会長の映画のお部屋

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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年 カナダ、ギリシャ 108分) No.687

2024年03月01日 | Weblog
近未来、人類は地球環境に適応するよう進化を続け、ついには、1.痛覚を失い、2.感染症にかからない身体になり、3.プラスチックを食べて栄養に出来る代謝系を獲得しつつある、との設定。2と3は「進化」としてうなずけますが、1についてはちょっと謎の設定ですね。

未来世界では、公開で人体を切り刻む「手術」が大人気のショーになっており、主人公のおじさんは、自分の身体に腫瘍のように出来てくる「新たな臓器」(※何の働きをするのかもわからない..)を手術で摘出するパフォーマンスで人気の“アーティスト”。
かなりグロテスクなショーですが、手術室でもない不衛生な盛り場で、全身麻酔もかけずに、身体を切り刻む様子を見せ物にする訳ですから、前述した1,2の設定が必要になったのでしょうかね?(...と、いま作文しながら気づいた!)。

このショーを見たある若い女性のセリフ。上気した表情で「これは、新しいセックスね?」。パフォーマンスを見に来たお客さんの一部、もしかしたらその多くは、ショーに性的興奮を覚えている模様。
いやはや、本作の原作者?脚本家?はどんだけ変態なんだ?と驚きますが(笑)、考えてみますと現代社会でも、人を切り刻むことに性的興奮を覚える人は珍しくなくって、猟奇的殺人を犯すのはもっぱらそういった人たち。最近見た映画ですと「死刑にいたる病(No.676)」の榛村(阿部サダヲ)とか「脳男(No.533)」の志村(染谷将太)なんかがそうですね。今も昔も、そして未来も、アブノーマルな性癖を持つやからは常に一定数湧いてくる...と言うことで。

さて、3番目の進化「プラスチックを食べて栄養に出来る代謝系を獲得しつつある」ですが、これは誰しもがうなずける(!?)進化ですね。
「海洋プラスチック問題」が話題となり数年経ちますが、WWFジャパンによりますと、世界の海に存在しているプラスチックごみは推定1億5,000万トン。そこに少なくとも年間800万トン(重さにして、ジェット機5万機相当)が、新たに流入していると推定されるとのこと。また一説によると2050年には、海洋プラスチックごみの量が海にいる魚の重さを上回るのだとか(驚)。ヒトがプラスチックをパクパク食べられるようになったら、地球も多少はきれいになるのかも知れません。あとは、ヒトが植物のように二酸化炭素を資化(すなわち光合成の様なもの)できるように進化すれば、地球温暖化も解決ですね(爆)

本作は、地球を汚しまくってきたヒトへの強烈な皮肉。
プラスチックごみを散々垂れ流してきたんだから、責任のもって自分の腹に納めろや!ってこと 65点


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