【大紀元日本2月24日】北京がオリンピックの準備を積極的に進める一方で、深刻な砂漠化、水不足の問題は依然として続いている。環境保護専門家によると、現在、中国の約3分の1の土地が砂漠化の影響を受けているという。
仏・リベラシオン紙の報道によると、最近、一つの砂丘が北京からわずか80キロの距離に迫っており、河北省は水不足から、この地域を“不毛の地”と呼んでいる。
中国の民間環境保護組織緑色江河の責任者・楊欣氏は砂漠化は主に、自然、人為などの要因が重なって発生するものであると指摘している。
楊氏によると、「中国北方、西北部の砂漠化の原因はほとんど変わりません。世界の気候温暖化、干ばつ、少雨が砂漠化に必要な条件を満たし、これに加えて、人為的な開墾が、砂漠化のペースを加速させています。砂漠化の進行を阻止するのは非常に難しいことです。砂漠化を緩和する場合、植樹、植草などの人為によって一定の改善ができるほか、社会全体で節水することも可能です。したがって、中国が砂漠化の問題を解決する場合、まず全人民に節水を提唱し、後に、生態の再生において、実行可能な科学的方法を用い、問題解決を進めるのです」という。
中国の3分の1の土地が砂漠化の影響を受ける
楊氏の指摘によると、多くの科学的手法は、実のところ非常に簡単であり、人間が自然を破壊しなければ自然が備えている回復機能や節水等の人為的措置、自然からの搾取の減少を通じ、砂漠化の深刻さを緩和することができるという。
国際環境組織であるグリーンピース中国気候変動エネルギーキャンペーナー・楊愛倫氏によると、現在中国の約3分の1の土地が砂漠化の影響を受けている。同氏の指摘によると、気候の変化や人為的な過度の放牧等の要因により本来存在していた耕地不足水不足の問題が一層深刻化しているという。
楊愛倫氏は「北京において現在発生している砂漠の襲来は、全国で発生している砂漠化の現象の1例に過ぎません。実際、広大な西北地区はより深刻な影響を受けています。また、砂漠化は通常、貧困と大きな関係があります。なぜなら、土地の質が劣化し農民が耕作できなくなることによって貧困の問題が発生するからです。この問題を解決するのは容易なことではありません」と分析している。
人為的破壊
楊愛倫氏の指摘によると、中国政府が実施した、植樹を含む一部のプロジェクトは一定の成果をあげたものの、工業化が進む過程において、自然資源の消費が急ピッチで進んでおり解決に向けた行為が人為的破壊のペースに追いついていないという。
楊愛倫氏は「中国は現在、急速な工業化の段階にあります。多くの都市において、人々の生活の質はますます良くなっています。しかし、問題は、私たちが擁する自然資源が有限であるということです。これだけ膨大な人口を抱える中国が進むべき方向は、より良い発展モデルを模索し、発展の効率を高める一方、民衆に対し全く新しい持続可能な生活方式の概念を持たせることです。単に自分の生活の質と物質面での享受をイコールと捉えるだけでなく、やはり節約の態度を持つべきです」と指摘する。
楊愛倫氏によると、地球温暖化といった外在的要因のほか、現在の中国はエネルギーを大量に消費し自然資源に対する需要が非常に高い経済モデルであることから砂漠化の解決に向けた努力が非常に困難になっている。このため、中国政府は更に有効な全国レベルでの解決策をとる必要がある一方、民衆に対し環境保護、節水、自然資源の保護をより良く行うことを教育することが必要であるという。