に新たな1ページが…!100人斬り&戦車ぶっ壊してのオーラを纏った登場で終わりかと思ったら、最後の空港でも豪華メンバーに絡みつつ無双っぷりを発揮してくれて嬉しかったですね。そして、一匹狼(ローンウルフ)は次のメシの種を探しに出かけると…伝説は終わらないのね!!


ここでちょいとお祭り気分に水を差します。
そう、ジェット・リーね。冒頭のフライパン無双めちゃくちゃ良かったのよ。前作よりアクションもきちんと撮れていて更なる活躍を期待してたら、途中で帰っちゃうの!w去り際に記念撮影するスライ隊長のちょっぴり寂しそうな顔ったら、こればっかりは残念だよな。ぜひともアドキンスと絡んでほしかったんだけど…。しかし、パンフレットの“帰っちゃったドラゴン”って上手いよなーw今回もパンフレットは気合入ってるから買ってない人は是非もう一回劇場に行って購入をお勧めします。隅っこのほうに凄い馬鹿なこと書いてあったりするの。
ヴァン・ダムやアドキンスも欲を言えばもう1~2人くらい軍団と絡んでフルボッコにしてほしかったかな……などと欲を言い出せばきりが無い!リスペクトが足りないな!


吹き替え版については、こちらも黄金メンバー勢ぞろい。でも、しょっぱな頭に袋かぶせられてるシュワちゃんが袋を取るまで誰だか分からないようにしているはずなのに、袋の上からぶん殴られたらリアクションが思いっきり玄田ボイスで笑った。特徴ありすぎてバレッバレだっつのw最後の空港での会話はニュアンス的に吹き替えのほうが好きかな。でも、まずは各員の演技に集中できる字幕版を観てからの方がよいと思います。あと、言ったところでどうしようもないんだけど、野沢那智さん、この時まで健在でいて欲しかったよね…。


次回作はすでに制作決定らしいけど、噂通りニコラスハゲとか出るのかな。個人的には動ける人をお願い致したいところ。スカして出演オファー断ったと言う噂のドニー・イェン先生に是非悪役を。あとは現在冷凍刑務所行きになっているスナイプス番長はマストでしょう。来年解凍予定だからバッチリ間に合うよねっ!セガールは最近いろいろ難がありすぎるから微妙なところだし、トラボルタとかも動けないしなあ…悪役には良さそうだけど…。他には誰だ…マイケル・ジェイ・ホワイト…ヤン・スエ…千葉真一……夢が広がりんぐ。


えー、相変わらずグダグダ書き連ねてきたけれど、エクスペンダブルズ2は前作を超えるご褒美映画でアベンジャーズなんか目じゃないくらい楽しませていただきました。子供の頃TV洋画劇場で観てきたヒーローたちの熱いカムバックを全身の毛穴で受け止めて気づいたら目から変な汁がこぼれてくるんですよ。
パンフに載ってるラングレンのインタビューでヴァン・ダムへのコメントが泣けるんだ。
「彼が参加してくれるのはすばらしいことだよ。観客は、しばらく彼の姿を大きなスクリーンで観ていない。彼を久しぶりに観たいと思う人は、きっと多いと思う。」
シュワ、ウィリス、ノリスら大御所は勿論だけれど、ドルフ・ラングレンとヴァン・ダムをメジャーに復活させ、更にはスコット・アドキンスに華々しい大舞台へのデビューを用意してくれたこの企画、スライ隊長に本当に感謝ですな。
そのアドキンス、ヴァン・ダム、ラングレンの三人が再度激突する来月のユニバーサル・ソルジャー殺戮の黙示録も見逃せないっすね!監督は前作リジェネレーションと同様、できる子のジョン・ハイアムズ!


さてはて、興奮覚めやらぬ中、プルトニウム鉱山でアドキンスが左から銃を抜いたはずが右のホルスターに戻すシーンが気になって眠れないっ!こうなったら3回目行って確認するかっ…!!


バーローみさきさま

2011年12月05日 00時31分09秒 | 映画

いつ以来かもう考えたくないけど、久しぶりに映画の感想なんかを。大々的にネタバレすると思われるので未見の人はすまねんこ。

というわけで「タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密」。こう見えて私も一応タンタンファンの端くれであるが、非常に楽しませていただいた。思えば何度も唱えられてきたスピルバーグの実写化企画であるが最新の映像テクノロジーでようやく実現に漕ぎ着けたわけだ。はじめはパフォーマンスキャプチャーの電子アニメということで若干の不安はあったものの、コテコテにならないよう配慮されたキャラクター造形と原作愛で以って見事に吹き飛ばしてくれたね。

