経済財政諮問会議ウォッチング

経済財政諮問会議での議論のまとめと感想。

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平成25年2月28日、3月8日

2013-03-17 12:49:35 | Weblog


#「日本では大騒ぎだけど、アメリカではあまり関心がないもの、な~んだ?」
 「WBCとTPP!」

本ブログを更新しないうちに会議が2回開かれてしまいましたが、どうも抽象度の高い議論や茶飲み話的な話のように感じられてあまり感想もありません。

・TPP
聖域なき関税撤廃ではないことを確認したということですが、それはそうでしょう。だからこそ交渉するのですから。しかしまあ、管、野田政権下で決められなかった交渉参加を安部政権の3か月で決めたということは高く評価すべきでしょうね。

・エネルギー
「短期・中期の経済財政運営の在り方について」というテーマなのに何故かエネルギー談義に花が咲く。どういう会議の仕切りなんでしょうか?

・電子政府
パスポートの電子申請から最近の特許庁での新システム挫折まで電子政府構想は失敗の宝庫。総務大臣は「電子化を進めることで、短期、中長期でどのくらいのコスト削減が図れ、かつ、どのくらい便利になるかを、もっとわかりやすい指標を作ろうということで、今年度は外部のシンクタンクに依頼して効果を試算しようと思っている。」とか気楽なことをおっしゃってますが、民間議員の提案のように過去の検証が必要でしょう。

てな訳で、はなはだ簡略でありきたりな感想ですがこれにて終了します。

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平成25年2月5日

2013-02-11 11:51:14 | Weblog

#Yahooニュースで「女子高生リフレ店長逮捕」という見出しを見て、最近は女子高生までデフレ脱却を唱えるようになったのかと一瞬思ってしまった筆者は、性の妄想よりも経済の妄想に毒されています(><)。

 諮問会議も4回目で今回の主テーマは雇用


 民間議員ペーパーを見ましたが、労働市場改革と題したところから、資料の一部を抜き書きしておきましょう。

3つの法律(労働契約法改正、高年齢雇用安定法改正、労働者派遣法改正)の改正がなされたが、・・・・影響等を検証すべきである。
「ジョブ型のスキル労働者」を創出する・・・・「多元的な雇用システム」を目指すべきである。
・・・・退職に関するマネジメントの在り方について総合的な観点から整理すべきである。
ハローワーク全体の事業効率を検証する・・・・求職者支援制度や雇用保険事業などの内容を再検証すべきである。

ちなみに、これらに対する厚生労働大臣のお答え?は

(田村臨時議員) ・・・・「ジョブ型のスキル労働者 」の創出については、労働市場に係る基本的な問題であり、多様な観点から検討していくことが必要・・・・全国的なセーフティネットであるハローワークに ついては・・・・民間のノウハウ活用などで官民の連携を強化し事業効率向上図る
・・・・解雇法制はいろな御意見があると思うが、あまり私の立場から言う話ではないのかもわらないが、中小企業は結構フレキシブルである。ここにどんな影響が起こるかということも考えながら、いろいろなことをやっていかなければいけないのではないか

資料を見ても議論を聞いても、どういう施策をうってどういう方向にもっていこうと考えているのか、いまいち分かりにくいと感じた次第です。

 次にちょっとだけデフレ論議
 なぜデフレが悪いのかというと、デフレ下では債務者に有利な再分配となってしまうから家計も企業も貯蓄に走ってしまう。デフレを脱却すれば前向きな投資が出てくるというお話のようです(筆者なりの理解ですから、正しくは資料や議事録を参照のこと)。どんな政策でも副作用はあるわけですが、不利になる人を明示するようなアピールの仕方というのは国民にうけないのでしょうね。

 現下の情勢を円安株高にもっていったのは現政権の功績でしょう。これを好循環の端緒にしてもらいたいと切に願う次第です。

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平成25年1月24日

2013-02-02 23:17:09 | Weblog

#平成25年度予算の解説をやっていたアナウンサーの「領土と領海を守る・・・・」という言葉が「道路と業界を守る・・・・」と聞こえてしまった筆者の頭はステレオタイプに毒されています。自戒していきましょう。

 今回は第2回目に引き続き、予算編成基本方針&デフレ脱却が議題です。

 平成25 年度予算編成の基本方針(案)が決定され、この後、閣議決定されました。
平成25 年度予算編成の基本方針(案)
読んでみると、4ページのペーパーに前政権への批判がちりばめられています。

