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七点×答

未定

第11問 供託物払渡請求

2008-09-01 19:08:33 | Weblog
【問題】
第11問
 供託物払渡請求に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア 執行供託における供託金の払渡しは、裁判所の配当等の実施として支払委託に基づいてされ、供託物払渡請求書には、当該裁判所の交付に係る証明書を添付しなければならない。

イ 毎月継続的に家賃の弁済供託がされており、被供託者が数か月分の供託金について同時に還付請求をしようとする場合において、払渡請求事由が同一であるときは、被供託者は一括してその請求をすることができる。

ウ 弁済供託の供託通知書の送付を受けている被供託者が供託物の還付請求をするときは、供託物払渡請求書には、当該供託通知書を添付しなければならない。

エ 個人が供託物払渡請求をする場合には、本人確認情報として旅券を提示することにより、市区町村長が作成した印鑑証明書の添付に代えることができる。

オ 供託物が振替国債である場合における払渡請求にあっては、請求者は、供託物払渡請求書2通を提出しなければならない。

1 アイ  2 アオ  3 イウ  4 ウエ  5 エオ

【感想】
これを、間違えました。落とし穴は肢エです。

【考察】
肢アは、支払委託の手続きについて。支払委託によって、払渡を受けようとする者は、裁判所書記官から交付を受けた支払証明書を添付して、供託所に払渡請求をするので(供託規則30)、したがって、○。

肢イは、「払渡請求の『事由』」が同一の場合は、一括して払渡請求ができる(供託規則23)。したがって、○。

肢ウは、運転免許証とかで本人確認ができるので、請求者の負担軽減の観点から、払渡請求に当たって、供託書正本及び供託通知書の添付を求めないこととするとともに、これらの添付を前提とする催告払いの制度が廃止されたという、平成17年の供託規則改正からの論点。現在は、還付請求をするにあたって、供託通知書の添付は不要です。したがって、×。

肢エが鬼門。本人であることを確認できる書面を添付すれば、印鑑証明書の添付を要しない(規則26Ⅲ②)、という書面には、運転免許証、住民基本台帳カード、外国人登録証明書、その他とありますが、このなかに、パスポートは入っていないそうです。不動産登記法での司法書士による本人確認のときにパスポートはOKです。身分証明としてはパスポートはかなり強力なんじゃないかと思いますが、供託ではダメなんだそうです。理由は、「住所を書かなくていいから」みたいです。不動産登記での知識から、ここは○にしてしまうのも、人情じゃないでしょうか(泣)。正解は×です。

肢オは、供託物の還付or取戻を請求しようとする者は、払渡請求書を提出しなければならず、供託物が「有価証券」or「振替国債」の場合には、払渡請求書は2通要するという、供託規則22条1項の規定から。したがって、○。

正解は、4です。

【条文】

(配当等の場合の特則)
第三十条  配当その他官庁又は公署の決定によつて供託物の払渡しをすべき場合には、当該官庁又は公署は、供託物の種類に従い、供託所に第二十七号から第二十八号の二までの書式の支払委託書を送付し、払渡しを受けるべき者に第二十九号書式の証明書を交付しなければならない。
2  前項に規定する場合において、供託物の払渡しを受けるべき者は、供託物払渡請求書に同項の証明書を添付しなければならない。

(供託物払渡しの一括請求)
第二十三条  同一人が数個の供託について同時に供託物の還付を受け、又は取戻しをしようとする場合において、払渡請求の事由が同一であるときは、一括してその請求をすることができる。

(還付請求の添付書類)
第二十四条  供託物の還付を受けようとする者は、供託物払渡請求書に次の各号に掲げる書類を添付しなければならない。
一  還付を受ける権利を有することを証する書面。ただし、副本ファイルの記録により、還付を受ける権利を有することが明らかである場合を除く。
二  反対給付をしなければならないときは、供託法第十条 の規定による証明書類
2  前項の規定により供託物払渡請求書に利害関係人の承諾書を添付する場合には、同項に規定する者は、当該承諾書の作成前三月以内又はその作成後に作成された次に掲げる書面を併せて添付しなければならない。
一  当該承諾書に押された印鑑につき市区町村長又は登記所の作成した証明書
二  法人が利害関係人となるときは、代表者の資格を証する書面
三  法人でない社団又は財団であつて代表者又は管理人の定めのあるものが利害関係人となるときは、代表者又は管理人の資格を証する書面

