揺るる草の穂 精霊めきて 昼の月
三回目となる、夫たち兄弟の「土地名義変更及び、親の遺産相続等」の話し合いが、昨日の午後、行われた。
いつものように、お茶とお菓子を出し、私は席を外す。
二週間、訪問出来ずにいた姑さんの施設に行く。 この三兄弟の母親である。
認知症は又幾分か進み、この二、三日は胃の調子も悪いと知る。
土曜日はコスモスを、施設の皆で見に行くらしい。
良かったね、コスモス綺麗だろうね、お天気が良いと、いいけど。
などとお喋りして、又来るからと手を振り、帰路につく。
帰宅すると、すでに義弟たちの車は無く、私が
車庫入れすると、すぐに夫が、勝手口から出てきた。
表情でほぼ察しがついた。夫の思い通りにはならなかった、と。
けれど、夫が話す内容に、それ以上に
愕然となる。
100坪強の土地名義変更はともかく、
母親の名義口座の1千万円を、今、三等分してくれ、と。
兄貴は信用ならない、このお金は、自分たちも貰える権利がある。
これから母親が何年生存するかわからないが、兄貴はこのお金を自由に、勝手に使ってしまうだろう。母親が死んでからの残金はいくらになるのか保証がない。今なら一千万。
年金は施設代以上の金額のはず、兄貴だけいい思いをするのは不公平だ。
それでなくても、親と同居して随分金銭面で得をしただろう。
その一千万を、今三等分するなら、土地は好きなようにしたらいい。
なんたる身勝手な、言い分!なんたる勘違い!
20年前、この新居を立てる際の苦労、その後の
生活状況を知るよしもない義弟。
そして二千万も出資したという、もう認知が入り出したころの母親の、虚言。
実際は、ほとんどが夫のお金。
四千万のローンも全く手伝ってもらう事なく、
十数年間払い、第一次定年の時に残高を払い完済した。
20年間、姑たちは私たちに、一切生活費を入れていない。
盆正月の、義弟たち家族、一族郎党、20人超えを毎年欠かさず、もてなし食事、お酒を振る舞い、奉仕した私は…
憤懣やるかたない。だがそれ以上に怒り、落胆したのは、夫だった。
「兄貴は信用ならない。」この言葉。
妻より娘たちより、なにより最優先させて大切にもてなしてきた、弟たちから出た言葉が、これとは。
しかし、もうこの際、言う通りに事を進めると決意したらしい。
自分がもしも早く死んだり、認知症になったら後に残った私や娘たちが大変な思いをするという。
早く決着をつけた方が、後々面倒なことにならないと。
私は正直、違う考えだが…だからこそ昨夜から今まで、悶々とし鬱鬱とし頭痛薬を三包飲み、やっとこれを書き始めたのだが。
なんと狡猾な、なんと腹黒い義弟たち。
そんな、発言をし挑戦状を叩きつけ、それでも今まで通り、盆正月には平気な顔で、一族郎等
飲み食いにやってくるのだろうか?
平気な顔で、母親の葬式に列席するつもりなのだろうか。
そもそも、母親が死んだら。を連発するアンタたちの精神が信じられない。