ハナウマ・ブログ

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Welcome Suica を利用する

2021年07月22日 | ぶらり

Welcome Suica(ウェルカム・スイカ)とは、来日外国人向けの交通系ICカードである。来日外国人が利用することを想定したものなので通常のSuicaとは異なる。しかし日本人には売らないとか、使ってはダメというわけではないので、たとえば「地方から友人や家族・親戚がやってくる」など目的が合えばじゅうぶん利用価値はある。今回はWelcome Suicaを筆者流に紹介する。

INDEX

  • ふつうのSuicaカードで困ること
  • Welcome Suicaとは
  • 東京観光にも便利
  • Welcome Suicaはここで購入できる
  • 「こども」はどうなる?
  • 区域外に注意し使用後は記念品に
  • 参考リンク

ふつうのSuicaカードで困ること

関東地域内で移動したり買い物したりするにあたっては、JR東日本の交通系ICカード「Suica(スイカ)」が非常に便利であることは、今さら説明するまでもないだろう。手に取れるカードタイプのほかスマートフォンアプリとしての「モバイルSuica」も非常に便利である。
筆者はその背後にある技術的な仕様も含めて他の交通系ICカード、電子マネーカードより大きな信頼を寄せている。
しかしたまに地方からやってくる友人や家族などと行動するときはちょっと不便である。

一般的なSuicaカードでは500円のデポジットが必要なため、初回購入時にたとえば3,000円支払っても2,500円の残額からスタートとなる。昔のコカ・コーラの「ビン預かり保証金」みたいなものである(たとえが古いか)。そのためカードを返却すれば500円は戻ってくる。

しかし地方から関東方面にやって来た友人や家族にSuicaを持たせた場合、滞在終了後に残額やデポジットの払い戻しをしようとするとちょっと困ることがある。それは、JR東日本の駅でしか取り扱うことが出来ないからだ。
チャージ残額についてはほぼ日本全国の電子マネー対応店舗などで使い切ることが出来るが、デポジットの500円についてはJR東日本以外の地域に持ち帰ってしまうと取り戻せない。

そしてチャージ残額にしろ、デポジットの500円にしろ、払い戻しの際は窓口で公的な身分証明書の提示が必要だ。さらに払い戻し手数料220円がチャージ残額から差し引かれる。
手数料はあくまでもチャージ残額から差し引く考え方なので、残額が220円以下の場合は、「払い戻し額0円+デポジット500円」という理屈になり、500円を受け取ることになる。したがって残額を使い切ってから払い戻しする方が、わずかだが節約にはなる。

ちなみにSuicaを長期間使用していない場合、たとえチャージ残額があってもロックがかかってしまい使用できなくなることがある。その場合はロックされているSuicaカードと公的身分証明書を持ってJR東日本の駅の「みどりの窓口」へ行くことになる。また、東京モノレール、りんかい鉄道などJR東日本以外で発行されたSuicaはその鉄道会社でなければ取り扱いできない。

Welcome Suicaとは

さてWelcome Suicaである。
まずは一般的なSuicaとは異なる特徴を列挙しておく。

  • デポジット不要
  • カードそのものに初回使用日から起算して28日間という有効期限が設定されている(カード本体裏面のGOOD THRUとは異なるので注意)
  • 桜をモチーフにしたデザインがちょっと自慢できる?
  • 特定の駅、特定の券売機でしか購入できない
  • 購入時に渡される紙のカード「Reference Paper」も合わせて携行しておく必要がある

また一般的なSuicaと同じく、

  • 2万円を上限に何度でもチャージが可能
  • JR東日本以外であってもSuicaが使用できる鉄道、モノレール、バス、タクシー、ショップなどで利用できる。
  • 数種類の割引切符(「のんびりホリデーSuicaパス」など)を書き込める


東京観光にも便利

一般的なSuicaカード同様、Welcome Suicaにも関東地域を対象とした数種類のフリーパス(割引切符)情報をのせることが出来る。東京観光などをする場合は実質負担額も抑えられるので便利だ。
じつは東京というところは、クルマを使って観光するよりも、鉄道、地下鉄、路線バス、路面電車(都電荒川線=東京さくらトラム)などの公共交通機関と自分の足を使った方が効率よく経済的でもある。

関東在住者はすでに自分で持っているSuicaにフリーパス情報をのせ、来訪者はWelcome Suicaにのせて、一緒に観光するといいだろう。なお、このフリーパス情報はWelcome Suica購入時にのせておくことも可能だ。