政策の基本哲学をこれまでのいわば「縮小均衡の分配政策」から「成長と富の創出の好循環」へと転換させる。
民主党政権時代の歳出の無駄を最大限縮減しつつ、中身を大胆に重点化する。
平成25 年度予算においては、民主党政権時代の要求内容を徹底して精査し・・・・
被災地からの批判、要望に真摯に耳を傾け、きめ細やかな復興施策を実施する

 政府というのは国民全体のためにあるわけだから、政府の文書に党派色が強すぎるのは望ましいことではないでしょう(税金も国民全体から集められているわけです)。特に、前政権の政策運営に勝手にレッテルを貼るような行為は品格のあるものではない。まあ、前政権だってそんなことをやってたじゃないかといってしまえば、そりゃそうなんですけどね~。

 
デフレ脱却については、前回の筆者の意見と同じことを高橋議員が言っておりました。
「そうい意味で、デフレがなぜ悪いのか、あるいは、デフレ脱却がなぜ必要のかなど、国民生活にどういう影響があるか。そのようなことを経済財政諮問会議で一回きちんと議論したほうがいのではなかと思う。」

 また、このような議論をするためには、物価上昇がいかなるメカニズムで起きるかも考える必要があるでしょう。考え得る物価上昇の経路としては次のようなものでしょうか。

(1)円安や資源・食料価格の高騰で輸入物価が上昇して起こるコストプッシュインフレ
(2)土地や株価が上昇して、それが物価上昇につながる
(3)需要が拡大して需給ギャップが縮まり所得が増加しつつ物価も上昇

(1)は海外への所得流出を伴う望ましくない物価上昇ですが、これでも前回述べたような調整メカニズムを働かせることは可能となるし円安にはもちろんメリットもある。
(2)は土地や株の売買自体は付加価値を増加させるものではないが、これを通じた所得上昇が(3)につながる契機となる。
(3)がもちろん望ましいけれども、そのためには農業、医療、教育分野に株式会社の参入を認めて、ついでに国立大学法人は民営化するくらいのことをやって成長のフロンティアをつくっていかないといかんのではないでしょうか。つい最近も薬の通信販売規制で違憲判決が出ましたが、こんな状態では成長力強化も難しいでしょう。

 
2%のCPI上昇目標に関しては、成長力強化が前提となるという日銀と、物価上昇自体に意味があり、日銀の責任で何とかせよという政府の立場で本質的な違いがある。このような認識の差が今後どのような展開となるのか見守っていきましょう。

備忘録的に、第1回会議での白川さんと安部さんの発言を引用しておきます。
(白川議員)・・・・まずデフレの克服というのは何を意味しているのかを明確にすることが出発点になる。・・・・結局、人々がデフレ脱却という言葉に託しているのは、賃金が上がり、企業収益も増加するなどして人々の暮らし向きがよくなり、経済が全体としてバランスよく改善していくということだと考えられる。こうしたもとで物価が上昇していくことが、人々が望むデフレからの脱却ということではないか。
(安部議長)。10年間ずっとデフレが続いてきたのだから、そうではない手法を今度はとる。そして、実際にやって初めて、このデフレ期待からインフレ期待に変わるが、インフレ期待に変わらない限り、雇用は生まれないし、投資は出てこない。デフレが脱却できなければ、税収は増えないため、財政健全化はできない。・・・・相当の決意を我々で示していかなければ、このマインドを変えていくことができない。いよいよ、もう本当にデフレが終わってインフレになるのだと人々が思う、そして、思わせなければ、このデフレは終わらない。

ではまた

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平成25年1月22日

2013-01-28 05:32:56 | Weblog

 第2回目は日本銀行の金融政策決定会議の報告。

 政府と日銀の共同声明で「日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で2%とする 。・・・・これをできるだけ早期に実現することを目指す。」ということがめでたく決まりました。

 ただ、この声明文では政府の成長力強化が前提となっているので、日銀としては目標が達成できなくとも「今の成長力ではCPI2%なんて無理無理」と言っていればいいわけで、まず実現しないでしょう。だいたい今の政策委員の中央値見通しでも本年度は0.4%、来年度は0.9%というわけで、2%などどこの世界のいつの話といったところです。

