母、『我慢の限界』を超える

ご近所付き合いは、とても大切だと思う。

特に昔から代々住んでるような田舎町では

注意を払うのは大切なことである。



『騒音おばさん』や『ゴミ屋敷』ほど酷くなくても

どこの町内にも迷惑な人っているものだ。

注意したい・・・でも聞く耳持たないし、もめたくない・・・

そんなこんなで我慢を重ねている人も多いことだろう。

私もそんな我慢を重ねてきた１人である。

もう何年我慢してきただろう・・・・



我が家の隣は神社である。

何年も前に、超ご近所の小さな店屋をしている家の奥さんが

その神社の参道でゴミを燃やし始めた。

店から出る不要物、生活ゴミに至るまで・・・

するとこれまたご近所の自転車屋さんが

いろんなゴミと一緒に古タイヤまで燃やし始めた。

風に乗ってそれは我が家を直撃する。



人の心理って浅ましい。

自分の土地じゃない。

人が燃やしてるから私だって。

少しくらい・・・

そうしていろんな人が燃やし始めた。



事態が一気に悪化したのは、

ゴミ袋の有料化が始まった頃だった。

毎日いつとも無く、ゴミが燻ぶっている。



爽やかな朝、窓を開けようとしてすぐ閉める日々。

風向きの良い時だけ開ける窓。

いつもそこに有る煙の匂いが、私のストレスになってきた。



消防や市から注意されたこともあるらしいが、

少ししたらまた燃やすので、止むことはなかった。



主人とも話し合った。

「○○さんに言ってもいい？」

「あの人だけじゃないしなぁ・・・」

そんなことが何年続いただろう。

私のストレスは『我慢の限界』を超えた。



秋祭りの少し前、神社の管理をしている方（ご町内の方）に、お願いに行った。

良く話を聞いてくださって、神社の役員で話し合ってくださると言ってくれた。

私はこの言葉だけで、どんなに嬉しかったことか！

他にも困っている人も居るらしかった。



秋祭りの準備の時、役員さんたちはゴミを燃やしている穴を埋め

後日注意書きの看板も立ててくださると言ってくれた。

そして「よく今まで、文句の1つも言わず我慢してくれましたね。」

と言ってくださった。

いや、言えなかったのだ・・・





今は起きて窓を開け放ち、深呼吸できる。

空気が美味しい。

あぁ、幸せだと、それだけでそう思える。

神社の役員さんに感謝している。