週刊金曜日な日々

「週刊金曜日」、一読者のB級時評
題名に「週刊金曜日」と使用する事は、編集部の許可を得ています。

ローマ人の物語(塩野七生著)

2006-09-10 15:05:01 | 言葉
ローマ人は、その中でもローマ人であることを強く意識するカエサルは、制約をことのほか重要視する。多神教のローマ人だから、紙との契約ではない。人間同志の誓約である。たとえ異人種でも対等の人間と認めるがゆえに、飼わされた誓いを信ずるのである。武士に2言はない、という言葉をもつ日本人のほうが、一神教的な契約に慣れた欧米人よりも、ローマ人が重要視した人間通しの誓約にこめられた心情をよりよく理解できるのではないかと思う。
戦いを起こすこと自体はカエサルにしてみれば罪ではなかった。しかし、いったん交わした誓約を破り攻めてきたことは、明らかに罪に値したのである。人間であることを放棄した者には、彼にしてみれば、奴隷がふさわしい運命だった。
(第4巻 「ユリウス・カエサル ルビコン以前」235P)
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人間誰でも金で帰るとは、自分自身も金で買われる可能性を無いほうする人のみが考えることである。非難とは非難される側よりも非難する側を映し出すことが多い。
(第4巻 「ユリウス・カエサル ルビコン以前」 431P)
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