 筆者が疑問に思うのは、CPI2%というのが、何を目的にしたものなのかというところ。会議でも為替の話がちょっと出てくる程度で何でデフレがいかんのかという話はほとんどない。
 よく言われるのは、デフレが長引くから買い控えが起きているとか、為替が円高に振れるから製造業が苦戦するという話。前者について言えば、いずれにしても消費税引き上げの際には壮大な駆け込み需要があるはずです。そして、消費税を3から5に上げたときの教訓は駆け込みがあったけれども反動もあったということであり、仮にデフレ下で買い控えがあったとしても、それが景気の大きな阻害要因になっているとも思えないのですが。また為替についても、為替が購買力平価に従って決まるのだとすれば、デフレで円高、インフレで円安といってもたいした問題ではない。

 筆者の考えるデフレの害悪というのは、それが様々な調整メカニズムを阻害しているということ。デフレだから年金のマクロ経済スライドも発動されない。年金の所得代替率も徐々に下げて50%にもっていこうという計画だったのに、逆に上昇したりしている。あるいは、企業が従業員の賃金配分を変えようとしてもデフレ下では賃下げを伴うためになかなかやりずらい。
 だからよく、消費税アップで年金生活者の生活を直撃といった記事が出るけれども、それはむしろ、今までのデフレで有利な再分配になっていた層を直撃するためにデフレ脱却をはかっているわけで、デフレ解消でみんなハッピーといったバラ色の夢をもつことは慎んだ方がいいような気がします。

 なお、共同声明を出したということは、この文面に限っては政府と日銀の認識が一致したということですが、本当に両者の認識は一致しているのでしょうか。たとえば、日本銀行の展望レポートでは、我が国の潜在成長率を「0パーセント台半ば」としているわけですが、これは政府も共有しているのでしょうか。あるいは、今回の声明で日銀は潜在成長力が高まると考えているのでしょうか。よくわかりません。

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平成25年1月9日(諮問会議復活)

2013-01-27 21:43:27 | Weblog

 経済財政諮問会議が再開されたということで資料などを読んでみました。

 第1回目は緊急経済対策が議題。議事録を読んで筆者の琴線にふれた発言は

 (佐々木議員)「これから先、公共投資という形でいろいろなカンフルを打っていくわけだが、その中でお願いしたいのは、1つは、日本は既に成長した国で、飽和状態になっている部分もあり、インフラ整備がシナジーを生むことが難しくなりつつあるので、ぜひシナジー創出型の公共投資についてもお考えいただきたい。ただ、そうは言いながら、昨今問題となっている設備老朽化対応もあり、消費型の公共投資も急がれている中ではあるが、将来に向けたものについてもぜひご配慮をお願いしたい。」

(高橋議員)「これから先、即効性のある公共事業を中心とした経済対策を実施することが極めて現実的な判断だと思う。ただし、もし景気浮揚のための追加事業策がばらまきという批判を招いてしまうと、これは政権にとってマイナス。・・・・、なぜこの規模の対策が必要なのかということ、政策効果という点で中身が妥当であるということについて政府としての説明責任を果たすということに1つ大きな重点を置く必要があるのではないか。」


 てなところですね。まあ、経済対策として公共事業を重視することに当方としては不信感をもっているわけであります。
#だったら何がいいかという対案があるわけでもないのです。要は無駄に動くなと。
#90年代の経済対策や麻生内閣の時の経済対策がどれだけの効果を生んだのかはなはだ疑問。でもその時の総理が財務大臣をやっているんですよね~。

・緊急経済対策を読んでみた
 この会議では骨子案を議論しただけですが、その後、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が閣議決定されたのでこれも読んでみました。
 具体的施策をみると、学校の耐震化や道路の無電柱化といったおなじみの項目と並んで「全国ミッシングリンクの整備」といった新語?も出てくる。しかしまあ、どんな投資でも優先順位をつけてやっているわけで、後回しになっていたものはそれなりの理由があるのでしょう。言葉を作って防災減災に混ぜ込めばもっともらしくなるというわけでもなく、怪しさがつのるような気がします。 具体的な施策がわんさか書いてある中で気になったのが「グローバル認証基盤整備事業(経済産業省)」という言葉。聞いたことがないしググってみてもIT系の話しか出てこない。よくわからないので、補正予算案ができてから経産省のサイトでみてみると