なによりオープニングが素敵で涙出そうになった。ジョン・ウィリアムズの楽曲をバックに007カジノロワイヤルを思わせるシンプルな色使いと影絵調の構成でタンタンの活躍が描かれる。とにかく原作愛に溢れていて、タンタンとスノーウィがスポットライトの中を駆けまわり、電車に飛び乗ったかと思えば背景に市松模様の月ロケットがちゃっかりと居座っている演出が憎い(しかし、ということは月世界探検は映画化しないつもりか!?けしからん!笑)。そして原作エルジェの名の下、オリジナルの絵が写され、なぞのユニコーン号の表紙から物語が始まる。
物語が始まってもタンタンはすぐに顔を見せない。蚤の市で自分の似顔絵を描かせているのである。で、似顔絵を描いてる人が、これ間違いなくエルジェでしょ。もう泣かせるよなあ。後ろに張ってある似顔絵のサンプルも原作の絵柄そのままのキャラクターだらけでニヤニヤがとまらない。似顔絵が描きあがると、そこにはお馴染み原作そのままのタンタンの顔が。続いて本人の顔がしっかりとカメラに捉えられるというわけだ。ちょっとベタかもしれないこの一連の流れだが嫌味っぽくなく一途に観客をワクワクさせてくれるからやはり巨匠の腕の安定感は流石である。

物語全体は原作「なぞのユニコーン号」、「レッドラッカムの宝」にタンタンとハドック船長がはじめて出会う「金のはさみのカニ」を合わせてかなりアレンジを加えたものであった。
そもそも敵役はバード兄弟でなくダニエル・クレイグ演じるサッカリン。これって原作では悪役じゃなかったネクラソフさんだよね。なんでもサッカリンはレッドラッカムの子孫という設定であるから、対するはアドック卿の子孫ハドック船長という歴史を超えた再戦がはじまるわけだ。これは私の勝手な想像だが、単純にこれくらい厚みをもたせて明確な善悪を出したほうが映画的に面白くなるってことでリライトしたんだろうな。サッカリンは甘味料みたいな名前とハドック船長がおなじみの罵り文句でまくし立ててくれるのが素晴らしい。
また、悪徳船乗りアランや財布コレクションに熱を入れるスリの物語への関わり方、毎度お騒がせカスタフィオーレ夫人の登場、そして最大の焦点となる3枚の羊皮紙が指し示す方角と物語の終着点などなど、挙げ出せばきりが無いが随所にオリジナルと大幅に異なる構成がなされている。まあ、これらもサッカリンの位置づけ同様、映画的に面白くするための工夫である。悪く言えば所謂原作レイプというやつだが、本作の場合は違った。物語にアレンジは加われど原作への愛とブレないキャラクター設定、世界観で見事乗り切って見せた。
たとえば、タンタンがめちゃくちゃキャラ立ちした20代後半位のスーパーヒーローで携帯電話片手に銃をぶっ放し最後はヒロインを抱きしめて終わるのであればそれはタンタンではない。そもそもタンタンというのはそのシンプルな顔立ちから分かるように「何も無い」という意味が含まれているといわれている(そもそも年齢はさておき性別すらホントのところはどうなのってところで、実は女の子なんじゃないかって説もあったりするみたいだし…)。それはともかく、これは一部私の勝手な解釈でもあるのだけれども、タンタンが完全に物語の中核を成しているようで実は読者が「何も無い」部分にさまざまな想像を膨らませながら自分を当て込んで世界各国を冒険できるというところがこの物語の醍醐味ではないだろうか。作者エルジェの言う「7歳から77歳まですべての若者へ」とはこうした意味合いも内包しているのではないかと思えてくる。そしてその“主人公”タンタンのキャラクターを支えるのが、頼りになるけど時にはお酒を飲んではじけてしまう愛犬スノーウィであり、タンタンのある種の無個性を補う実に人間臭いキャラクターのハドック船長であり、インターポールのコスプレ刑事デュポン&デュボンであったり、マッドサイエンティストのビーカー教授(今回は登場しなかったけど)であったりするわけだ。本作では、これら個々のキャラクターのもつバランスを大きく揺るがすことなく、世界観や時代背景をそのままに映画として必要なスパイスを混ぜ合わせ再構成した。スピルバーグ、ピージャク、エドガー・ライト等々良い製作陣に恵まれて本当に良かったと思う。

さて、本作は冒頭でも述べたようにパフォーマンスキャプチャーを取り込んだ電子アニメだ。これにより無茶なアクションシーンやダイナミックなカメラワークも可能となっている。何しろクライマックスの一つであるバイクチェイスシーンが凄い。街を一気に駆け下りながら激しい追走劇を繰り広げるがそれら一連のアクションがワンショットで録られていることに気づく。あんな動きどうやったら思いつくんだ。これだけでも一見の価値がある映画。そのほかにも、アドック卿とレッドラッカムの衝突を再現する場面や波止場におけるクレーンチャンバラなどなど、どうにもこうにも頭のねじがいくらかぶっ飛んでないと(良い意味で)思いつかないようなアクションと画面構成にやられっぱなし。あと、全編通して照明の使い方なんかも絶妙で、スタッフロールよく見たらLighting consultant(?すまん、うろ覚え…)にスピルバーグ大将のお名前が刻まれていた。

