すーさんノォト

日々思うこと。
五七五で言ってみる。

伯母

2019-07-26 22:03:18 | 日記




とんぼうに 好む窓辺の あるらしき






日々草 弱音を吐かぬ 伯母であり



伯母に、安否確認の電話をかける。
昼過ぎ、もう昼食を終えベッドに座り、窓辺から外を眺めていると言う。
「蜻蛉がね、一匹だけなんだけど、さっきから行ったり来たりずっと飛んでるのよ。それを眺めてるの。
面白いわ。こんな景色 蛎殻町に居たら、絶対に見られないわね。」
都心の一等地から、この郊外に引っ越して来て早や20数年。自然に囲まれたこの地を、伯母はとても気に入っているようである。
おん歳百二歳。健康である。ほんとはやっぱり歳相応にあちこち衰えてはいるはずだけど、弱音は一切
言わない。あそこが痛い、ここが辛いなど言わないのである。
同居の我が弟は、それが実は悩やましい。とてもやり辛い所という。
そうだろう。老人と住んだものでないとわからない日々の生活の中の様々。口では言えぬ苦労は沢山あるはず。その全てを任せてしまっている我々兄弟は、全くこの弟の努力と我慢強さには頭が下がるばかり。
感謝をしても仕切れない。
ただ、この安否確認電話の時だけは、私は安心する、心からほっこりするのである。
声も昔のまま。母(伯母の妹)の優しさとはまた違う穏やかさを持っている。
それはやはり身体が健康だから…だと思う。
三年前に亡くなった母と、ちょっとだけど、あっ似てる。なんて事を感じる日もたまにあってそんな時は余計に嬉しい。
伯母の窓辺は本日も晴れ。伯母は弟が帰宅するまで、無事に元気に過ごしたよう。天晴れである。