成田空港と羽田空港で新規購入するWelcome Suicaに関しては、東京23区内のJR線(普通・快速)のみを利用できるフリーパスをセットすることが出来る。
このパスのポイントは「JR線以外は利用できない」ということだ。地下鉄を含む他社線や都営バス・都電などは利用できない。しかしそのぶん価格は低く設定されている(羽田空港からフリーエリアまでは東京モノレールを利用可)。
それぞれの空港からのアクセスラインをセットにした「Narita→Tokyo 1-Day Pass」、「Haneda→Tokyo 1-Day Pass」、そしてアクセスラインがセットされていない単品の「Tokyo Metropolitan District Pass (Tokunai Pass)」の3種類からどれか一つをWelcome Suicaにセットすることが出来る。

なお、こういったJRの割引切符(正式には「特別企画乗車券」:愛称「トクトクきっぷ」)にはSuicaに書き込めないタイプ、すなわち紙の切符でしか発売されないものの方が多いので、事前に確認しておくといいかもしれない(参考リンクを本稿末尾に記載)。

Welcome Suicaはここで購入できる

さて、Welcome Suicaは下記の場所で購入できる。

  • 次の各エア・ターミナルにあるJR EAST Travel Service Center
    成田空港第1ターミナル、成田空港第2・3ターミナル、羽田空港第3ターミナル(旧国際線ターミナル)
  • 次の各駅にあるJR EAST Travel Service Center
    東京駅、新宿駅、渋谷駅、池袋駅、上野駅、品川駅、浜松町駅、仙台駅、川崎駅
  • 東京駅八重洲口にある「JAPAN RAIL CAFE」

なお、成田と羽田では自動券売機での購入も可能だ。それ以外の箇所ではすべて窓口での対面販売となる。また「JAPAN RAIL CAFE」は、ごく普通のカフェであって、鉄道模型が走っていたりすることはない。ちょっとだけ来日外国人向けと思われる造作(ぞうさく)があるという程度だ。カフェと同じ空間にJR EAST Travel Service Centerのカウンターがある。

「こども」はどうなる?

地方から家族や親戚がやってくるような場合、「こども(小児)」がいるときもあるだろう。そんな時はこども用のWelcome Suicaを購入するといい。窓口でその旨お願いすれば作ってくれる。
こども用Welcome Suicaの特徴は、改札を通る時にこども運賃を差し引くように設定されていることだ。カード自体は大人用と何ら変わらない。

「こども」の定義はJRの前身である国鉄時代と同様、小学生のことである。
厳密にいうとこうなる。6歳~12歳未満、ただし12歳の誕生日を迎えていたとしても最初の3月31日までは「こども」でOK。また6歳になっていたとしても小学校入学前ならば「幼児」となる。
なお、こども用Welcome Suicaを購入する場合は使用者の誕生日を証明する公的書類の提示を求められる場合がある。おそらく来日外国人を想定したWelcom Suicaである以上、「大人にしか見えないこども」がめずらしくないからだろう。

区域外に注意し使用後は記念品に

Welcome Suicaに限らず一般的なSuicaでも同じだが、Suicaをタッチして列車に乗り、Suicaに対応していない駅で降りてしまうとけっこう困ったことになる。そんな場合はあらかじめ出発時に通常のきっぷ(紙のきっぷ)を買っておこう。

Suicaトラブルで有名な?場所のひとつにJR御殿場線の下蘇我(しもそが)駅がある。この駅は、戦国時代をその端緒とし富士山と重ねた写真も撮影できる「曽我梅林」の最寄り駅で、時期になるとイベントも行われたりして賑わう。そして東京方面からもやたらと観光客がやってくる...Suicaで入場して。
下曽我駅はもはやJR東日本のエリアではない。JR東海(とJR貨物)の駅なのだ。当然、下曽我駅では簡単に外に出られない。全員が精算手続きである。その行列が何重にも折り返しになる。わかっている人は紙のきっぷでスイスイと駅を出ていく。それが小さな下曽我駅の早春の風景だったりする。

最後に、くどいようだがWelcome Suicaはカードそのものに有効期限が設けられている。したがって下手をするとチャージ残額がスッパリ消え去ってしまう。有効期限には十分注意しておこう。

なお、使い終わったWelcome Suicaは返却等の必要はなく、そのまま記念品として取っておくことが出来る。
有効期限さえ気を付けていれば、1,000~3,000円程度の金額をチャージしておいて、何らかの御礼やプレゼント用に活用するアイディアも思いつく。

【追記:2021年8月19日】
カード残額を残したまま有効期限が過ぎた場合、たとえばコンビニでWelcome Suicaをタッチしても、店員側の液晶モニターには「カード会社にお問い合わせください」と表示されて使用できない。
ただカード内の残高データは残っているため、カード読み取り機能があるスマホで確認すると残高は表示される。つまりサービス提供側(ネットワーク側)でサービスを停止していることになる。

参考リンク


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