  日本経済再生に向けた緊急経済対策経済産業省関連施策の概要 http://www.meti.go.jp/main/yosan2012/20130115.pdf
 グローバル認証基盤整備事業(委託)  5億円
  我が国が国際標準獲得を目指す戦略製品・システムについて、その安全性や性能を第三者の立場から包括的に証明できる国際認証機関の設立に向け、F/S調査等を実施する。  


 10兆円の補正予算規模からいえば5億円などゴミみたいなものかもしれないけれども、単なるフィージビリティスタディに5億円もかけるとは、どこに委託してどんな調査をしてもらうのでしょうか。予算要求をしているわけですから当然積算根拠はあるのでしょうが、まあ、金額に見合った立派な成果を期待したいものです(棒読み)。 緊急経済対策を読み進めていくと「国土の均衡のとれた発展を実現する」といった言葉が出てくる。人口が増加していた高度経済成長の時代でさえ実現できなかった言葉がいまだに生きているというのはどんなものかと思いますよ。

てなわけで、久々に更新してみました。 

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何が問題なのか。どうすればいいのか。

2011-01-04 05:15:46 | Weblog

 まあ、年に1回くらいはブログを更新しておきましょう。
 民主党政権の政策について思うところをちょっと書いておきたい。

 09年の総選挙で政権を取ったけれども、政策運営はなかなか大変なようです。ガソリンの暫定税率廃止は早々と断念。高速道路の無料化も、簡単そうなところをちょっとやっただけで凍結状態。子ども手当も2年目は3歳未満をちょっと増やしただけ。

 しかし、こうした政策には賛成したいところです。ガソリンや高速道路に関しては環境政策との整合性が問われていたし、子ども手当も予算規模額が大きすぎる点が問題だったわけで、マニフェストだからと突っ走らずに見直す見識をもったのはいいこと。
 でもまあ、こういう評価をする人というのは、そもそものマニフェストに疑問をもっていたということで、他方では、せっかく民主党に投票したのにマニフェストを実行しないといって怒っている人たちも多数いるだろうことを思うと、なかなか難しい状況です。

公共政策というのは多くの利害が絡むものだから実現のプロセスを十分に考慮する必要があります。普天間にしても八ッ場ダムにしてもそうしたプロセスに配慮が足りなくて問題をこじらせている。公務員の天下り禁止は国民の支持も高いし政府部内の問題だから方針さえたてれば実現できた。しかし実現すれば当然のことながら人事は停滞し退職者は少なくなって新規採用ができなくなる。政府は昨年の4月末に採用半減を打ち出したけれども、民間企業の就職活動も一段落した時期になって急に言い出すのも学生には酷な話。

 だったら、どうすればよかったのか。参考になるのは小泉政権の時の公務員の退職年齢を5年間かけて3歳遅らせようという政策。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jinji/jinji_05a.html
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02jinji02_000004.html
 これならば、少しずつ昇任を遅らせるとか採用を絞るとかで対応できるけれども、これが5年で5歳遅らせますなどといってしまうと、まったく動けなくなってしまう。そいう政策を選んでしまったわけです。

 もちろん、新政権になってよかったなと思うところもあるのです。例えば、羽田空港の国際化。拡張工事自体は以前から行われていたわけですが、新政権の24時間国際拠点空港化という明確な意思があって、こんどは成田空港も発着回数の増加で地元と合意できたし、運航時間の延長とか着陸料の引き下げといった話が出てきた。競争は当事者としてはつらいけれども成長のためには必要。成長がなければ雇用も社会保障も立ち往生してしまうのです。

 また、実行に至らない政策は注目されないけれども、その推移を見守る必要があります。例えば教員免許更新制度についてはマニフェストで抜本見直しをうたっていたのだから、政治主導マニフェスト優先でさっさと廃止してしまうのかと思ったら、中教審に諮問して議論するということにしました。こういう姿勢は評価できると思います。他方、自民党の決めた政策でも、十分な説明のないまま棚上げしてその後の方向性も不明という政策もあり(林野庁の独立行政法人化とか)、評価の難しいところ。