そうそう、本作はとりあえず字幕版を観たわけだが、はじめになっちの名前が出てきたからヤバいかなと思ったのよね。しかしまあ、その横に監修ムーランサールジャパンと付記されていたのでとりあえず一安心。デュポンとデュボンがそのままトムソンとトンプソンにされることも無く。もちろん最大の関心はハドック船長で、映画版ではどんな悪態をつくものかと楽しみにしていたが定番の川口恵子氏の名訳「コンコンニャローのバーロー岬」は出ず。代わりに「びっくりフジツボ」のオンパレードだった。続編ではぜひ「バーロー岬」も入れてやってほしいところだけどね(まあ、元の台詞とのご都合もあるだろうけど…)。恐らくビーカー教授も出てくるだろうから個人的に最大ヒットだった悪態「イカレポンチのフラスコ頭」をお見舞いして差し上げて欲しいところ。
一方の吹き替えではこの辺りをどのように処理されたのかも気になるところなので、吹き替え版も観に行こうかなと思っていたり。というか、2D版を観たので折角なんだから3D版も観に行かなきゃいかんよね。あれ、ってことはもう一回観に行くってことじゃないか、ありゃまフジヤマ。

そんなこんなで、相も変わらずダラダラと書いてしまったけれども、タンタンの冒険、十分楽しませていただいたよ。続編も今回の路線からブレることなく製作していただけることを期待している。ああもう、今年No.1あげちゃおうかな。って、今年そんなに映画観ていないのだけれども…。というか、あんた「あげちゃおうか」って何様だよなんて言わないでおくんなまし。愛しのバーローみさきさま。


殺しのマチェーテなるか

2010年11月08日 23時28分42秒 | 映画

たまには映画の話でもしないとどうしようもないような気がしてきた。

ということで、昨日観た「マチェーテ」について感想をば。いつもなら公開中の映画については極力ネタバレは避けているんだけど、今回は高確率でネタバレ入る予定なので未見の人はページを閉じてさっさと劇場に走るか、目ン玉に親指ね。ストーリー解説は観れば分かるので特にしません。これはいつも通り。


はい、マチェーテですよ。ロドリゲス監督殿、グラインドハウスの時のあの糞カッコイイ似非予告編を実現しちまったわけで。結論から言うと、内容はまさに期待通りで、本年の男気アクション代表作エクスペンダブルズをまんまと抜いて、本年度私的ランキング暫定一位と相成りやした(エクスペンダブルズについては気力があれば後ほど)。

まずもって、役者陣が素晴らしい。本当にエクスペンダブルズとタメを張るような豪華な面々。

その中でも最高に輝きを放っていたのが何が何でも本作の主人公マチェーテを演じるダニー・トレホだよ。
主演だから輝いているのが当然だぁ?ダニー・トレホだよ。あのどうやってもメインでは生かせそうにないダニー・トレホが主演なんだよ。名前を知らなくても顔を見れば分かる。「あー、あの人○○にでてたよねー!」って、その○○が大抵悪役だったり哀れな脇役という。B級アクションを嗜む者にとってはお馴染みの顔ともいえるだろう。
例えば、ヒドゥンでは留置所で騒いでいたところをエイリアンにあっけなく退場させられたり、コン・エアーではヤッた女の数だけ刺青を刻む超絶レイパーを演じ手錠をつないだまま飛行機が墜落した衝撃による腕チョンパで退場させられたり等等、挙げだしたらきりが無い。
実際出演作は多く、一見なかなか鮮やかな経歴ではあるが、とても主演を張れるタイプではなかったし、各々の作中でもそのように扱われることが多かった。そのダニー・トレホが本作品「マチェーテ」ではガトリング装着バイクに跨る神話的バイオレンスヒーローとなるわけ。その作品の監督が従兄弟のロドリゲスというんだから更に胸が熱くなるわな。

とはいえ、B級アクションなどを好まない人にとっては(まあ、そんな人はこんな映画観ないんだろうけど…)、誰よ?あの超絶強面の危ないオッサンは?ってなるんだと思う。だからといってはアレだが、脇役が大変豪華なメンバーで固められているのもこの映画の見所。

この映画、見渡す限り悪役とエロイねえちゃんだらけなんだけど、まずは大御所から目を向けるとロバート・デ・ニーロね。腹黒議員がハマリ役。ベテランは何でもできて流石だなと。最後に寝返ったと思ったら楽しそうに銃撃ちながら登場したのには笑った。で、自分が“移民狩り”される最期も大変良いオチで。

個人的にかなり嬉しかったのは自警団で移民狩りに興じるドン・ジョンソン。加えて、二挺ショットガンで暴れる神父にチーチ・マリン。そう、ナッシュなんだよこの面子。はあ、もう何だこの俺得映画は。ちなみに、ドン・ジョンソンが最終戦争の前に、「俺の先祖はアラモで云々」みたいな台詞があったと思うんだけど、あれと同じような話をマイアミバイスの時にソニー・クロケットとデイビー・クロケットの洒落みたいな会話をしているシーンがあったんだよな。それ思い出して余計に深読みしつつニンマリしていた。

その他、用心棒的な役割に登場するのがトム・サヴィーニだったり、一部の方面の方々はヨダレたらしまくって部屋のワックスがけがいらなくなるような作品だ。

さてさて、エロビッチにも目を向けてやらねばなるまいて。

まずは、ジェシカ・アルバ、今日もエロい!明日もエロい!だから呑気にシャワー浴びている場合じゃないぞ!早くおっぱいを見せるんだ!

次!ミシェル・ロドリゲス!相変わらずエロカッコ強ェねえちゃん最高だ!ラストのアイパッチで再登場は痺れたぜ!本年度しばかれたい女性候補生!