(印鑑証明書の添付)
第二十六条  供託物の払渡しを請求する者は、供託物払渡請求書又は委任による代理人の権限を証する書面に押された印鑑につき市区町村長又は登記所の作成した証明書を供託物払渡請求書に添付しなければならない。ただし、供託所と証明をすべき登記所が同一の法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所(法務大臣が指定したものを除く。)である場合において、その印鑑につき登記官の確認があるときは、この限りでない。
2  法定代理人、支配人その他登記のある代理人、法人若しくは法人でない社団若しくは財団の代表者若しくは管理人又は民事再生法 (平成十一年法律第二百二十五号)、会社更生法 (平成十四年法律第百五十四号)若しくは金融機関等の更生手続の特例等に関する法律 (平成八年法律第九十五号)による管財人若しくは保全管理人若しくは外国倒産処理手続の承認援助に関する法律 (平成十二年法律第百二十九号)による承認管財人若しくは保全管理人が、本人、法人、法人でない社団若しくは財団又は再生債務者、株式会社、金融機関等の更生手続の特例等に関する法律第二条第二項 に規定する協同組織金融機関、相互会社若しくは債務者のために供託物の払渡しを請求する場合には、前項の規定は、その法定代理人、支配人その他登記のある代理人、代表者若しくは管理人又は管財人、承認管財人若しくは保全管理人について適用する。
3  前二項の規定は、次の場合には適用しない。
一  払渡しを請求する者が官庁又は公署であるとき。
二  払渡しを請求する者が個人である場合において、その者が提示した運転免許証(道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項 に規定する運転免許証をいう。)、住民基本台帳カード(住民基本台帳法 (昭和四十二年法律第八十一号)第三十条の四十四第一項 に規定する住民基本台帳カードで住民基本台帳法施行規則 (平成十一年自治省令第三十五号)別記様式第二に限る。)、外国人登録証明書(外国人登録法 (昭和二十七年法律第百二十五号)第五条 に規定する外国人登録証明書をいう。)その他の官庁又は公署から交付を受けた書類その他これに類するもの(氏名、住所及び生年月日の記載があり、本人の写真が貼付されたものに限る。)により、その者が本人であることを確認することができるとき。
三  供託物の取戻しを請求する場合において、第十四条第四項前段の規定により供託官に提示した委任による代理人の権限を証する書面で請求者又は前項に掲げる者が供託物払渡請求書又は委任による代理人の権限を証する書面に押した印鑑と同一の印鑑を押したものを供託物払渡請求書に添付したとき。
四  法令の規定に基づき印鑑を登記所に提出することができる者以外の者が供託物の取戻しを請求する場合において、官庁又は公署から交付を受けた供託の原因が消滅したことを証する書面を供託物払渡請求書に添付したとき。
五  前号に規定する者が供託金の払渡しを請求する場合(その額が十万円未満である場合に限る。)において、第三十条第一項に規定する証明書を供託物払渡請求書に添付したとき。

(供託物払渡請求書)
第二十二条  供託物の還付を受けようとする者又は供託物の取戻しをしようとする者は、供託物の種類に従い、第二十五号から第二十六号の二までの書式による供託物払渡請求書(供託物が有価証券又は振替国債であるときは請求書二通)を提出しなければならない。
2  前項の請求書には次の事項を記載し、請求者又はその代表者若しくは管理人若しくは代理人が記名押印しなければならない。
一  供託番号
二  払渡しを請求する供託金の額、供託有価証券の名称、総額面、券面額(券面額のない有価証券についてはその旨)、回記号、番号及び枚数又は供託振替国債の銘柄及び金額(国債の発行等に関する省令 (昭和五十七年大蔵省令第三十号)第三条第二項 に規定する最低額面金額の整数倍の金額に限る。)
三  払渡請求の事由
四  還付又は取戻しの別
五  隔地払の方法(供託所の保管金取扱店である日本銀行所在地外の日本銀行その他供託官の定める銀行において供託金の払渡しをする方法をいう。)又は預貯金振込みの方法(日本銀行が指定した銀行その他の金融機関の当該請求者の預金又は貯金に振り込む方法をいう。第四十三条第一項において同じ。)により供託金の払渡しを受けようとするときは、その旨
六  国庫金振替の方法により供託金の払渡しを受けようとするときは、その旨
七  供託振替国債の払渡しを請求するときは、請求者の口座
八  請求者の氏名及び住所、請求者が法人であるとき又は法人でない社団若しくは財団であつて、代表者若しくは管理人の定めのあるものであるときは、その名称、主たる事務所及び代表者又は管理人の氏名
九  請求者が供託者又は被供託者の権利の承継人であるときは、その旨
十  代理人により請求する場合には、代理人の氏名及び住所、ただし、公務員がその職務上するときは、その官公職、氏名及び所属官公署の名称
十一  供託所の表示
十二  払渡請求の年月日