ハンドウイルカ(Tursiops truncetus)というイルカがいる。
「半道海豚」と書く。
水族館でも多く飼われており、ショーでも活躍する。
いま、イルカと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、このハンドウイルカだ。
ところがこのイルカ、「バンドウイルカ」とも呼ばれる。
Wikipediaによると、1957年に海獣類研究家の西脇昌治氏が名づけた、とある。
目下、正式な和名は「ハンドウ」のほうだが、どういうわけか水族館などでは「バンドウ」のほうを使っているところが少なくない。
バンドウ派の言い分はこうである。
「半道」とは「中途半端」とか歌舞伎の「三枚目」とかいう意味で、あまりよい名前とは言えない、と。
奇妙な話だ。
古くから広く呼ばれてきた「半道」とは、そんなにひどい名前なのか。
少なくとも、アホウドリやバカガイほどストレートな蔑称ではない。
こと鯨類に限ったって、ザトウクジラ(ずんぐりした体型が座頭の持つ琵琶に似ていることから)のほうがよほど差別的ではないか。
イワシクジラに「似たり」でニタリクジラというほうが、よほどいい加減ではないか。
複数の辞書を引いてみた。
すると、半道には道の半ば、すなわち「中途」という意味はあっても、「中途半端」という意味はないことがわかった。
名前がよくない、というのは、まったくの言いがかりだったわけだ。
では、何が「中途」なのか。
自分なりに考察してみた。
日本近海で見られるイルカの中で、ハンドウイルカはもっとも大きい。
つまり、大きさでは、もっともクジラに近いイルカと言える。
また、ぼんやりした地味な体色も、模様の際立つマイルカやカマイルカ、イシイルカなどよりは、ツチクジラなどを彷彿とさせる。
すると、ハンドウイルカとは、クジラになりかけた『道半ばの』イルカということではないのか。
今でこそ、ハンドウイルカはイルカの代表格のように思われるが、それは水族館やテレビによってごく最近に刷り込まれた印象でしかない。
それが証拠に、マイルカ(真海豚)は別にいる。
だから、昔の人が、マイルカを基準に、デカいし地味だし、半分クジラみたいなイルカ、と名付けても、なんら不思議はない。
じつは私は、西脇氏が「ハンドウ」に異を唱え、新たに「バンドウ」を提案したとは考えていない。
すでに述べたように、「半道」に悪い意味がない以上、異を唱える理由がないからだ。
ひょっとすると始まりは、氏がうっかり「バンドウ」と書いてしまっただけなのではないか。
そして、ご本人かその支持者かは知らないが、誤りを指摘されたとき、誤魔化すために理由を後付けしてしまったのではなかろうか。
故人を相手に誠に申し訳ないが、このうっかり仮説の傍証に「オオギハクジラ」の例を挙げる。
和名の由来は、特徴的な扇(おうぎ)形の歯。
だから本来ならば「オウギハクジラ(扇歯鯨)」となるところだが、これを1965年に「オ『オ』ギハクジラ」と記載してしまったのが、誰あろう、この西脇氏なのであった。
誤解のないように書き添えるが、決して西脇氏を貶める意図はない。
著名な研究者のお茶目な一面を見せてもらったようで、却って微笑ましく感じている。
なぜ突然こんな話を書いているかというと。
メタバース「SecondLife」で、新しいハンドウイルカのリメークが完成したのである。
以前作ってあった全長2mの個体は、ミナミハンドウイルカ(T.aduncus)に名前が変わった。
これは、現実の新しい分類に沿ったものだ。
「半道海豚」と書く。
水族館でも多く飼われており、ショーでも活躍する。
いま、イルカと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、このハンドウイルカだ。
ところがこのイルカ、「バンドウイルカ」とも呼ばれる。
Wikipediaによると、1957年に海獣類研究家の西脇昌治氏が名づけた、とある。
目下、正式な和名は「ハンドウ」のほうだが、どういうわけか水族館などでは「バンドウ」のほうを使っているところが少なくない。
バンドウ派の言い分はこうである。
「半道」とは「中途半端」とか歌舞伎の「三枚目」とかいう意味で、あまりよい名前とは言えない、と。
奇妙な話だ。
古くから広く呼ばれてきた「半道」とは、そんなにひどい名前なのか。
少なくとも、アホウドリやバカガイほどストレートな蔑称ではない。
こと鯨類に限ったって、ザトウクジラ(ずんぐりした体型が座頭の持つ琵琶に似ていることから)のほうがよほど差別的ではないか。
イワシクジラに「似たり」でニタリクジラというほうが、よほどいい加減ではないか。
複数の辞書を引いてみた。
すると、半道には道の半ば、すなわち「中途」という意味はあっても、「中途半端」という意味はないことがわかった。
名前がよくない、というのは、まったくの言いがかりだったわけだ。
では、何が「中途」なのか。
自分なりに考察してみた。
日本近海で見られるイルカの中で、ハンドウイルカはもっとも大きい。
つまり、大きさでは、もっともクジラに近いイルカと言える。
また、ぼんやりした地味な体色も、模様の際立つマイルカやカマイルカ、イシイルカなどよりは、ツチクジラなどを彷彿とさせる。
すると、ハンドウイルカとは、クジラになりかけた『道半ばの』イルカということではないのか。
今でこそ、ハンドウイルカはイルカの代表格のように思われるが、それは水族館やテレビによってごく最近に刷り込まれた印象でしかない。
それが証拠に、マイルカ(真海豚)は別にいる。
だから、昔の人が、マイルカを基準に、デカいし地味だし、半分クジラみたいなイルカ、と名付けても、なんら不思議はない。
じつは私は、西脇氏が「ハンドウ」に異を唱え、新たに「バンドウ」を提案したとは考えていない。
すでに述べたように、「半道」に悪い意味がない以上、異を唱える理由がないからだ。
ひょっとすると始まりは、氏がうっかり「バンドウ」と書いてしまっただけなのではないか。
そして、ご本人かその支持者かは知らないが、誤りを指摘されたとき、誤魔化すために理由を後付けしてしまったのではなかろうか。
故人を相手に誠に申し訳ないが、このうっかり仮説の傍証に「オオギハクジラ」の例を挙げる。
和名の由来は、特徴的な扇(おうぎ)形の歯。
だから本来ならば「オウギハクジラ(扇歯鯨)」となるところだが、これを1965年に「オ『オ』ギハクジラ」と記載してしまったのが、誰あろう、この西脇氏なのであった。
誤解のないように書き添えるが、決して西脇氏を貶める意図はない。
著名な研究者のお茶目な一面を見せてもらったようで、却って微笑ましく感じている。
なぜ突然こんな話を書いているかというと。
メタバース「SecondLife」で、新しいハンドウイルカのリメークが完成したのである。
以前作ってあった全長2mの個体は、ミナミハンドウイルカ(T.aduncus)に名前が変わった。
これは、現実の新しい分類に沿ったものだ。
ここに書いたのは仮説に過ぎませんが、筋が通っていると感じていただけると嬉しいです。
ゴンドウの記事も読ませていただきましたよ。
これからもよろしくです。
しかし、どうしてハンドウがバンドウになったかどうしても判らず、こちらのブログを読ませていただいて、ようやく納得できました。
勝手ながら自分のブログに載せさせていただきました。
ありがとうございました。