そして、何だ、相変わらずお騒がせなリンジー・ローハン!ジャンローハンみたいな名前しやがって、おっぱい丸出しじゃないか!俺の股間も騒がせやがってけしからん!トレホとの3Pシーンもよくやった!「マチェーテ メールしない 勃起する」今回のエロビッチ大賞はあんたにあげちゃう!

おぅ、我ながら酷いな。


そして今回、メキシコ移民対策云々の陰謀の影で麻薬マーケットの支配を目論む悪役に奴がやってきた!歩く死亡フラグと呼ばれて久しいあの男!最近は自分ではろくに動けず、声までダブル使いまくりのあの男!時には怪しい関西弁を操り、娘はガメラのあの男!なんか性奴隷がいるとかニュースになってもなんの違和感もないあの男!あなたは決して沈黙していない!そう、スティーブン・セガールである!
いやはや、嬉しいじゃないの。久しぶりにケイシーおじさんがこんな表舞台で輝く日が来ようとは。そして本作では正義の世界最強のコックじゃないのがミソね。日本刀を片手に、両脇に女をはべらせながら怪しい笑みを浮かべるセガール。彼のイメージぴったりの悪役を演じ、見事にハマっている。

で、ここからちょいと、恐らく本作最大の問題になるであろう、セガールの最期について触れてみよう。これまで頑なにポジションを守り続けていたセガール最強説が本当に覆されたのか否か!?以下、私の持論である。

我々は信じてきた。エグゼクティブデシジョンでもセガールはステルス機から飛ばされた後、どこかのジャングルで生き延びているか、そのまま偶然シージャックされた船の上に飛び降りてベイツ提督と連携を取りつつ事態を制圧しているはずだと。
ところが本作ではクライマックスのマチェーテとの一騎打ちで、合気の極意を一発かましたのみであっけなく土手っ腹に一撃を食らっている。いよいよ、セガール最強説が覆され、ダニー・トレホはセガールを倒した男として映画史に刻まれるかと思われたが、ちょっと待って欲しい。
格闘の末、土手っ腹に大ナタをブスリと貫通させられたセガール。口から血を吐きつつも不敵な笑みを浮かべる。そして、両足でしっかりと地面を踏み締めるのだ。続けざま、お前の手では俺は殺されないぞと、刺さった大ナタをつかみ自刃する…。

そう、セガールを殺せるのはあくまでセガール自身であって、マチェーテではないのだ!つまり、セガール最強説は覆されていない!

強引過ぎるかしらね?または、こんな仮説も用意できる。あの後、実は植物人間状態になって入院している説。ある日突然意識が戻り復讐の決意を…。っていう、映画があったなあ(遠い目)。

いずれにせよ、セガールは最強だったんだけど(そういうことにしておいてやれ!)、本作を契機に悪役路線も開拓していって欲しいなと、個人的に思ってみたりしちゃったり。
しかし、このオッサン、本当に動けないよな。刑事ニコの頃のシャープな姿から比べればただの草鞋顔した肉達磨だもの仕方ないかもしれんが、プライドは無いのかよ…。実際マチェーテとの一騎打ちもかなりあっけなくて、もう少し頑張って欲しかった。折角滅多にない良い役どころだったんだからさあ。身体に刺さったナタを引っこ抜いて斬りかかるくらいのガッツを見せてくれよ…。


最強オヤジの話はたいがいにして、アクションに目を向けよう。マチェーテはとりあえず刃物さえあれば何でもできる子。しょっぱなから大ナタで切り株作り。オペ道具、調理具、なんでもござれ。火薬量も一切惜しまず、家が爆発すりゃあ、きたねぇ花火の出来上がり。マッドマックス2の要塞みたいな所の最終バトルまでとことん硝煙臭い映画だ。アクションの撮り方も極力余計な編集はせず、スタンダードな演出が多いので安心して事の次第を見届けられる。

アクションも激しければ残酷描写も過激さを増す。そんな中でも何かとユーモアを忘れないのが安心クオリティたる所以。例えば、教科書通りにやりました!と言わんばかり、銃を握ったまま切り落とされた手を拾って、そのままトリガーを引いたり、ショットガンで撃たれた頭はスイカのように弾け散る。飛び出た腸をロープ代わりに飛び降りるシーン一つを見るにつけても分かってらっしゃるなと。あのシーンは最近見た「処刑山/デッドスノウ」を思い出させた。


さて、ダラダラと何が言いたいのかサッパリ分からなくなってしまったが、そろそろ総括。
全体的に激しいアクションを見せつつ、モジモジしちゃう実にけしからんエロ成分を交え、ときには小休止をはさみつつ、教会の監視モニタが十字架形に設置されていてクスッと笑わせてくれるようなユーモアも忘れない。そういうバランスやテンポの良さに加え、話自体も何だかんだでブラックユーモアの中で移民問題を取り上げていたり、豪華キャストの面々を上手く生かせる構成になっていた。これらを総括して、本年度私的ランキング暫定一位ということに。
しかし、今年は良作が多いよね。来月はキックアスも控えているし、気分次第じゃランキングも変わるかもしれんでよ。

あ、そうそう、最後に、この映画パンフ買おうと思ったら作ってないのよね。まあ、ヴァギナから携帯がでてきてびっくりの18禁映画だし、これだけ超絶B級スメルが漂ってりゃ需要も限られるわけで、採算取れんと踏んだのだろうな。ソニーピクチャーズもユニソルはパンフあったんだからもうちょい頑張ってくれよなあと思いつつ…。

というわけで、なんとなく次回への布石を残しつつ終わった感もあるので、フェイクじゃなくて続編「殺しのマチェーテ」の製作を期待。やはり、こういう映画が無くちゃ駄目なのよ。


鉛弾強化月間

2010年06月17日 23時15分21秒 | 映画

酷すぎる。これが2010年6月第一回目の痴れ言とは。

皆、待たせてすまなかった!

