4月1週(3月31日ー4月4日)の日本株は上昇の見込み。トランプ米政権の関税政策公表で、景気や企業業績への過度な警戒感が和らぐ。
トランプ米政権は4月2日に広範囲にわたる相互関税を導入する。米関税に対して各国が対抗措置に踏み切れば、世界景気に悪影響を与える懸念がある。事情に詳しい複数の関係者によると、欧州連合(EU)は加盟国ごとに異なる税率ではなく、EU全域に一律2桁の関税率が適用されるとみている。

トランプ氏は25日、相互関税は「多少の例外はあり、協議中だが、あまりにも多くの例外はない」、「相互的よりは寛大なものになるだろう」などと発言している。関税政策の大きな区切りとなる相互関税で、例外措置や関税の水準次第では警戒ムードが強かった市場心理が変わる可能性もある。
米景気指標では4月1日に3月の米供給管理協会(ISM)製造業総合景況指数、3日にISM非製造業、4日に雇用統計が公表される。ブルームバーグの集計によると、ISM製造業は49.8(前回50.3)、非製造業は53.1(同53.5)、雇用統計における非農業部門雇用者数は13万5000人増(同15万1000人増)とすべて悪化が見込まれている。
中国では3月31日に3月の製造業購買担当者指数(PMI)、国内では1日に日本銀行が企業短期経済観測調査(短観、3月調査)を発表する。短観では大企業製造業の業況判断指数(DI)が12(前回14)に低下の見通し。3月4週の東証株価指数(TOPIX)は週間で1.7%安と4週ぶりに反落した。
《市場関係者の見方》
ニッセイアセットマネジメントの松波俊哉チーフアナリスト
悪材料出尽くしで戻るのではないか。2期目のトランプ大統領はまず関税をかけてから交渉に臨むスタイルとなっている。相互関税発動後に各国と交渉が短期で進む可能性があり、関税が実体経済に大きな影響を与える前に軽減措置などが出ることもあり得る。足元までの雇用指標は堅調のため、米雇用統計は無風だろう。
アセットマネジメントOneの荻原健チーフストラテジスト
上値は重くなるだろう。米関税の全体像が見えてくれば織り込みにいけるが、まだよく分からない部分は残ると思う。企業への影響を企業自身がどう見ているかを確かめたいというのもあり、それには時間がかかる。中国の経済指標では政策が効いて景気がおそらくボトムから上がってくることで、日本の企業にとってもプラス。ただ、中国にも米関税の問題があるため、先行きは分からないとして不透明感は晴れないだろう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます