花日和 Hana-biyori

漫勉~池上遼一

ちょっと前に、本屋で平積みの新作を見て「これだけ長く描いてて全然絵が劣化してない!ってか、むしろ上手くなってる!」と驚愕した池上遼一さん。Eテレの「漫勉」にご出演なさっていました。

御年72歳、キャリア55年の大ベテランです。(1944年福井県生まれ)
私は恥ずかしながらちゃんとまとまって読んだことはなく、父が買っていた雑誌でチラっと見るていどでした。その時から絵は上手かったけど、その時はあまり魅力がわからなかったですね。

池上氏いわく、

「リアルな絵で荒唐無稽なことをやりたい」

とのことで、こだわりは美男美女。「いい男が出てこないと面白くない」と言います。奥様には「異常者だ」とまで言われるそう。「神の創造物としての一番美しい姿を描こうとしている」そうです。それすごい分かります。そういう神がかり的な美しさとか色気がすごいですよ池上漫画は。

22歳のとき画力を認められ、水木しげるにスタッフとして誘われたところ、愛読していたつげ義春氏に出会い、狂喜したそうです。池上氏は、社会の矛盾を描くダークサイドな物語と、圧倒的な力・憧れの存在を描くエンターテインメントの2つが好きとのこと。この二人との出会いが大きな影響を与えたことは言うまでもありません。

「この世は矛盾をはらんだ世界。善とか正義とかに抵抗する存在にシンパシーを感じる」
と語り、偽善や欺瞞は嫌いだと、穏やかに言います。そこから生まれるダークヒーローは、もちろん常に美男美女。ブレない。ステキ。

特に面白かったのは、「絵に色気がなくなったら終わり」と話し、「男の肉体が好き」と対談で盛り上がり、それを体現する筋肉美の絵が横並びになる場面でした。
警察署に見学に行ったとき、若い警官たちが洗車しながら三角筋に汗が噴き出していてすごく色気を感じた、ということを喜々として語ってました。変態っぽくなくて、純粋に、「神が作りたもうた美しき筋肉大好き!」という感情がスパークしてました。

それを漫画にしたとき、肩の三角筋や腕が丸出しの鎧になったそうです。よく考えたら変だけどすごいからアリ!と思える圧倒的な画力でした。そうそう、やっぱりリアルな絵で荒唐無稽なありえない世界を描いてますね。ブレない。ステキです。
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