いやー、最近ネタがなくてねぇ、だとか、左脳が停止しててねぇ、だとか、言い訳してもいいよな。きっと、熱烈なファンの方々は許してくれる!などと、自涜的発言はそこそこに本題に入る。

これからする話は最近観た映画についてだ。どうにもこうにもネタが無いし気力が無いのでさらっといくからな(超絶上から目線にて)。←おい、君、ツンデレって知ってるか?


①狼の死刑宣告

まあ、あれよ、ギャングママじゃなくてギャング集団に家族を引き裂かれた主人公が私刑の鬼と化すってな寸法で、「狼よさらば」とか「パニッシャー」みたいな話ね。つーか、google先生に訊いてみたら原作が「狼よさらば」の人と同じという。

いやはや、真っ当に作られている良作のアクション映画だよ。噂はかねがね伺っていたけれども、こいつは良い拾い物をしたという感じ。
とにかく、ケビン・ベーコンのブチ切れ方が素敵よね。ベーコンみたいな名前してるくせにさ。そのまんまだけどさ。自分で頭丸めて武装して敵陣に乗り込んでいくラストがもう堪らないよ。何故かぶつけた車が真っ二つになるわ水平二連ショットガン撃ちまくってアウトフォージャスティスを髣髴させる特攻するわでニヤニヤが止まらない。

アクションの撮り方も肝を押さえているため好感が持てる。細かいカット割りやアップ、ズームの多用をせずに、主人公の動きを的確に捉えて撮影されていた。
撮影といえば、この作品で一番びっくりしたのが中盤の立体駐車場で主人公がギャング集団に追いかけられるシーンだ。最初の階から屋上までの移動をワンカットで撮り切っているのである。しかも、単に主人公を追いかけているのではなく、カメラが複雑な立体駐車場の中と外を移動して撮影しているのだ。逃げる主人公と追っ手が交互に撮影されるという、非常に綿密な計算の下に行われたシーンであり、緊迫感たっぷりに仕上がっている。
ちなみに、またしてもgoogle先生に訊いたところ、こんな記事があったので紹介しておく。兎にも角にも、撮影に関してはかなりこだわりを感じる映画だ。

ややっ、さらっといくとか言っておきながら既に長い…。先が思いやられるな。いずれにせよ、未見の方、お勧めでっせ。


②冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

噂のジョニー・トー監督作品ね。ひょっとして初めてかもしれんよ。いやはやしかし、長い邦題だねぇ。この映画の主人公は頭に銃弾が入っていて記憶を無くしてしまうんだが、それになぞらえて付けたのかしら。一々覚えられないよ。「エグザイル/絆」とか、この人の作品って絶対に邦題で損しているよな。まあ、何故か中国映画の邦題はダサイのが多いってのもあるんだけど…。

で、内容は理屈抜きに義理と人情という男臭いハードボイルドアクションだった。ただし、ちょっと男たちの友情が伝わりにくかったかなという印象。この手の映画ばかり観てると割と納得できるんだけど、ちょいと動機付けが甘かったかな、と…。

よかったのは役者陣かな。主演のジョニー・アリディーのお目目がちっさくて可愛らしいんだ。それでいて眼光が鋭いから痺れちまうぜ。あとアンソニー・ウォンな。相変わらず渋いオッサンだぜ。そんで、イカれた大ボスをサイモン・ヤムが熱演し、アンソニー・ウォン含む三人の殺し屋さんがハードコアな世界に笑いをもたらしてくれたりと、配役のバランスがよろしい。

アクションはそれなりに良く出来ていて、ユニークなガンファイトに思わずニンマリだ。しかし、さすがに大運動会的なシーンは吹き出してしまったぞ。未見の方々のために、あえて詳述はしないのだ。

あとは、何だろう、飯が美味そうな映画だった。今後、ジョニー・トー監督作品もぼちぼち攻めてみよう。


③アビス

いやー、長い。理系オタク、つーか、海洋オタクの本領発揮よね。マイケル・ビーンは相変わらず素敵な死に方をする。エド・ハリスも輝いてた。頭じゃないよ。

以上。


④アイアンマン2

アビスは手抜いてないよ。改めて書くまでも無いなと思って自重したの。自重。

さて、待ちに待ったアイアンマン2だ。ところがどっこい。おーい、一作目の勢いはどうしたー、というね。まあ、まさに絶賛公開中の作品ゆえ詳述は避けるけど、私は正直駄目だった…。以下、未見の方は飛ばし読み推奨。

