陽占における胸の星は相性占技の上で大事な要素です。
基本的には相生の関係にある星と相性が良いパターンが多いのですが、星の性質によって相克の関係でも相性がいいパターンもあったりします。
また、胸の星によって相性が良い相手が多い星もあれば、相性が良い相手が大分限られている星もあります。
今回は車騎星と牽牛星、そして玉堂星についてです。
車騎星、そして牽牛星を胸にお持ちの方は良く感じることがあると思うのですが、実は金星と相性が良い星は少ないです。
理由は偉そぶることが多いからだと思っています。自分でも思いますが、文句が多いのです。
調舒星の批判性は完全主義からくる不満であり"自分の想い"という性質が強いですが、金星の人の文句は
「常識的に考えたらあり得ない」
「店員の礼儀がなっていない」
「こんな当たり前のことができないなんて馬鹿か」
など本人のプライドの高さから、
自らの扱われ方や相手の非常識などに対して出やすいです。
文面だけを見ても攻撃的だなと感じますよね。(でもこれが世の中を良くしていくときには必要な考え方だったりもするのです)
車騎星、牽牛星の人はプライドも高く、怒ると怒鳴ったり暴力的になりがちであったりします。
石門星は内弁慶で家では自分中心なためモラハラの星と言われることがありますが、実は車騎星と牽牛星はDVになりやすい星だったりします。
(本来牽牛星は品行方正な星、車騎星は正義感の強い星なので星をしっかり陽転させている方はDVになることはありません。
星図において配偶者や子どもとぶつかる星図の方、特に水剋火、火剋金の流れをお持ちの方や胸の星同士が相性が悪いとDVになるリスクが高目です。)
そんな金星と上手くやっていける星は少ないのですが、その中で特段相性が良いのは玉堂星だけだったりします。
玉堂星と車騎星、牽牛星はとても相性が良く、夫婦仲抜群と言われているのですが、
何故この組み合わせが相性が良いのか?
今回胸の星が玉堂星の親友と久しぶりに会って気づきを得ましたので書きたいと思います。
わたしの幼馴染で親友の彼女は親や先生など目上の人の前ではとても礼儀正しい子でした。
東の星は司禄星でしたので、友達同士で遊ぶときは庶民的な子でしたが、
旅行に行くと「人の布団を踏むなんて失礼!」と怒ったり、「"あんた"って呼ばれるのは嫌いだから絶対しないで」というように、小学生の頃から礼儀を重んじる子だったのを覚えています。
そんな彼女がそばに居たからこそ、わたしは友達の家でどう振る舞うのが礼儀正しいのかを学べましたし、彼女に対しての態度も気をつけようと心がけることができていました。
金性とは権威を表し、人に認められたい星です。
人に認められるようになるにはどうしたら良いかと言えば、玉堂星の彼女のような理屈や理論にかなった筋のある行動をすること、そして目上の人や他人に礼儀を払うことが必要です。
今回彼女に久々に会ったことで、言葉や態度でお手本を示してくれる玉堂星の彼女がわたしの車騎星を伸ばしていたのだと気づきました。
ちなみに彼女は2年前に結婚しましたが、今回旦那さんの命式を見てみたところ、旦那さんの胸の星は牽牛星でした。
金性の星はプライドが高く、自分に礼儀を払ってほしい、正当な扱いを受けたいと望む星でもあります。
玉堂星の人の態度というのはまさに金性の人が望む礼儀の払われた態度なのでしょうね。
「胸の星が車騎星の人は適切な師匠を得ることで自らを正しい道に導くことができる」と言う教えが算命学にはあります。
師から学ぶというのはまさに水性を現します。金属を研磨し刃物や鋳物として活用できるようにするためには水が必要だということです。
(今の時代、師とは本やYoutubeなどの情報源を指しても良いと思います)
元来鍛えられ研ぎ澄まされていない金性というのは、ざっくばらんな態度で言葉遣いが荒いです。
牽牛星の人は常識的行動や社会性を表面的に身につけるのが得意ですが、車騎星の人は特に人前でも雑であることが多く見受けられます。(牽牛星の場合は親しい人や自分より下に見ている人間に対しては車騎星のような態度をとります)
これは星が陰転しているのではなく、金属が研がれていない状態ではないかと思うのです。
金性の星がある方はぜひ自分を高める学びをされること、学びに繋がる方と交流することをお薦めします。
金星は人を傷つけるためにあるのではありません。
正しい方向に活かしてこその金星です。