
名古屋のミニ・シアター名古屋シネマ・テーク(ひさしぶり~変わってないね~っ)にて、映画、青春・金属バット
を観賞。
星5つ中2つ半

・・という採点に落ち着きました。この作品のキーワードは「鬱積(うっせき)からの開放」・・かな。

入り口の看板。ビルの中の一角にあるこの劇場は初めての人は何となく・・入りずらい雰囲気です。
ストーリー
高校時代に野球部で「バナンバ」と呼ばれていた難馬は、バイト先のコンビニと古びたアパートの往復以外は、バッティングセンターに行くだけの日々を送っている。27歳の今も所沢に暮らし、やりたい仕事があるわけでもなく、語り合う友達がいるわけでもないが、ただひとつ目標があった。それは“究極のスイング”を体得すること。そのために10年前から毎日バットを振ってきたのだ。そんな彼の人生に巨乳自慢の女エイコが飛び込んでくる。ほぼいつも酒瓶を手に酔っぱらっているエイコの傍若無人ぶりに振り回されつつも、彼女の言いなりになる難馬。そうこうするうち「バット強盗」の2人組として警察に追われる身になる。そんな彼らを見つけるのが、やる気のまったくない不良警官の石岡だ。実は石岡と難馬は、かつて一緒に野球に打ち込んだ仲だった……。

熊切監督作品は空の穴しか観ていないのですが、今作はタイトルや予告編のイメージよりは非常に「スロー」な作品です。(「かもめ食堂」などの作品に対して負の「スロー」作品・・というべきか。)
もっと暴力的な映画を期待している人には肩スカしをくらいます。
(ただ・・北野武作品の影響を強く感じますのでキタニスト・ファンとの波長は合いそうです。)

名古屋シネマ・テークというミニ・シアターでの映画館での上映でありメジャー系の作品とは一線を画す映画でしたね。
(平日の最終上映ながら観客はぐりりん含めて4人・・
です。)

役者、寺島進を続けて起用するこの監督。寺島といえば北野作品の常連であり同じく安藤政信も共演となれば当然「キッズ・リターン」つながり・・となります。
監督自身「キッズ~」での安藤演じる「シンジ」から今作の役をオファーしたといい安藤政信はこのデビュー作や他の作品でも内に秘めた「うっせき」感を持った役が上手です。

ただ今回は非常に不良な役処となり例の初の濡れ場などは彼の役者のイメージを大きく払拭させる・・そういう意味では巾が広がった役となりました。
(女性ファンにはどう映ったカナ・・彼の濡れ場での感想はユニーク・・でしたね。)

(
巨乳の酒乱女、エイコを演じる坂井真紀。彼女の巨乳の正体は・・コチラでお確かめください。)

「金属バット」という物は、たとえばアニメ、「妄想代理人」のように怪しい「凶器」に使われるイメージが強いです。過去の「金属バット殺人事件」がまさに「うっせき」感の爆発による凶行であるからか、又は「凶器」としては非効率的であるから故に、余計に不気味なのでしょうか・・。
難馬も石岡もそして、おそらくは・・栄子も、それぞれの「時間」を過去に置き去りにして現在を流されるように生きています。
難馬にいたっては「究極のスウィング」を会得することだけが時計の針を再び進める術であるかのように・・すべての「うっせき」感をスウィングに託しての毎日の素振りの日々です。
そんな彼が傍若無人に振るまう栄子に愛想を尽かされないように「スウィング」を強盗の手段として使うわけです。

他の登場人物達も同じように「うっせき」感を持ち、爆発させ暴走していきます。互いに「うっせき」感を持った強者、弱者の関係が逆転したりもします。
そして・・ラストの「3球勝負」
「海」への逃亡(?)で3人の「うっせき」感は一応の「昇華」を得るわけです。
ただこの爆発までの過程が「スロー」すぎて例えるならば、同じく「うっせき」感が暴走する(安藤政信主演の)「アドレナリン・ドライブ」のようなスピード感とは対称的な作品となってしまいました。

また「昇華」のクライマックスとしての「3球勝負」もいまいちハジケきれていない気がします。焦らすだけ焦らしてこの程度の達成感かよ・・という感じで・・全体的に暗い印象だけが残ってしまいました。残念です。

根っこの部分でみれば現代社会が抱える今の若者の「閉塞感」があり、もうひとつの「キッズ・リターン」(的作品)と言えなくも・・ありません。
タイトルに「青春」と付きながら実は世間一般の青春のイメージから、かけ離れた若者達の映画・・でした。

ところで・・ベイブ・ルースの息子(自称)の若松孝二(監督)ってホントただの酒飲みのオヤジみたいで・・今どき一升瓶持ったあんなオヤジが近所ウロウロしてたら、それこそ警官に職務質問されると思うけど・・不良警官が野放しのような管轄内だからこそ・・許されるのかな・・
10年間も・・。

