赴任先の私と、自宅で留守を守る妻との間の通信手段は、主にメールでした。まだ、3G通信の時代で、ガラケーでメールを送ったり、受けたりしていました。
子どもが小さかったので、子の学校でのできごと、様子などを、妻は毎日、事細かに報告してくれていました。
そのガラケーで送受信したメール文データは、赤外通信を使い、PCに取り込むことができました。ですから、定期的にPCに取り込み、デジタルデータとして保存していました。
単身赴任は、通算10年を超えたので、妻との間でやり取りしたメール文は、大量のものになりました。そこで、一つ一つバラバラだったメール文を、一つのファイルに取りまとめることにしました。単身赴任先での日曜日の時間を利用し、寂しさを紛らすために作業したのを覚えています。
大量のファイルを一つずつ開いて、内容をコピーしてWordファイルに貼り付けるなんてことを、手作業でやっていたら大変です。まぁ、できないことはないにしろ、大変な労力です。膨大な時間も要するでしょう。
そこで、私がとった手段が、WordのVBAマクロです。
ガラケーからPCに取り込んで保存したデータの中味は、テキストデータでした。ファイルの拡張子は「Txt」ではないのですが、テキストファイルして扱うことができる形式のデータでした。
そのため、テキストファイルを扱うときに記述するVBAコード
Open ステートメントと
Close ステートメントを
使いました。Close ステートメントを
Openステートメントでテキストファイルを開き、Closeステートメントでテキストファイルを閉じます。その2つのステートメントの間に、テキストのコピーと、Wordへの貼り付け処理のコードを書けばよいわけです。

VBAコードの中味は、大まかに次のとおりです。
Dim myFile As String , myFNo as Integer
myFile = ・・・・・
myFNo = FreeFile
Open myFile For Input As #myFNo
・・・(コピー・貼り付け処理)・・
Close #myFNo
myFile = ・・・・・
myFNo = FreeFile
Open myFile For Input As #myFNo
・・・(コピー・貼り付け処理)・・
Close #myFNo
このようにすれば、大量のテキストファイルを、次から次に一つづつ開いていって、内容をコピーし、Wordに貼り付け、テキストファイルを閉じてくれます。この一連の操作を、コンピューターマクロが自動でやってくれます。
手作業でやると面倒で、時間がかかるけれども、マクロで実行すると、一瞬で終わってしまいます。あっという間です。しかも、人間の手作業だったら途中で間違えることがありますが、マクロは最後まで律儀に、正確に処理してくれます。
このようにして、バラバラだった大量のメールデータファイルが、最終的に一つのWordファイルにまとまりました。そのWordファイルは、私の単身赴任時代の出来事が記録された貴重なデータです。妻とのやり取りメールの記録を読み返すと、今でも当時の様子がしっかり再現されます。読んでいくうちに、当時の雰囲気にどっぷりと浸かり、いろいろな出来事が鮮明に蘇ります。
「あぁ、だった、だった。」
「そう言えば、そういうこともあったな。」
ということばかりです。「そう言えば、そういうこともあったな。」
私にとって、大事な文化遺産となっています。
それでは、また次の記事で
■■■■ goosyun ■■■■
《2021年11月23日追記》
テキストファイルのテキストをWordに取り込むVBAコードを、記事中で紹介しています。
⇒ こちらの記事をご覧ください。