前作よりドラマ部分が多くてパワードスーツの出番が少ない。で、肝心なドラマもぬるいんだ。トニー・スタークの心理描写が甘くて彼の悩みも何も伝わってこない。なんか凄く乱暴だよ。

アクションもいたって普通で面白みに欠ける。アベンジャーズなんかマザーファッカー長官とラテン語エロビッチ登場にワクワクしてたんだけど拍子抜けだ。寒々しちまった。ドロイドもベネットに言わせりゃあ、「口だけは達者なトーシロばかり、よくもまぁ揃えたもんですなぁ。」という具合で頭数多いだけで雑魚すぎる。一番期待していたミッキー・ロークもあれじゃあ可哀想すぎる。

ここまで散々こき下ろしてしまったのは反省する。トニー・スタークの自分大好きっぷりは相変わらず素敵だし、ロバート・ダウニー・Jrは渋くて格好いいっす。あと、サム・ロックウェルが良い役だったね。加えて、スーツケースから変身するシーンや、ラストの日本庭園での戦いはやはり燃えたよ。だから、もうすこしアクションをなあ…。さて、もうこの辺で切り上げようか。嗚呼、3やる気だよな…。


⑤悪魔の毒々プラトーン

はい、トロマ。何でもっと早く観なかったんだと激しく後悔。でも、この度観ることが出来たからOK。いやー、本当に笑いすぎて頬と腹が痛くなった。面白すぎる。

飛行機がテロリストだらけの島に墜落して、生き残った人間がガチンコ勝負するって内容なんだけど、冒頭の飛行機墜落シーンから面白くて何度も再生してしまった。本当に馬鹿映画はかくあるべきというツボを抑えているわけよ。例えばババアがM60ぶっ放すってだけで可笑しいだろう。最後の最後までブラックジョークや小ネタが満載、且つ、一々下らなくて、スタッフと役者が一体になって楽しみながら作っている感じがひしひしと伝わってきた。

こういう映画を観ると凄く元気が出るわけで、こういう映画やりたいなぁとか思ってもみないことを思ってみたりして、一体どっちなんだろうというツッコミは無しにしていただきたいわけでして。


⑥ユニバーサル・ソルジャー/ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン

はい、敢えてラストに持ってきたよ!話題のユニソルっすね!ラストにしたせいで誰も読んでなかったりしてね!

いよいよ今月26日に公開が迫る「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」に備えねばならないので前2作品を見ることに(ちなみにTVMは知らない。公式も無かったことにしたいみたいだし…)。ヴァンダムVSラングレン再びということで興奮して身体が熱いぞ!ちなみに次回作も製作決定している模様で、なんと、3Dで…こらこら、笑った奴は誰だ!?ラングレンにぶっ殺されるぞ?…えー、流行の3Dで公開されるそうな(笑)

あっ。

まずは記念すべき第一作目「ユニバーサル・ソルジャー」。凄く久々に観たよ。何年ぶりだろう。改めてみるとヴァンダムもラングレンも若いね。当たり前だけど。ヴァンダムなんかケツがツヤツヤしてるんだぜ。で、やけに気合の入ったヌードシーンだなと思ったら、ローランド・エメリッヒってゲイだったのな。ちなみに本当かどうか知らんが、かの淀川先生もヴァンダムのケツ丸出しシーンを絶賛してたそうな…。
しかしまあ、やはり、名作よね。素直に面白いって思える作品って大切。ラストでラングレンが確実にくたばっているけど、リジェネレーションではどんな再生を見せてくれるか楽しみだ。

で、TVMは抜きにして(どっかでVHS見かけたんだよな。なんで買わなかったのか…)、お次は「ユニバーサル・ソルジャー ザ・リターン」。実はこれは初見。余談だが、かつて可愛い学生だったぽっくんはこれとカート・ラッセルの「ソルジャー」とどっちを観ようか迷って結局どちらも観なかったという素敵な思い出がある。

いやー、しかしまあ、正直酷かった(笑)なんか凄く雑だったぞ。途中でストリップ劇場出す必要あんのか?とかラストはとりあえず大爆発とかいろいろ突っ込みどころ満載なところは嫌いじゃないんだけどさ。一番納得がいかなかったのは、ヴァンダムが次世代型ユニソル開発に協力してる点なんだよな。第一作を踏まえたら絶対にそうはなり得ないはずなのに、協力に至った経緯がろくずっぽ描かれていない。

と、まあ、ザ・リターンの方は困ったちゃんではあったがこれで予習は済んだ。あとはリジェネレーションの公開を待つばかりである。
そうそう、リジェネレーションの公式ツイッター(HPにリンクあり)が大変素晴らしいので興味のある方はフォローしてみては如何だろうか。とにかく中の人が普通に映画好きっぽいし、丁寧にリプライをしてくれたりするのでTLを追っているだけでも楽しい。こういう宣伝の仕方は大変好感が持てるし、ヴァンダムやラングレンってのは世のB級アクション好きに愛され続けるキャラクターなんだなと、改めて感心する。

話はやや逸れて、ラングレンといえば、やはり秋に公開予定のスタローン様の「エクスペンダブルズ」だね。まったく、ヴァンダムもユニソル出てるんだからこっちも出ればよかったのにというのは禁句だ…。
で、ラングレンは乗りに乗っているようで、既にご存知の方はいらっしゃると思うが、サファリという雑誌の7月号表紙でモデルをやっております!是非とも書店でチェックを!


