改めて基本が大事だと思ったエンジン不調の診断があった。
エンジン不調というと圧倒的に点火系が原因である事が多い。そのため点火系以外の不具合の場合の診断がスムーズに出来ない事がある。
エンジン不調の診断の基本は燃料系、空燃比を観察する事で原因が見えてくる。
走行距離20万キロ超えのサンバーがエンジン不調との事。
冷間時アクセルを抜くとそのままエンストする。暖機後はエンストしない。
最初は単純にISC関係だろうと思っていたがどうやら原因は違うところにあるらしい。点火系でもなさそうだ。
診断機を繋いで異常コードは無し。
暖機時のデータモニターを観察するとエンジン回転は規定回転数辺だが安定していない、点火時期も安定しない。
おまけに燃料噴射時間が伸びている。3.5msくらいだった。以上が異常だと感じた。
排気ガスを測定するとHCが400ppm、明らかに異常な数値。
もう一度データモニターでO2センサーの動きを見るとリッチリーンを繰り返していた👀O2センサーは正常と判断した。
HC400でO2センサーがリッチリーンを出力でおかしいと感じた。
O2センサーは酸素に反応する、点火ミスでもエア吸いでもないとすると、、、。
以前知り合いの整備士が言っていた故障事例を思い出した。バルブクリアランスの狂いで排気ガス異常。今回もその可能性が高いと思い点検する事にした。


吸気側のバルブクリアランスは規定値
排気側のバルブクリアランスが0!
バルブの閉じ不良で圧縮抜けの排気ガスの再吸い込みで排気ガスの数値が上がっていた。内部EGRというらしい。
これで燃料噴射時間が伸びていたのも、O2センサーの反応も納得できる。


これは修理後の数値。
噴射時間もガスも見事に下がって、エンストもしなくなった。
比較的簡単にタペット調整できるのでたまに点検してやると良いと思う。