 今の政治状況で類似性を感じるのは大正デモクラシー(後の昭和初期)の2大政党の時代。普通選挙が実現した第16回以降の選挙結果を見ると

第16回総選挙1928.2 立憲政友会217 立憲民政党216 その他32
第17回総選挙1930.2 立憲政友会174 立憲民政党273 その他19
第18回総選挙1932.2 立憲政友会301 立憲民政党146 その他19
第19回総選挙1936.2 立憲政友会174 立憲民政党205 その他87
第20回総選挙1937.4 立憲政友会175 立憲民政党179 その他112

 となっています。この時期は、戦前民主主義の到達点であると同時に経済的には金融恐慌から昭和恐慌へと続く停滞の時代でした。そのためか、選挙ごとに民意が大きくぶれていて、内政も外交も一貫した政策がとれなかった。おまけにスキャンダルや政局的政治責任追及で政党への信頼感そのものも失われていき、ついには国策を誤って破滅の道に進んでいってしまったのです。

 民主党政権の最大?の貢献は増税の必要性が認知されつつあること。総予算200兆円の1割くらいは無駄排除で節約できるというような政党が野党第1党にいるという状況では財政再建のハードルは恐ろしく高かった。今の財政に持続可能性がないことは明らかで大きな不均衡はソフトランディングを図らない限りハードランディングかクラッシュしかない。アメリカの経常収支赤字がどこまで拡がるかと注目していたのですが、結局はリーマンショックで縮まりました。

 民主主義は最終的には国民の選択。日本国民は賢明な選択ができるということを祈念しつつ本年最初で最後のブログの更新はお終いにします。
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質問趣意書(専門調査員)

2010-04-11 07:28:33 | Weblog
 前々回のエントリーでは、政党職員が諮問的な非常勤の職員(アドバイザーと呼ぶことにします)になることについて、
(1)アドバイザーを務めるような見識のある人たちなのか。
(2)アドバイザーとしての仕事をしているのか。
といった疑問を呈したわけです。同じような疑問をもつ人は国会議員にもいるようで、以下のような質問趣意書が出ています。

A 内閣官房専門調査員として在籍する民主党事務局職員に関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/174212.htm
B 内閣官房専門調査員に関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/174231.htm
C 内閣官房専門調査員として在籍する政党事務局職員に関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/174291.htm

 これを読むと、(1)の疑問については、専門調査員の氏名を挙げつつも経歴等についてはプライバシーに関わることなのでお答えできませんとのこと。

 別途、Dのような質問趣意書があり、各府省に置かれている顧問、参与に在職する人たちの氏名と肩書きが載せてありますが、専門調査員もこれらと同じアドバイザーであるわけで、同じような見識をもっておられるのでしょうかという疑問なんですが、見識を数量化できるわけでもなし、見識のある人たちなんだと言ってしまえばそれでお終いということでしょう。

D 各省庁に在籍する「顧問」や「参与」、「その他これらに準ずる職」等の非常勤国家公務員に関する質問主意書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/174112.htm

(2)に関連してちょっと疑問なのは以下の問答
Cの質問趣意書で
内閣官房専門調査員として勤務する政党事務局職員の勤務状況は・・・・誰がどのような方法で内閣官房専門調査員の勤怠管理を行い・・・・また、勤怠管理を行っているならば、・・・・採用から現在までの合計勤務日数、合計勤務時間を内閣官房専門調査員ごとに明示されたい。
 という問いに対して

専門調査員の職務は、内閣官房長官の指示を受けて、各府省の大臣等に対し、専門的知見に基づいた情報の提供及び助言を行うというものであり、その勤務状況は、関係する各府省の大臣等を通じて、内閣官房長官が把握しているところである。また、専門調査員は、休日を除きほぼ毎日勤務しているが、お尋ねの合計勤務時間については、専門調査員は、内閣官房長官の指示により、その時々の必要に応じて勤務しているところ、お答えすることは困難である。
 というお答え。

 アドバイザーというのは、ここぞというときにアドバイスするのが役目であって、「毎日勤務する」のでは、そもそもアドバイザー(人事院規則の定義でいえば「諮問的な非常勤の職員」に該当しないのではないでしょうか。Bの質問趣意書では「「諮問的な非常勤の職員」とは、意見を求められた事項について意見を述べ、又は助言を行うこと、情報の提供を行うこと等をその職務とする非常勤の職員をいう」という答弁をしているのですが、意見具申や助言のために毎日勤務とはすごい働きぶり。まあ、仕事の仕方に明確な定義付けがあるわけでもなく(以下略)。。。

 それ以外にも理解が難しいお答えです。「勤務状況は・・・・内閣官房長官が把握している」といいながら、「合計勤務時間については・・・・お答えすることは困難である」というのは、筆者の日本語能力では理解不能。勤務状況を把握しているのかいないのかと小1時間。。。

 無給の非常勤とはいえ、勤務時間を把握しないような一般職のお仕事というものがあるのでしょうか?

