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花日和 Hana-biyori

渋滞で『野菊の墓』

写真は高速道路からみた富士山です。

***

29日の午後から母のところに行ってました。正月期間、老健施設にショートステイするので準備のため。今回は8泊9日なので、仕度も大変でした。

で、30日に兄が迎えに来て車で3人で移動しましたが。

準備段階から余計な電話かけまくり義務が生じるなど全然予定通りに行かず、さらに複数の事故渋滞にはまって施設についたのも予定よりおよそ4時間遅れの19時。のぼりはそんなに混まないと思っていたけど全然そんなことはなく…。

大掃除とか年賀状とかは今年はもう全く無視かもしれません。疲れた。

***

渋滞の車内で兄がオーディオブック的な朗読ものを大音量でかけてました。太宰治の『葉桜と魔笛』と佐藤左千夫の『野菊の墓』。

両方とも明治38年〜39年頃に書かれた小説で、なんちゅうかこう、当時の日本女性の抑圧されっぷりが物語の悲哀として活用されている感じがました。

『葉桜と魔笛』は死病の妹を気遣う姉の独白という体で、ちょっとどんでん返し的な展開が面白かったです。しかし、太宰治が女心を知ったような気で書いている気がするのがちょっと、気持ち悪いな…とか思いつつ。

姉は24歳で結婚し、ちょっと行き遅れみたいに恥じらっとりました。そういう時代。

『野菊の墓』はめちゃめちゃ眠くなって4割くらい寝てもうた。15歳男子(政夫)と17歳女子(民子)の初恋悲恋物語。

これまた女子が17〜18だと親の決めた相手と結婚するのが当然という時代。2歳年上の民子は好きな従兄弟と引き離されて財産持ち男に無理やり嫁がされ流産後に死んじゃうという話です。

無理やり引き離した政夫の母親が罪悪感に苦しむ言葉を吐いてましたが、民子が死ななかったら後悔しなかっただろうなと。そのくらい、若い女には人権がない家父長制の時代だったわけで。

まあ、私だってあの「民さんは野菊のよーな人だ。僕は野菊が大好きだ」というセリフの場面は初々しくていいね!とは思いましたよ。

4割寝落ちしてた人がエラソーに言えたもんじゃないですけど。

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