装丁がボロボロの壁だけど、今年5月に出た本で、恐らく図書館で借りたの私がお初だと思います。本はピカピカにきれいです。
一編目『よくある西部の物語』
南北戦争で親を亡くし、おば夫婦の元で暮らしていた15歳の少女・ラヴィーニアのもとに、兄のジャクソンが迎えに来た。ラヴィーニアは兄を覚えていなかったものの、夜になると自分の部屋にやってくるおば夫婦の息子(いとこ)に怯えていたため、兄について行くことを躊躇しなかった。ただ、彼女自身も確信していたように兄も善人というわけではなく、連れて行かれた先ではまた意外な、重い運命に飲み込まれていく。
* * *
タイトルがやたらかっこいいですが、眼を撃たれてたらあなたすでに死んでますけどどういう…?と謎でした。しかしこの一編目に意味がつながる場面があって、ラストでうわっと衝撃が走りました。うーん、だいぶネタばれか。
ラヴィーニアの視点で書かれる文章は乾いていて、常に怯えて諦めに満ちているのに妙な熱もこもっていて、抜き差しならないものを感じます。ストーリーは重く衝撃的ですが、それよりも凄まじい哀愁と不穏さに気圧されるような言葉の紡ぎ方が圧巻でした。
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