郵便小包「ゆうパック」の制度が変わった。
結論から先に言うと、利用者は選択の余地が狭められてしまい。窓口の職員にはより煩雑になってしまった。
先月まで、ゆうパックは重さで料金が決まっていた。普通の郵便や国際小包も重さで料金が決まるのだから、それはきわめて合理的なことだった。
ちなみに、民間の宅配業者の多くは、荷物の縦、横、高さの合計で料金を計算する。
利用者は、もちろん私もその一人だが、そういうわけで宅配業者と郵便局を使い分けていた。すなわち、かさ張るが軽いものはゆうパックで、小さいが重いものは宅配便で送っていた。
しかし、この10月から突然、ゆうパックは民間の宅配業者と同じ料金体系、つまり荷物の寸法による料金体系に変わってしまった。衣類や乾物など、軽くかさばる荷物は、実質的に大幅な値上げなのである。
しかも、この寸法の区切り、60cm、80cm…と、じつに不思議なことに、さる宅配業者とまったく同じなのだ。もしこれが、例えば70cm、90cm…であれば、縦横高さの合計が65cmなら郵便局、72cmなら宅配便、と使い分けもできるところだったのだが。
民間との共存を許さない、さすがは「真っ向対決」の郵便局である。
さて、小包の料金体系のもうひとつの軸は距離である。宅配業者は、たとえばヤマト運輸は、東北、関東、信越…などと、全国を12のエリアに分けて、エリア間の料金体系を作っている。つまり、関東地方のどの都県から、九州地方のどの県に送っても料金は同じ、というルールだ。いっぽう、全国2万余の店鋪を誇る郵便局は、都道府県別にかなりきめ細かな体系を作っており、同じ北陸地方でも、石川と富山でも、送り先によって料金は変わっていた…先月までは。
ここでまた、利用者には選択の余地があった。たとえば石川県から荷物を送る時、東京都はゆうパックが安く、千葉県は宅配便が安い。両者の料金表を見ながら、選ぶことができていた。
ところが、郵便局はこのきめ細かなサービスをやめてしまったらしい。全国を、こちらは11のエリアに分けた料金体系になった。そしてまたエリアの区切りが、じつに不思議なことにヤマトとほぼ同じなのである。
やはり「真っ向対決」。
ここでちょっと視点を変えよう。現場の郵便局員はどう変わっただろうか。
最初に書いたとおり、普通郵便や国際小包は依然として重さを量って料金をきめる。これは変わらない。ということは、ゆうパックの料金体系が変わっても、カウンターに鎮座する秤がなくなるわけではないのだ。逆にゆうパックのために、新たに巻尺を使い始める羽目になった。利用者がやや大ぶりの包みを持って「これはゆうパックと普通郵便と、どっちがいいですかねえ」なんて聞いてきたら、重さと寸法と、両方量らないといけないのだろう。…他人事だけどさ。
メリットもなくはない。
利用者は業者を選ぶことができなくなった代わりに、比較が容易になり、どちらがトクかわかりやすくなった。
そして私はもう、ゆうパックは使わないだろう。
結論から先に言うと、利用者は選択の余地が狭められてしまい。窓口の職員にはより煩雑になってしまった。
先月まで、ゆうパックは重さで料金が決まっていた。普通の郵便や国際小包も重さで料金が決まるのだから、それはきわめて合理的なことだった。
ちなみに、民間の宅配業者の多くは、荷物の縦、横、高さの合計で料金を計算する。
利用者は、もちろん私もその一人だが、そういうわけで宅配業者と郵便局を使い分けていた。すなわち、かさ張るが軽いものはゆうパックで、小さいが重いものは宅配便で送っていた。
しかし、この10月から突然、ゆうパックは民間の宅配業者と同じ料金体系、つまり荷物の寸法による料金体系に変わってしまった。衣類や乾物など、軽くかさばる荷物は、実質的に大幅な値上げなのである。
しかも、この寸法の区切り、60cm、80cm…と、じつに不思議なことに、さる宅配業者とまったく同じなのだ。もしこれが、例えば70cm、90cm…であれば、縦横高さの合計が65cmなら郵便局、72cmなら宅配便、と使い分けもできるところだったのだが。
民間との共存を許さない、さすがは「真っ向対決」の郵便局である。
さて、小包の料金体系のもうひとつの軸は距離である。宅配業者は、たとえばヤマト運輸は、東北、関東、信越…などと、全国を12のエリアに分けて、エリア間の料金体系を作っている。つまり、関東地方のどの都県から、九州地方のどの県に送っても料金は同じ、というルールだ。いっぽう、全国2万余の店鋪を誇る郵便局は、都道府県別にかなりきめ細かな体系を作っており、同じ北陸地方でも、石川と富山でも、送り先によって料金は変わっていた…先月までは。
ここでまた、利用者には選択の余地があった。たとえば石川県から荷物を送る時、東京都はゆうパックが安く、千葉県は宅配便が安い。両者の料金表を見ながら、選ぶことができていた。
ところが、郵便局はこのきめ細かなサービスをやめてしまったらしい。全国を、こちらは11のエリアに分けた料金体系になった。そしてまたエリアの区切りが、じつに不思議なことにヤマトとほぼ同じなのである。
やはり「真っ向対決」。
ここでちょっと視点を変えよう。現場の郵便局員はどう変わっただろうか。
最初に書いたとおり、普通郵便や国際小包は依然として重さを量って料金をきめる。これは変わらない。ということは、ゆうパックの料金体系が変わっても、カウンターに鎮座する秤がなくなるわけではないのだ。逆にゆうパックのために、新たに巻尺を使い始める羽目になった。利用者がやや大ぶりの包みを持って「これはゆうパックと普通郵便と、どっちがいいですかねえ」なんて聞いてきたら、重さと寸法と、両方量らないといけないのだろう。…他人事だけどさ。
メリットもなくはない。
利用者は業者を選ぶことができなくなった代わりに、比較が容易になり、どちらがトクかわかりやすくなった。
そして私はもう、ゆうパックは使わないだろう。