さあさあ、結局長々と書いてしまった。そして明らかに中盤疲れて勢いが落ちている。相変わらずアクション映画ばっかりじゃねえかとか、アビスなんか目も当てられないぜとか言うのは止めておくんなまし。久々に文章書くと疲れるな。左脳が熱い。氷風呂を用意しろ。


ギョギョッ

2010年05月12日 00時12分25秒 | 映画

毎度お馴染み、やっつけタイトルは水木しげるっぽく。さかなクンじゃない。

たまにゃ、見た映画について書いてみようかなと。気分屋なので。

ユニバーサルモンスターシリーズ「半魚人の逆襲」を見た。かの名作「大アマゾンの半魚人」の続編である。

話は割とツッコミどころ満載でどうしましょうなんだけれど、それはさて置いて感心してしまう映画。やはりなんといってもかの有名な半魚人=ギルマンの造形の素晴らしさに尽きると思う。
前作は通常のホラータッチで姿形は小出しにしていた感があるけれども、今回は続編ということもあり登場シーンが多いので見所たっぷり。おまけに、前作以上に水中シーンが多く、スーツアクターはもちろん撮影においては大変な苦労をされたんだろうなと想像してみたり。ちなみにDVDの解説によると、その後水中スーツアクターの人は水中戦たっぷりの「007サンダーボール作戦」で水中場面監督として活躍したそうな。立派なキャリアだこと。

今回、多感なギルマンは魚類学者のヒロインに恋をしてしまうんだけど、水中から見つめる彼の視線の熱いこと。それはまるでプールの授業で横を泳ぐ女子軍団を覗き見る男子中学生諸氏のように。こっそりと水中で急接近しつつ彼女の全身を舐めるように追いかける変態シーンは思わず「気づけよ!」って突っ込んでしまう。中学生ギルマンに生殖器があるかどうかは定かではないが絶対にパンツがカピカピになるまで勃起していたと思う。あ、パンツも履いてねえか。

馬鹿な話はさておき、実は本作品はクリント・イーストウッドのデビュー作である。とはいえ、動物学者としてほんのワンシーンしか出ていない。しかも、実験用のネズミがいなくなったと報告する全く意味のないシーン。解説によるとやはりこの意味のないシーンについては監督と製作サイドが揉めたらしい。まあ、良くある大人の事情なのか…。いずれにせよ、この作品以後、役者として大活躍して、今や名監督になっているわけだから感慨深いものがあるわねえ。

あと、これって1955年作品なんだけど当時は3Dで上映されていたみたい。なんでも当時流行だったようで。それから約55年くらい経ってアバターみたいな映画が出てきて3D元年とか言っているわけだけれども、“業界”のやらんとしていることってやはり歴史は繰り返す的な定型があって、かつ、当時は赤青メガネだったろうから技術革新が映画に与える影響ってのは本当に馬鹿にならないなと改めて思ったりもした。

ちなみに、ギルマンの人気に押されて更に続編があって原題「The Creature Walks Among Us」っていうらしいんだけど、日本未公開かつパッケージ化もされていない。グーグル先生に訊いてみたらこれまた結構お馬鹿映画っぽいので是非見てみたいけれども。こういうときこそ輸入DVDなんだよな。もっとまじめに英語やっときゃよかった…。


拳のマニフェスト

2010年04月25日 04時06分25秒 | 映画


今更だけど、新しいトレーラーとっくに来てたのね!生きてて良かった!

もうだめだ!なんだよ、この肉密度1000%!ついに知事も出たね!しかと見たよ、拳のマニフェスト!

本当に夢のような企画だよ。なんかもう既に泣きそうな自分が…。愛する女性が重病で云々な映画よりよっぽど“泣ける映画”だろ。

まあね、見てないんだからなんともいえんがね。しかし、この際いいよもう、中身は。この心意気だけで素晴らしいよ。

てなわけで、オシッコとヨダレだだ漏れ状態にて公開まで待機中。脱水症状になったらあんたらのせいだかんね!責任取ってよね!

狂い散りクォーターロード

2010年02月13日 14時40分03秒 | 映画

さあさあ、記録だ。しかし、日数が開きすぎたものもあって記憶が曖昧3センチだぞバカヤロー!

なので、勢いさえあればどうにかなるというマッハGoGoGo的なテンションで書くのでよろしくメカドックは読んだこと無い!


①「グラン・トリノ」

直球勝負の映画だ。映画秘宝で「説教映画」って表現が使われていたけど、まさにその通りね。映画の先生が作った立派な「説教映画」だよ。頑固親父が童貞少年を、時には厳しく、時には暖かく見守り、成長させていく話。…って書くから余計に俺のレビューはいい加減って言われるんだよな!猛反ポータブル!

もうね、イーストウッド先生ってなんでああやって格好つけた演技上手いんだろう。大好きな映画なんだけど「ペイルライダー」見た後も、てめえ何でそんな格好つけてるんだよ!ズルすぎるだろ!という。今回は特に低音で挑んでいる声が渋い!渋すぎる!十万石饅頭怖い!

