経済財政諮問会議ウォッチング

経済財政諮問会議での議論のまとめと感想。

平成25年2月5日

2013-02-11 11:51:14 | Weblog

#Yahooニュースで「女子高生リフレ店長逮捕」という見出しを見て、最近は女子高生までデフレ脱却を唱えるようになったのかと一瞬思ってしまった筆者は、性の妄想よりも経済の妄想に毒されています(><)。

 諮問会議も4回目で今回の主テーマは雇用


 民間議員ペーパーを見ましたが、労働市場改革と題したところから、資料の一部を抜き書きしておきましょう。

3つの法律(労働契約法改正、高年齢雇用安定法改正、労働者派遣法改正)の改正がなされたが、・・・・影響等を検証すべきである。
「ジョブ型のスキル労働者」を創出する・・・・「多元的な雇用システム」を目指すべきである。
・・・・退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべきである。
ハローワーク全体の事業効率を検証する・・・・求職者支援制度や雇用保険事業などの内容を再検証すべきである。

ちなみに、これらに対する厚生労働大臣のお答え?は

(田村臨時議員) ・・・・「ジョブ型のスキル労働者 」の創出については、労働市場に係る基本的な問題であり、多様な観点から検討していくことが必要・・・・全国的なセーフティネットであるハローワークに ついては・・・・民間のノウハウ活用などで官民の連携を強化し事業効率向上図る
・・・・解雇法制はいろな御意見があると思うが、あまり私の立場から言う話ではないのかもわらないが、中小企業は結構フレキシブルである。ここにどんな影響が起こるかということも考えながら、いろいろなことをやっていかなければいけないのではないか

資料を見ても議論を聞いても、どういう施策をうってどういう方向にもっていこうと考えているのか、いまいち分かりにくいと感じた次第です。

 次にちょっとだけデフレ論議
 なぜデフレが悪いのかというと、デフレ下では債務者に有利な再分配となってしまうから家計も企業も貯蓄に走ってしまう。デフレを脱却すれば前向きな投資が出てくるというお話のようです(筆者なりの理解ですから、正しくは資料や議事録を参照のこと)。どんな政策でも副作用はあるわけですが、不利になる人を明示するようなアピールの仕方というのは国民にうけないのでしょうね。

 現下の情勢を円安株高にもっていったのは現政権の功績でしょう。これを好循環の端緒にしてもらいたいと切に願う次第です。


平成25年1月24日

2013-02-02 23:17:09 | Weblog

#平成25年度予算の解説をやっていたアナウンサーの「領土と領海を守る・・・・」という言葉が「道路と業界を守る・・・・」と聞こえてしまった筆者の頭はステレオタイプに毒されています。自戒していきましょう。

 今回は第2回目に引き続き、予算編成基本方針&デフレ脱却が議題です。

 平成25 年度予算編成の基本方針(案)が決定され、この後、閣議決定されました。
平成25 年度予算編成の基本方針(案)
読んでみると、4ページのペーパーに前政権への批判がちりばめられています。

政策の基本哲学をこれまでのいわば「縮小均衡の分配政策」から「成長と富の創出の好循環」へと転換させる。
民主党政権時代の歳出の無駄を最大限縮減しつつ、中身を大胆に重点化する。
平成25 年度予算においては、民主党政権時代の要求内容を徹底して精査し・・・・
被災地からの批判、要望に真摯に耳を傾け、きめ細やかな復興施策を実施する

 政府というのは国民全体のためにあるわけだから、政府の文書に党派色が強すぎるのは望ましいことではないでしょう(税金も国民全体から集められているわけです)。特に、前政権の政策運営に勝手にレッテルを貼るような行為は品格のあるものではない。まあ、前政権だってそんなことをやってたじゃないかといってしまえば、そりゃそうなんですけどね~。

 
デフレ脱却については、前回の筆者の意見と同じことを高橋議員が言っておりました。
「そうい意味で、デフレがなぜ悪いのか、あるいは、デフレ脱却がなぜ必要のかなど、国民生活にどういう影響があるか。そのようなことを経済財政諮問会議で一回きちんと議論したほうがいのではなかと思う。」

 また、このような議論をするためには、物価上昇がいかなるメカニズムで起きるかも考える必要があるでしょう。考え得る物価上昇の経路としては次のようなものでしょうか。

(1)円安や資源・食料価格の高騰で輸入物価が上昇して起こるコストプッシュインフレ
(2)土地や株価が上昇して、それが物価上昇につながる
(3)需要が拡大して需給ギャップが縮まり所得が増加しつつ物価も上昇

(1)は海外への所得流出を伴う望ましくない物価上昇ですが、これでも前回述べたような調整メカニズムを働かせることは可能となるし円安にはもちろんメリットもある。
(2)は土地や株の売買自体は付加価値を増加させるものではないが、これを通じた所得上昇が(3)につながる契機となる。
(3)がもちろん望ましいけれども、そのためには農業、医療、教育分野に株式会社の参入を認めて、ついでに国立大学法人は民営化するくらいのことをやって成長のフロンティアをつくっていかないといかんのではないでしょうか。つい最近も薬の通信販売規制で違憲判決が出ましたが、こんな状態では成長力強化も難しいでしょう。

 
2%のCPI上昇目標に関しては、成長力強化が前提となるという日銀と、物価上昇自体に意味があり、日銀の責任で何とかせよという政府の立場で本質的な違いがある。このような認識の差が今後どのような展開となるのか見守っていきましょう。

備忘録的に、第1回会議での白川さんと安部さんの発言を引用しておきます。
(白川議員)・・・・まずデフレの克服というのは何を意味しているのかを明確にすることが出発点になる。・・・・結局、人々がデフレ脱却という言葉に託しているのは、賃金が上がり、企業収益も増加するなどして人々の暮らし向きがよくなり、経済が全体としてバランスよく改善していくということだと考えられる。こうしたもとで物価が上昇していくことが、人々が望むデフレからの脱却ということではないか。
(安部議長)。10年間ずっとデフレが続いてきたのだから、そうではない手法を今度はとる。そして、実際にやって初めて、このデフレ期待からインフレ期待に変わるが、インフレ期待に変わらない限り、雇用は生まれないし、投資は出てこない。デフレが脱却できなければ、税収は増えないため、財政健全化はできない。・・・・相当の決意を我々で示していかなければ、このマインドを変えていくことができない。いよいよ、もう本当にデフレが終わってインフレになるのだと人々が思う、そして、思わせなければ、このデフレは終わらない。

ではまた