ハリコン日記

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よそ様から拝借~サンタクロース~

2009-12-24 15:41:59 | 日常
 サンタクロースとは、そもそも珊拓狼(さん たくろう)なる人物が、悪徳商人の家から盗み出した金品を貧しい人々に 分け与えたという宋代の故事に由来する。

 義賊の珊拓狼は白髪・白髭の老人で、盗みに入るときには 常に真紅に白い縁取りの衣服を着用していた。彼は鍵開けの達人で、卓越した鍵開けの技術を持っており、どんな鍵でもたちどころに開けてしまい、宝物庫から金品を持ち去ったという。

珊拓狼の名声が広がると、悪徳商人たちは恐れをなし、宝物庫の番人として屈強な守衛を雇い入れた。しかし、武術の達人でもあった珊拓狼は、守衛たちに臆することなく立ち向かい、守衛たちを一瞬のうちに打ち負かしては、盗んだ金品を貧しい人々に分け与えていた。やがて、人々は尊敬の念を込めて、彼を 珊拓狼師(さん たくろう し)と呼ぶことになった。

あるとき珊拓狼は、当時は金よりも高価であるとされた銀で作られた彫像を、貧困に喘ぐ農民の家族に手渡した。そのとき、農民の家族たちは、自分たちの苦しい生活もこれで終わるのだという期待を込めて、「苦痢終末(くりしゅうまつ)」とつぶやいた。これが、今日のクリスマスの語源であるとされる。

 珊拓狼の逸話は、宋代にはシルクロードを超えた 行商人たちによって、明代には南海大遠征を行った鄭和によって中華帝国の外へも伝えられた。 南仏のプロヴァンス地方(中国名:普楼婆州)には、 サン=タクローシなる白髭の義賊が貧しい農民を助けるために奮闘するという内容の演劇が今でも伝えられているという。

民明書房刊『西洋文化における中華帝国の役割』より

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