ハビちゃんは嘲笑っていた
前々回の読書会の課題本だった『ノー・カントリー・オールド・フォー・メン』が原作の映画、アマプラで100円でレンタルできたので5月に観てました。今ごろだけどちょっと書いときます。
公開は2007年、監督はコーエン兄弟。
荒野で狩りをしていたベトナム帰還兵のモス(ジョシュ・ブローリン)は、偶然ギャングたちが殺されている現場に遭遇する。そこで大金の入った鞄を見つけ持ち逃げするが、非情な殺人者アントン・シガー(ハビエル・バルデム)が彼を追う。初老の保安官ベル(トミー・リー・ジョーンズ)は事件の捜査にあたるが…。
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場面を盛り上げようとする音楽や効果音がほとんどないのが印象的でした。
小説の雰囲気そのままに淡々と物事が進むので、かえってリアルな緊迫感があります。
読書会では皆さん、殺人者シガーを映画のハビエル・バルデムでイメージしていたと仰ってたのですが、私は小説では金髪碧眼でターミネーターをちょっと小ぶりにしたような無表情な男を想像していました。プーチン大統領みたいな、冷徹な意志を感じさせる顔であくまで無表情という。
映画のハビちゃんは、小説のシガーとはまた違ってより不気味だったところがあります。
人を殺す直前にニヤぁっと笑う場面です。
なんでもないことのように楽しそうに笑う表情が邪悪で、うわぁっと引いてしまいました。(褒めてます)