New Vinyls!ニュー・ヴァイナルズ

「アートなジャケット」記事と超個人的主観による「アートなジャケット」年度表彰を行うブログです。長期休暇より復活!

Gilbert O'Sullivan / In The Key Of G

2017-01-22 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●ドナルド・トランプ新大統領の就任にがっかりした人も多かったのではないかな。

とりわけあの演説は何なのだろう?一体自国の利益を考えない大統領なんてこの世にいるのだろうか。本来大統領なんて、そのことは分かっていても大義名分を心得て、地球規模での演説をするというのが当たり前。ましてやAIが人の生活を支配をしてしまう危機や異星人だって襲って来かねない危なっかしいこの時代に、何を薄っぺらいことをほざいているのやら・・・。理想を掲げなくして何を目指して活動していくのか。この男はあろうことか歴代の大統領を「口先だけで何もしない」という暴挙発言までしてしまった。(いや、これまでの歴代の大統領を振り返ればお分かりいただけるが、相当な実績を残して来られた方々ばかりである。このように前任者の悪口を就任式で言った大統領なんていたかな・・・)
何だかハイスクールのバスケ部の部長の選挙みたいに「僕たちはバスケ部の利益を優先します。試合に勝って、予算をブン獲ります。」って息巻いている奴を彷彿とさせてがっかりである。しかしながら彼はアメリカ国民が選んだ大統領なのだ。単なるクラブ活動の部長ではないのである。もしも彼のいう「口先だけではない」政治が失敗して、自分が「口先だけ」になった時にはどうするのか?経済状況や雇用が今より悪くなってしまった日にはどうするのか?言い放った分、反動は相当大きくなろう。

●今日は、あのギルバート・オサリヴァンが90年代に発表した作品を選んでみた。
ギルバート・オサリヴァンと云えば70年代に一世を風靡したヒット曲「アローン・アゲイン」や「クレア」などが有名な往年のポップス・シンガーではあるけれど、とりわけ日本人リスナーや日本のアーティスト達に絶大なる影響を与えて来た歌手だ。そんなギルバートが自身のゴタゴタでPOPS界の表舞台から姿を消して、ようやく隠居生活から戻ってきた90年にこのアルバムは作られた。
ギルバート・オサリヴァンと云えば=ピアノとして定義付けられるほど印象的な結びつきはあるが、この時期の彼はそのピアノというイメージを捨ててしまいたかったのか、アルバム・ジャケットにも重いピアノを担いで坂を下っていく姿が描かれている。僕には彼がかつての栄華を誇った時代をピアノと共に捨てに行く姿に見えて仕方がない(人によっては再び重荷を背負って俗世間に挑むと解釈されている方もおられる)。しかしながら背負っているものが大きすぎると人はそれを一旦下ろしたい衝動に駆られるものなのだろう(今回のアメリカ大統領選のように)。
 
 意に反してこのアルバムは売れなかった。知っている人も少ないだろう。今も輸入盤でしか入手出来ない。そんな再起をかけたギルバートを救ってくれたのは、意外にも日本人だったのかも知れない。日本のドラマの挿入歌として彼の曲が採用されたからだ。(どんなドラマだったか覚えていないが)勢いでベスト盤が売れて日本にギルバート・オサリヴァン再評価の声が聞かれたりもしたが、そこは飽きやすい日本人のこと、再びギルバート・オサリヴァンのことなど忘却の彼方へ押しやってしまうのだ・・・。

再び時は流れて2015年。自身のポップテイストとラテンのテイストを融合させた新作を作っている。(「ラテン・アラ・G」)その適応力たるや凄いものがある。伊達に芸能界の荒波に揉まれている訳では無い。少し枯れたいぶし銀の声に新しいギルバート・オサリヴァンは別の魅力を発揮して聴きやすい。残念ながらレコード店が活況なら取り上げた店もあったのかも知れないけれど、現在のようなネットの時代にあってはマーケットを作っているのは単なる流通屋であり、音楽のコンシェルジュでは無い。大海の如きネット情報など無いに等しい。せめてブログで取り上げるのみだ!

マドンナがトランプ大統領の反対派デモに同調したようだ。彼女も何かせねばなるまいと、この「著作権/女性蔑視男」に向けて立ち上がったのだろう。だが、アメリカはもともと自浄能力の高い国。いずれ重荷を下ろした小休止の後に、再び理想を掲げた新しい指導者を迎えるだろう!その日まで努力を続けなくてはならない、このギルバート・オサリヴァンの様に復活の日を夢見て。(ちなみにギルバート・オサリヴァンはアイルランド系英国人です。悪しからず)


Neil Larsen /JUNGLE FEVER

2017-01-04 | アートなジャケット(CD&Vinyl)読み物
●あけましておめでとうございます!
本年も新譜のご案内と読み物2本立てで頑張って参ります!
宜しくお願い申し上げます。


●さて、「一年の計は元旦にあり」なんて云うけど、かつて自分にとっては元旦の日に何を聴くかは非常に重要なイベントだったように記憶する。1枚の出来が自分の1年を占うような気がしたし、その為だけに「正月用」アルバムを買いに行ったとも記憶する。(まるで神社のおみくじだ!)今のご時世そんな悠長な風習は無いのかなぁ・・・。無いよなぁ~wwwスマホでダウンロードか・・・。それは便利に見えて何か足りない。そうだなぁ、動画で海外の1部分を見て「あ、この国知ってる!」というのと、実際にその足で歩いて、その目で見てきた海外とは全く違う・・・それくらいの違いがあるような気がする。

●そう云えばここ数年、肉体的な変化のせいかジャンルでいうとAORがしっくりこない。今でもとても好きだが、何となくおあずけを食らった犬のように聞いていてもどかしいし、古臭いジーンズのように愛着があるのに穿けない感じ。原因は分からないけれど、とにかく今は少し距離を置いている。何だろう、昔の曲はサビの部分へ誘う時間が長く取ってあったのかな?じらし?今の曲は割と単刀直入なのかな?その分最近の曲は飽きも速いのかも。

●そんな中、AORアルバムの中でも、未だにリピートして聴いているアルバムがある。ニール・ラーセンのアルバム「ジャングル・フィーヴァー」。確か77年のグレッグ・オールマンのソロ・アルバムのツアーでニールを見たのが最初だったと思う。このアルバムはニールのキーボードが大々的にフィーチャーされたフュージョン・インスト・アルバムの名盤。(その後はレコードメーカーが変わるたびに再発されている。それだけ名盤の誉れ高い作品と云えるのかも)今年はこれを正月の音楽に選んでみた。本当にいい音楽は時代を感じさせない。
 このエヴァーグリーンなアルバムはジャケットも素敵。じっくり見ると壁の汚れや落書き、無造作に置かれたドラム缶。ピンクのジャケットに飾らないジーンズ・スタイルの組み合わせ。何気ない構図なのだが、色の配色が良いのか、何んとも気になる絵面をしている。実はこれが絵なのか写真なのか、今も判別できないでいる。一応フォトグラファーとあるので写真なのだろう。
「今年も良い年でありますように」。(年末と新年は新譜が無いので、読み物3連チャンとなりました!今年もよろしくお願いします!)