Dの質問趣意書では
 「「顧問」や「参与」、「その他これらに準ずる職」等の非常勤国家公務員の勤務時間は、どのように定められているのか
 という問い(ここでの非常勤には無給の人もいる)に対して
顧問職等にある者の勤務時間については、人事院規則一五-一五(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第二条の規定等において、日々雇い入れられる非常勤職員については一日につき七時間四十五分を超えない範囲内において、その他の非常勤職員については常勤職員の一週間当たりの勤務時間の四分の三を超えない範囲内において、各省各庁の長の任意に定めるところによるとされており、各府省等において個別に定められているところである。
 というお答えをしているのですが。ここに挙げられた法令をいくら読んでも「勤務時間の把握ができない非常勤の公務員」という存在根拠を見つけることができないのですが。。。

 勤務時間管理をしなければ、ある時点でその人が公務を司っているのかそうでないのか分からないということ。例えば、何らかの災害にあったときに公務災害に該当するのかどうかの判断はどうするのでしょうか。Aの質問趣意書では「お尋ねの「使用料金」の範囲が必ずしも明らかではないが、専門調査員は、職務上、共用回線による固定電話、ファクシミリ及び電子メールを使用する」とか答えているのですが、勤務時間の管理もしないで「職務上」かどうかの判断はどうしたらいいのかとか、職務専念義務の確保はどうしているのかとか疑問は続々と出てきます。

 公務員に裁量労働制はない(と思う)けれども、勤務時間管理をしなくてもいいのでしょうかと小1時間。。。

結局、一連の答弁の生命線は

内閣官房専門調査員(以下「専門調査員」という。)については、経歴評定等による能力の実証を経て、その職務を十分果たせるものと判断して採用したものである。

専門調査員は、内閣官房長官の指示を受けて、各府省の大臣等に対し、専門的知見に基づいた情報の提供及び助言を行うことをその職務としている。

といったところでしょう。何を聞かれてもこの答弁を繰り返しておけばしょせん明確な線引きがあるわけでなく(以下略)といったところであります。

 質問趣意書の問答を仔細に読むといろいろ感想はあるのですが、どんどん長くなるのでやめておきます。
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建築需要(店舗)

2010-02-13 21:08:37 | Weblog


 ちょいとお勉強したので(といっても以下のサイトを見ただけ)、成果を書いてみようかと。

 建築需要はバブル期にオフィスビルや工場がじゃかじゃか建って盛り上がったのですが、その後は半減状態。そうした中で、店舗建築はバブルで盛り上がることもなかった一方、その後も着実に増えている。

 これはなぜかと言えば、大店法の規制緩和が徐々に進んでいったおかげなのです。ところが平成13年に急落。このときに大店法が廃止されたのですがかわりにできたのが大店立地法。これは出店抑制を目的とした法律ではないのですが、都道府県の胸先三寸で出店抑制に使われそうだとおそれて、出店側はその前に作るべき店舗は着工してしまった。

 しかし、その後は着工が順調に回復しているから都道府県の規制もたいしたものではなかったのでしょう。これが再び反転したのが19年11月の改正都市計画法施行。これは、はっきりとした大規模集客施設の立地抑制。

 店舗ができれば直接の建築需要のほか、消費者の利便性も増すし雇用もうまれる。よく、シャッター通り商店街を何とかしてとか言うけれども、その背後にある現実がこういう数字なのです。

(参考)
http://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/toukei07/geturei/9/topiku.pdf
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001061653
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民主党職員の専門調査員就任

2009-11-15 04:35:21 | Weblog
#思いつきで更新してしまったので、このエントリーについて補足をしておきましょう。

一般職の公務員は政治的行為が規制されている。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S22/S22HO120.html
国家公務員法
第百二条  職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。


