田舎の「こびり」と言う言葉を思い出した、子供心にも何処となく楽しい時間だった、「こびり」とは農家の野良仕事の合間(10時頃や3時頃)に食べる軽飲食であり標準語では「おやつ」かな
今の私はスポーツをする事が仕事なので、この合間の「こびり」は子供の時の様に楽しみだ、 昔の娘さん達が持ち寄る物で、菓子が有りコーヒーがあり果物があり手作り物があり、体育館の中での事ではあるがのんびりとした田舎の田んぼのあぜ道に腰をおろして遠くを眺めながら心地良い風の中で大人達が談笑する「こびり」の様である
今でも元気な白寿のお袋もずいぶん若い時の姿で思い出される、もんぺや地下足袋をはいて頭には手ぬぐいをして、そうだあの頃は田を耕すのに馬がいた犬もいた当然リヤカーも有った、遠くに見える道路には一日に3~4台の車が通るのを数えた事を思い出す、持参したものとして出始めた頃のタイガーの魔法瓶も思い出す、綿入れを着てゴム短靴を履いたイガグリ頭の幼い私は「こびり」が終わった後、敷物のゴザの上をゴロッと横になり、三つ葉以外のクローバーを真剣に探していた、体育館内での「おやつ」は遠い幼い時代を思い出す「こびり」の様である
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