花日和 Hana-biyori

ゼロからトースターを作ってみた結果

 トーマス トウェイツ 著/村井 理子 訳/新潮社

デザイン学校の大学院生が「原材料からのトースターづくり」にチャレンジ。
バカなことするなあ!と思っても、こういうのって応援したくなってしまうのは何故でしょう。この人が最初にメール相談した大学教授なんて、大歓迎で協力すると返信してて笑った。

フザけた内容かと思いきや、まず「ゼロから」という定義を考えること自体哲学的。いざ鉄をつくるとなれば鉱山まで行く大冒険。プラスチックは鉄や銅をつくるより難しいとか、有害物質が発生する現実とか、絶縁体ひとつ作るのだって一苦労(頓挫)する。初めて、500円程度のトースターが、実は高度な工業技術の結晶なんだってことに気付いて、価値観を覆す感じ。

最終的にはマジメな文明論まで展開する。地球を救うには、みんなトースターをつくろう!みたいな。(廃棄することの意味を考える上でね)。最後までアホな挑戦マジメにやってる男子学生というスタンスで、軽妙な語り口が親しみやすくて面白かった。
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