ハチの家文学館

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青春時代の思い出の手紙

2016年09月17日 21時35分50秒 | ハチパパのひとり言

郷里浜松の銀行支店に勤め始めて5ケ月目の頃のこと。市立図書館から借りた本を落としたことから始まった、女学生のいたずら心の手紙である。いい年してまだ持っていた。白い封筒の切手は10円、消印は38.8.16。

手紙の内容は写真のとおりであるが、どんな本か、どんな女学生だったか全く記憶がない。ただ、そんな手紙をもらって本をもらいに行ったことは覚えている。

茶目っ気たっぷりな女学生にからかわれたのだろうが、彼女たちが想像した私は、きっとのんきで人が良いか、それとも何か良いことでもあった方なのではと書かれている。のんきで人がいいのは今でも変わらない。

同じ昭和38年10月に、高校の恩師からもらった手紙が残っている。その年の4月に浜松から静岡の新設高校に転任になったばかりで、私が卒業後先生宛に書いた手紙の返事である。私からの手紙は、高校時代の家庭のことの悩みを打ち明けた内容であったと思うが、先生の手紙の終わりの方にある次の文面が懐かしい。

君の御便りの内容では、高校時代から大へん苦労して来た様子。小生教師として君の悩みを見抜くことができず申し訳なく思っています。君の現在の生き方は大へんよいと思います。それにしても両親の御様子がよくわかりませんが、一度君と機会を得て御会いしましょう。みじめにならないでファイトを出して、大きなゆとりのある気持ちで頑張って下さい。

両親の不仲が続いていて、居た堪れなくなって生家を飛び出したのはこの約半年後ぐらいである。当時小学校のクラスメートの家に居候して勤務していた。いま私は、非行少年の更生支援団体でボランティア活動をしているが、十代当時の私の悩みと重なる少年に出会ったときは、心情を察しつつ励ましの言葉を親身になって伝えたいと思う。



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