ただし、審議会の委員などにはこの制限はありません。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S24/S24F04514007.html
人事院規則14-7
1  法及び規則中政治的行為の禁止又は制限に関する規定は、(中略)すべての一般職に属する職員に適用する。ただし、顧問、参与、委員その他人事院の指定するこれらと同様な諮問的な非常勤の職員(中略)が他の法令に規定する禁止又は制限に触れることなしにする行為には適用しない。


これについて前回、
>専門調査員という職名(中略)からしてアドバイザー的な役割とも思えない。
と書きましたがこれは間違っていました(汗)。

http://www.jinji.go.jp/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1401000_S26shirei14-3.htm
人事院規則一四―七(政治的行為)第一項ただし書に定める諮問的な非常勤の職員の指定について (昭和26年8月10日人事院指令一四―三)
1 人事院は、人事院規則一四―七(政治的行為)第一項ただし書に定める諮問的な非常勤の職員として、諮問的な非常勤の官職で、会長、副会長、議員、院長、会員、評議員、参事、客員研究官、幹事、専門調査員、調査員、審査員、報告員及び観測員の名称を有するものを占める職員並びに諮問的な非常勤の統計調査員、仲介員、保護司及び参与員の官職を占める職員を指定する。


 何で間違ったかというと、前回書いたときには人事院指令まで見つけることができなかったのですよ。人事院のHPを見ると、10月29日から掲載されたようです。グッドジョブというかもっと早くやっとくれというか。。。

 まあ、整理すると一般職の公務員は政治的行為が禁止されているけれども、諮問的な非常勤職員ならOKということ。そして専門調査員も諮問的な非常勤(以下、アドバイザーと呼ぶことにします)ならばこの範疇に含まれる。アドバイザーならば行政の執行に直接携わるわけではないから行政の中立性を疑わしめるようなこともないし、アドバイザーとして雇われるだけで政治的活動が制限されるのも不適切ということなんでしょうね。

 そして、政府は今回雇った党職員はアドバイザーと考えているということがわかりました。

 というのは、今回の件が国会で議論になったのです。政府の答弁は混乱していますが、最後の松井官房副長官の答弁が公式なものなのでしょう。発言はぶつ切りにしてあるので、全体は会議録を見てください。(カッコはもちろん当方の注釈)

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0114/173/17311060014002a.html
平成21年11月6日 参議院予算委員会
○脇雅史君 一般の職員は中立でなくちゃいけないと、こう言われていましたが、それでは、民主党の職員を政府が今回採用されるという話を聞きましたが、これは本当ですか。
○国務大臣(菅直人君) 私は、これは、イギリスの場合はスペシャルアドバイザーという形で、ポリティカルアポインティーについてはそういった一般の職員のような義務は掛かっておりません。
 私は、今回の場合もそれと同様に、言わば特別職と同じ扱いでありますから、これはほかの立場もそうですが、臨時職なりあるいは常勤でない人には掛からない仕組みがありますので、一般の職員とは違って政治的中立性の義務はない、これが私が聞いた見解です。
(特別職的扱いというあたりが不明確で不正確ですな)
○国務大臣(平野博文君) 一般職の公務員法でございます。
○国務大臣(平野博文君) 一般職でございますので、中立性は担保されます。

(一般職であるのは正しいけれど、このままでは政治的活動が制限されてしまいますよ)
○内閣官房副長官(松井孝治君) 御答弁申し上げます。
 御指摘の職は、一般職の専門調査員でございますが、当然行政としての中立性はございますが、専門的な非常勤の一般職でございまして、必ずしも政治的行為の禁止までは掛かっておりません。そういう仕組みが国家公務員法上ございます。

(「専門的な」とか「必ずしも」といったあたりが不明確ですが、前述の人事院規則や指令を念頭に回答したものでしょう)

 ということで、前回書いた疑問の一つは解決したわけです。これまでも内閣府参与に湯浅誠さん、内閣官房参与に平田オリザさん、厚生労働省顧問に駒村教授、総務省顧問に首長とか23名を任命したりしていますが、これと同じ扱いということなんでしょう。

 でもこれは、前回書いた別の疑問を解決するものではないのです。今回雇った27名は本当にアドバイザーにふさわしいような見識を持った人たちなんでしょうか?また、これらの人たちは政策会議の運営や政務三役の補佐にあたると報道されていますが、それってアドバイザーとしての仕事といえるのでしょうか?

