異形の仲間たち見聞録

私が見てきた精神疾患者たち

小説 『呆け茄子の花 その四十三』

2019年03月02日 15時35分17秒 | 小説『呆け茄子の花』

前回はこれまでのあらすじを見ていただいた。

この回からはまた話を進めていきたいと思う。

 

 

尚樹と同期であったTさんの退職は尚樹にとって衝撃であったが、

「部長の下でTさんは潰された」と内心思っていた。

そして尚樹は「俺はそうならない!」と決意していた。

思わず尚樹は、Tさんと同じ主治医であり、「雲の上」の上司に

現状を告げようと思ったのだが、「部長の意趣返し」を考えると

足が竦む思いがし、言い淀むどころか口にも上らなかった。

尚樹は部長との「一線」を日々維持することが精一杯の日常であった。

障害者雇用をする際に事業所内に「労働条件及び代理」的な存在を勤めている女性

「Kさん」にこれまでのことを相談しつつ、尚樹自身の身の降りようも相談しながら

気の強いKさんは部長に喰って掛かっていた。

尚樹は女伊達らに奮闘するKさんを頼もしく思っていた。7

Kさんは尚樹より5歳年下だがいわゆる「シングルマザー」で

二言目には「結婚はもううんざり」というのが口癖であった。

 

 

その四十四につづく

 

 


 

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