製作年度 2006年
上映時間 96分
監督 熊切和嘉
出演 竹原ピストル 、安藤政信 、坂井真紀 、上地雄輔 、佐藤めぐみ 、江口のりこ
を観賞。








高校時代に野球部で「バナンバ」と呼ばれていた難馬は、バイト先のコンビニと古びたアパートの往復以外は、バッティングセンターに行くだけの日々を送っている。27歳の今も所沢に暮らし、やりたい仕事があるわけでもなく、語り合う友達がいるわけでもないが、ただひとつ目標があった。それは“究極のスイング”を体得すること。そのために10年前から毎日バットを振ってきたのだ。そんな彼の人生に巨乳自慢の女エイコが飛び込んでくる。ほぼいつも酒瓶を手に酔っぱらっているエイコの傍若無人ぶりに振り回されつつも、彼女の言いなりになる難馬。そうこうするうち「バット強盗」の2人組として警察に追われる身になる。そんな彼らを見つけるのが、やる気のまったくない不良警官の石岡だ。実は石岡と難馬は、かつて一緒に野球に打ち込んだ仲だった……。

熊切監督作品は空の穴しか観ていないのですが、今作はタイトルや予告編のイメージよりは非常に「スロー」な作品です。(「かもめ食堂」などの作品に対して負の「スロー」作品・・というべきか。)
もっと暴力的な映画を期待している人には肩スカしをくらいます。
(ただ・・北野武作品の影響を強く感じますのでキタニスト・ファンとの波長は合いそうです。)

名古屋シネマ・テークというミニ・シアターでの映画館での上映でありメジャー系の作品とは一線を画す映画でしたね。
(平日の最終上映ながら観客はぐりりん含めて4人・・


役者、寺島進を続けて起用するこの監督。寺島といえば北野作品の常連であり同じく安藤政信も共演となれば当然「キッズ・リターン」つながり・・となります。
監督自身「キッズ~」での安藤演じる「シンジ」から今作の役をオファーしたといい安藤政信はこのデビュー作や他の作品でも内に秘めた「うっせき」感を持った役が上手です。

ただ今回は非常に不良な役処となり例の初の濡れ場などは彼の役者のイメージを大きく払拭させる・・そういう意味では巾が広がった役となりました。
(女性ファンにはどう映ったカナ・・彼の濡れ場での感想はユニーク・・でしたね。)

(


「金属バット」という物は、たとえばアニメ、「妄想代理人」のように怪しい「凶器」に使われるイメージが強いです。過去の「金属バット殺人事件」がまさに「うっせき」感の爆発による凶行であるからか、又は「凶器」としては非効率的であるから故に、余計に不気味なのでしょうか・・。
難馬も石岡もそして、おそらくは・・栄子も、それぞれの「時間」を過去に置き去りにして現在を流されるように生きています。
難馬にいたっては「究極のスウィング」を会得することだけが時計の針を再び進める術であるかのように・・すべての「うっせき」感をスウィングに託しての毎日の素振りの日々です。
そんな彼が傍若無人に振るまう栄子に愛想を尽かされないように「スウィング」を強盗の手段として使うわけです。

他の登場人物達も同じように「うっせき」感を持ち、爆発させ暴走していきます。互いに「うっせき」感を持った強者、弱者の関係が逆転したりもします。
そして・・ラストの「3球勝負」

ただこの爆発までの過程が「スロー」すぎて例えるならば、同じく「うっせき」感が暴走する(安藤政信主演の)「アドレナリン・ドライブ」のようなスピード感とは対称的な作品となってしまいました。

また「昇華」のクライマックスとしての「3球勝負」もいまいちハジケきれていない気がします。焦らすだけ焦らしてこの程度の達成感かよ・・という感じで・・全体的に暗い印象だけが残ってしまいました。残念です。

根っこの部分でみれば現代社会が抱える今の若者の「閉塞感」があり、もうひとつの「キッズ・リターン」(的作品)と言えなくも・・ありません。
タイトルに「青春」と付きながら実は世間一般の青春のイメージから、かけ離れた若者達の映画・・でした。

ところで・・ベイブ・ルースの息子(自称)の若松孝二(監督)ってホントただの酒飲みのオヤジみたいで・・今どき一升瓶持ったあんなオヤジが近所ウロウロしてたら、それこそ警官に職務質問されると思うけど・・不良警官が野放しのような管轄内だからこそ・・許されるのかな・・


製作年度 2006年
上映時間 96分
監督 熊切和嘉
出演 竹原ピストル 、安藤政信 、坂井真紀 、上地雄輔 、佐藤めぐみ 、江口のりこ
多くの人が何かモヤッとしたものを心に残したまま年をくってしまったと感じているなら、共感するところもあるのかな・・。私はその何かを感じてスッとしました。
確かに人は入らなそうな映画ですが。
でも私は最近メジャーとマイナーの間くらいの邦画が好きで、ちらほら観てます。
では。
ぐりりんは安藤君目当てで観にいきました。
>私はその何かを感じてスッとしました。
そうなんですよね・・ぐりりんもこんなフウに暴れてみたい・・とかそんな願望・・とかを詰め込んだ映画でした。
ぐりりん自身も自分の波長が合う映画ならメジャーとかマイナーとかいう尺度自体あいまいなコトバだと・・思います。
これからもお互いすばらしい映画を観ていきましょうね。