 まあ、学識にしても仕事の内容についても明確な線引きがあるわけでなく、実態も明らかにする必要はないので言い逃れはいくらでもできるということなんでしょうね。

 結論は前回と同じで、どんな人を雇って、どんな勤務実態なのか明らかにした方がよろしいんじゃないですかということです。

 非常勤ついでにもう一つ。社会保険庁をクビになる人を非常勤職員として雇おうかという動きがあるようですが、前にも書いたようにやるべき仕事があってそれにふさわしい人を雇うというのが採用の基本。雇うことが先にあるというのはかつての緊急失業対策法を思い出させるような話ですが、どうも非常勤職員での採用を安直に考えているように見えるのは甚だ遺憾でございます。

#うーむ、長い。おもしろみもない。。。更新はこれにてストップします。
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久々の更新

2009-10-28 04:16:05 | Weblog
 しばらくウオッチしていない間に経済財政諮問会議も廃止とか。もはや、更新のしようもないのですが(する気もなかったけど)、最近気になったことを書いておきます。


専門調査員、社・国スタッフも任命
 政府は19日、非常勤国家公務員の「専門調査員」として、廃止された民主党政策調査会のスタッフら27人を任命した。社民、国民新両党の職員も1人ずつ含まれる。専門調査員は各省庁の政策会議の運営などに参加。政務三役の補佐にも当たる。
時事ドットコム(2009/10/19-12:48)


 公務員というのは権力に関わる仕事です。だから例えば外国人は原則としてなれない。ご都合主義で好きに任命できるというものではないのです。

 行政の中立的運営を確保するために公務員は政治的活動が制限されています(国家公務員法102条。これは後で述べる例外を除いて非常勤職員にも適用がある)。そういう職業に政党職員が就くことが許されるとは思えない。政党職員であっても国家公務員としての身分がある間は政治的行為は行いませんというやり方もあり得るけれども、政党職員を採用するという時点で行政の中立的運営を害していると評価すべきです。

 また、この人たちは国家公務員としては無給で党から給与を受けるということですが、それでは政党が直接に行政機構に影響力を及ぼすことになる。いったい、この人たちの国家公務員としての仕事はどの程度のものなのでしょうか。国家公務員としての仕事を主としてするのであれば、その給与が政党から出るなどあり得ない。政党が行政機関を支配することになってしまいます。

 逆に、国家公務員としての仕事はたいしたものではなく、アドバイス的なものだというなら無給でも納得できます。ただし、そういう職ならば顧問や参与といった名称にするのが一般的で専門調査員がそういうものなのかどうかはっきりしません。(顧問や参与ならば政治的行為の制限もない(人事院規則14-7の1)ので、政党職員がそうした職に就いても問題はない。)

 てなわけで、はっきりしないけれども専門調査員という職名や27名という大量採用からしてアドバイザー的な役割とも思えない。

 また別の論点ですが、こういう採用はいわゆる猟官制であって、イギリスやアメリカでは19世紀に否定されたシステムです。

 今回の採用にあたっては、次のようなことを明らかにすべきでしょう。
・具体的にどんな仕事をするのか。政党の仕事と国の仕事との比率はどの程度のものなのか。
・党が給与を支払うということに合理的な説明ができるのか。
・採用される人たちがどういう知識経験を有しているのか。

 前に書いたように顧問や参与などの諮問的な非常勤であれば政治的色彩の強い人でも任命できる。しかし、そうした場合はどんな人をどういう委員に任命したか公表するのが普通です。そういう人は名前を知られた人だから、改めて経歴など公表する必要もない。しかし今回の場合はあまりにも不透明です。

 政府としてなすべき仕事があり、その仕事に最適な能力をもっている人を(もちろん国の給料で)採用するというのが公務員採用の基本。今回は政府に仕事があるというよりも、特定の属性の人(政党職員)を雇いたいという要請がまずあって、適当な理屈をつけて雇ってしまうという印象がぬぐえません(ネポティズムですね)。大げさに言えば民主主義の根幹に関わる問題です。

 おお!2年ぶりにブログを更新した。これから民主党ウオッチングとしてこのブログを続けることは・・・・・・・・ありません。

#長々と書いたけど、公務員の政治的行為の制限は広汎に過ぎて賛成しません。ただし、行政が不偏不党であるべきなのは当然です。
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