灰色の賢者の部屋

RPG一般(特にD&D3.5e)がらみの考察

D&D3.5版のハーフエルフについて

2007-11-19 09:04:30 | Weblog

ハーフエルフはエルフと人間のハーフである。

J.R.R.トールキンの作品に登場する半エルフは人間として生きる運命かエルフとして生きる運命かを選び、人間として生きる事を選択したものは並の人間よりは長生きだけど、常命(mortal)になり、エルフとして生きる事を選んだものは不死(undeadではなく、immortal)になる。「ホビットの冒険」や「指輪物語」に登場したエルロンドは半エルフだ。

PHBによれば、時としてエルフと人間が結婚することがある。エルフは人間の生命力に、人間はエルフの優雅さに心惹かれるのだ。こうした婚姻関係は人の命の儚さ故に、エルフの感覚からすればものの数年で終わってしまう。しかし、二人は末永く残る遺産 ハーフエルフ(半エルフ)を遺していく。
ハーフエルフの人生は楽ではない。エルフに育てられたなら、ハーフエルフは驚くほどの早さで成長し、20年もしないうちに大人になってしまう。ハーフエルフはエルフの芸術や文化、時にはエルフ語の文法さえ学びきれないうちに成人することになる。 中略 一方人間に育てられた場合、ハーフエルフは同年代の子供達と「違う」ことに気が付く。彼らは人間より超然としていて、より感受性が強く、覇気に乏しく、成長が遅い。

ハーフエルフは人間でもエルフでもない「種族」である。なぜなら、ハーフエルフ同士からハーフエルフが生まれると、PHB P.18やD&D3.5版のサプリメント「自然の種族」のP.39に書かれている。
 もし、仮に人間遺伝子Hとエルフ遺伝子Eがあったとして、その混血であるハーフエルフには双方の遺伝子EHを持っている。ハーフエルフ同士の結婚により、子ができた場合、遺伝的に見れば、EE,HE,EH,HHと四通りになり、半分はハーフエルフであるが1/4で人間かエルフが生まれるはずだ。しかし、ハーフエルフしか生まれないとすれば、ハーフエルフという種ができ、それが人間やエルフ遺伝子に優性であるといえる。ソードワールドの世界などでは、稀な例として、取り替えっ子として、人間の両親からハーフエルフやエルフが生まれることがある。しかし、D&D3.5版世界では、そのようなことはないようだ。
 ハーフエルフの遺伝が優性であれば、ハーフエルフと人間の子や、エルフとハーフエルフの子ハーフエルフとなるだろう。

参考としてD&D FAQには
Q:ハーフエルフが人間と子を成したとします。子供はいかなる種族となるのでしょうか? 他の人型混血種族についてはどうでしょうか?
A:『プレイヤーズ・ハンドブック』にて言及されている、最も一般的なハーフエルフの生まれ方は、人間とエルフの間の子としてだが、同書では、「第二世代」ハーフエルフも生まれうる、とも言及されている――
「人間とエルフの血をひく者同士の結婚で生まれた子供もいる」(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.18) セージとしては、親としてのハーフエルフは、人間(もしくは、この場合においては、エルフ)と子を成した際にハーフエルフの親となる可能性があると結論付けるのが妥当であると考える。
 ハーフオークの解説には同様の記述が認められないが、ハーフオークや他の同様の種族についても同じ事が成り立つと推定するのが妥当であると思われる。2人のハーフオークはハーフオークの子を成すであろうし、人間やオークのいずれかと子を成したハーフオークもまたおそらくハーフオークの子供を産むであろう。
 もちろん、時としてどちらか一方の純血種が産まれるとDMが裁定することは自由である――例を挙げると、2人のハーフエルフはエルフの子供や人間の子供を産むかもしれない。

とあり、少なくともクォータエルフなどは、存在しないようだ。


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2 コメント

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ハーフ○○○についての私見 (Ryofu)
2007-11-20 23:53:39
 こんばんは。貴意見を受けて、ハーフエルフ等について私見を申し上げます。

 貴意見では、ハーフエルフは人間の遺伝子とエルフの遺伝子を2分の1ずつ持ったものだが、その時点で新しい種となり、新しい種ハーフエルフが優勢のため、ハーフエルフの子は人間やエルフと子をなしても、その子はハーフエルフになるとおっしゃられていますが、私は遺伝子ではなく血統の問題ではないかと考えます。

 つまり、純血性を貴ばれるもの、たとえば犬、猫、馬など(過去においては人間も!)は、他の種類のものと交雑すると、その時点で雑種となり、以後2度と純血種にはなりません。(血統書は出ません)
 ハーフエルフ(ハーフオーク)の場合もこれに当たるのではないでしょうか。

 馬を例に取ると、サラブレッドは、その血統を3大始祖と呼ばれる3頭の馬のいずれかに遡れないと、サラブレッドとは認められず、値段は無きに等しいものとなり、また雄馬の場合、どんなに競争で優秀な成績を残しても、交配の依頼はありません。

 また、チェンジリング(取り替えっ子)が忌み嫌われる理由も、この血統の問題にあると考えられ、人間同士の両親にハーフエルフの子供が生まれた場合、両親のどちらか、もしくは両方の血筋にエルフが混じっていることになります。

 これは、国際結婚がある程度、社会的に認められている現代の日本では問題にならないかもしれませんが、民族の血筋を重んじていた中世を背景とした、ファンタジー社会では、絶対に許されぬことでしょう。

 ただし、D&DをはじめとするRPGでは、世界観はマスターの裁量によりますので、血量何パーセント以下は純血種とみなすとマスターが決めた場合、それがルールに違反しない限り優先されることは、当然のことです。

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なぜ新しい種か (gray_sage)
2007-11-21 12:55:31
貴重な意見ありがとうございます。

しかし、なぜ「新しい種」かと言ったかをお話します。

たとえば、異種混血である、雄ロバと雌馬をかけ合せて、子供を産ませるとラバになります。ラバは、両親の良いところを受け継ぎます。
ところが、異種混血のラバには、生殖能力がありません。自然に増えることはないのです。このように子孫を残せない混血は生物学では「種」とみなされないそうです。

馬の場合は、サラブレッドと他の馬は同種混血なので子孫の点では問題ないのですが、エルフと人間は、あきらかに別の種です。

そのため、「子が原則ハーフエルフとなる」という記述から、「新しい種」と断定したのです。

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