えーと、映像全体から伝わる独特の行間を読ませるような静かなタッチは、これぞ近年のイーストウッド節炸裂といった印象。2時間静かに集中して観ることができた。あ、そうそう、孟徳でーす、じゃなくて、ラストの少年を閉じ込めるシーンの演出も憎いよな。閉じ込めた金網のドアって“懺悔”に掛けてるんだろうなあと、勝手に納得してしまったり。違ったらごめん。

総じて、映画の先生が作った直球勝負の作品なので未見の方にはお勧めします。



②「ヤング@ハート」

お迎えの近い爺さん婆さんが皆でロックを歌うドキュメンタリー。滅多に見ないドキュメンタリーもたまには良いのかなと。これまた直球勝負の作品だった。

クラッシュ、ラモーンズ、ジェームズ・ブラウンなどなど、爺さん婆さん独特のテンポで歌い上げ、楽しませてくれた。個人的に一番グッときたのはコンサートの練習中に相棒を亡くしてしまった爺さん(すっげえアメリカ人独特のデブ)がソロで歌い上げるコールドプレイの「Fix You」。低音ボイスが素敵過ぎて目からオシッコが出そうになった。
ただし、ドキュメンタリーの悪いところで作り込みすぎの反作用も。もう少し純粋に歌を聴かせて欲しかったなと思ったりした。



③「狂い咲きサンダーロード」

ありゃー、駄目だ勢いが落ちてきたよ!無理したらあっぷよね!なんか書けば書くほど映画の内容も吹っ飛んでいきやがる!

まあ、私の勢いはさておき、この映画は勢いがあるからな。
我が道を突っ走りすぎたゆえに右手と右足をチェーンソーで切られた珍走団の主人公が男の意地で街一つぶっ潰す勢いの大復讐劇を繰り広げる。まさに全体的なストーリーは勢いさえあればどうにかなるというマッハGoGoGo的なテンションで乗り切れるぞ。

珍走団賛美は大嫌いだけどこの映画はほとんどギャグに近いので許せる。主人公がどう張り合っても、どことなく滲み出る情けなさがポイント。
また、小林稔侍が演じるホモの“スーパー右翼”幹部役は必見。君が代を歌いながらの登場は強烈過ぎて参っちゃったよ。よく監督殺されなかったな。
あと、音楽が良かった。泉谷しげるって良い仕事してるよ。
ウィキおじさんで初めて知ったんだけど石井聰亙監督の日芸卒業制作作品だったんだね。すげえよ、80年代の学生映画…。

あ、どうでもいいけど、なんなの、あの某映画データベースサイトの解説は?町山智浩氏も言ってたけど、ああいう解説はその映画が大好きな人に書かせるべき。



④「殺し屋1」

完全に序盤の勢いが沈静化してきた…。

近所のツタヤにて前項「狂い咲きサンダーロード」の隣に並んでいたのでつい。

特に原作ファンでもないので、そこそこ楽しめた。まあ、あとは三池監督だなあ、と。三池監督っていつも変な方向に“やりすぎ”てしまうんだけど、この手の映画ならそこそこマッチするのかねぇ。残酷描写はバッチリだったよ。CGと実写を上手く組み合わせて血の海に。
ヘタレ大森南朋VSヘンテコ浅野忠信もありではないかと。松尾スズキの双生児はいいとこ持って行き過ぎ。まあ、この映画で一番輝いていたのは塚本晋也だけどな!ジジイマッチョお披露目のシーンはおいしすぎだろ!顔が塚本晋也で下がボディービルダーの合成ってのは殺傷力ありすぎ!

まあ、音声解説でタイトルバックのザーメンが塚本氏と数人のブレンド物だってのに一番驚いたんだけどな。とんでもないところで本物志向発揮するなよ。



⑤「狼よさらば」

「うーん、マンダム」でお馴染みの、ギトギト味付け海苔に粗びき胡椒をまぶしたオッサンの映画です。って、ひでえなおい。ブロンソンな。北斗の原作じゃねえぞ。ベタだなあ…。

強盗に妻を殺され娘をレイプされた主人公が“アマチュア刑事”に扮し私刑の鬼と化すという、パニッシャーのような話。
ストーリーは単純で良いのだが、最後まで妻と娘を襲った犯人に制裁が加えられず、また、私刑を続ける主人公の心の葛藤がもう少し見たかったので、いささか消化不良。この手の映画って“アメリカ=銃で自由を勝ち取った国”というイメージが前面に押し出されるのよね。それは一つの製作者の意図であったりするんだろうけど。

まあ、結局この映画って全てC・ブロンソンの魅力に集約されちゃうんだろうな。ラストの指でズキュンポーズ見たらすべてが許せちゃうくらい。俺も中学時代のミニスカポリス以来、思いっきり食らっちゃったよ。



というわけで、以上5項目について記録完了!ご覧の通り、確実に出だしと文章の勢いが違っておりますがね!最後っ屁でエクスクラメーションマーク大量につけてやんよ!!

人間、四半世紀も生きると同じテンション保つのキツくなるの!!あと、地口が増えるのどうにかしてクレオパトラのブロージョブ!!!