大学生の就職活動について余すところなく直視した本という印象を持ちました。
今回紹介する本は、「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」
(沢田健太著、2011)です。
著者は大学キャリアセンターの職員です。
大学キャリアセンター職員の立場から大学生の就職活動、大学生自身、大学生の周りの大人についてかなり赤裸々に記述しています。
基本的には「キャリアセンターは企業社会と大学教育との橋渡し役である。これからの厳しい社会を見据えて、そこで最低限必要な知力は大学の勉強を通して養えるんだよ、と学生に教える立場であるべきだ。」(本書47頁)という考え方で貫かれています。
これが本書の一番の特徴だと私は感じました。
以下、本書を読んで考えた私の考え、感想を述べます。
社会の一部論調では「大学教育は企業社会で役立たない」という考え方もあります。私はこういった論調に大学生自身が飲み込まれてしまうのはもったいないなと感じています。なぜなら、大学や大学教育は大きな就職活動にも使えるリソース(資源)となりうると考えているからです。
例えば、一番作成に苦労したレポートを自己PRとして提示する。これも、大学教育をリソースとして就職活動に活かしている例といえます。本書でも大学の授業で課される「小レポートやリアクションペーパーを意識的に利用すれば、日々の文章訓練になると思うのだ。」(同書156頁)とし、エントリーシートなどの提出書類の記入に活かせるのでは、としています。
せっかく大学に所属しているのだから、就職活動にも大学、大学教育で得た成果を活かしてほしいなと思っています。
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