チェーンスモーカーの後・出師の表

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共産主義に目覚めるアメリカ人

2008年03月23日 20時48分10秒 | Weblog
「計画的な消費」に目覚める米国人、経済への悪影響も(ロイター) - goo ニュース
[アトランタ 18日 ロイター] 何年にもわたる羽振りの良い生活から一転、米国の家庭はついに、身の丈に合った生活を送ることを学び始めている。これまで金融の専門家らは、米国の家庭にこうした「計画的な消費」は訪れないと指摘していた。

 エコノミストらは長年にわたり、米国の消費者が持続不可能な浪費を行っており、貯蓄率が危険なまでに低いと警告してきた。米国の家庭は今、住宅市場の低迷と景気減速を背景に経済的な責任を負うことを余儀なくされている。

 メリルリンチの北米担当エコノミストのデビッド・ローゼンバーグ氏は、ウォール街の関係者はこれまで、米国の消費者が消費スタイルを変えることはないと考えてきたと指摘。その上で「(消費スタイルの変化が)起こりつつある。倹約が取り入れられ、浪費は過去のものとなった」と述べた。
(引用終わり)

計画、倹約と浪費の抑制。なんだか燃えちゃうw。不況になると共産主義の理論ってすごくいい理論に思えちゃうんですよね。全共闘時代の人も貧しい人多かったらしいですし。

しかし、サブプライムローンとまでは言わずとも、計画、倹約、浪費といった言葉は、最近の日本の家庭でも結構話題に出てくる言葉なのではないでしょうか。自分一人が食べていくだけならば、こんなことはあまり考えないでしょう。まさか、自分が浪費する為に、家族に犠牲になってもらって、貧しい暮らしを強いるようなことは出来ないでしょうしね。みんなが幸せになる方法をみんな考え、みんなが理性を持って行動する。まあ、言ってみれば当たり前のことです。

×××

私は、高校生くらいの頃から、世界は共産主義に向かうべきだと考えています。というのも、資本主義というものの構図が基本的に好きではないからです。資本主義というのは、勝ち組と負け組がいなければ成立しない競争至上主義であり、豊かになれるものはとことんまで豊かになれるが、その一人を作り出すためには、多くの負け組という肥やしを必要とするのです。

しかし、誰それの為に、自ら進んで肥やしになることを希望する人などはいません(宗教団体にはたまに見られますが)。だから、自分を育てる肥やしを作る為に、騙さなければならないし、政治家とつるんで利権を獲得しなければならないし、或いは暴力を使い、または陰謀を巡らし嵌めるという行為が生まれる。それは、競争至上主義という構図の中では、ある意味では仕方のない行為だとも言えるのでしょう。

どんなことをしても勝たなくてはならないのです。
ただ、ここを間違ってはいけません。
勝たなくてはならないのは、組織や団体といったマクロではありません。ミクロな自分です。自分一人です。

この辺を特に日本のサラリーマンは見事に勘違いしてるんですね。会社組織の為に頑張って過労死したり、自分に良心の呵責があるにも拘わらず会社の為に法を犯したり、一番大切な家族というものを蔑ろにしてしまったり、これはまさに負け組です。勝ち組にすっかり騙されてしまっています。もうこれは、例えば地下鉄サリンを起こしたあの団体の教祖様に尽くす人々とまったく同じ思考と状況にあると言えるでしょう。

また勘違いをしてるのはサラリーマンだけではありません。家庭の主婦を含め多くの消費者もそうです。資本主義下において、大切なのは騙すことなのですから、自分が欲しい商品、心地よくなれるサービス、おいしく手軽な料理などと言ったものには、その殆どには騙しという毒が入っているということは、よく肝に銘じておかなければなりません。

例えば、電化製品のメーカーは、毎年、毎季節「新商品」だの「リニューアル」などと言って生活必需品の最新モデルを出しますが、そのスペックは以前とほとんど変わりません。ですが、それをさも新しいかのように宣伝して騙し、購買意欲を煽るのです。
考えてみたことはありますか?
何故、昨年新商品として出たものが、リニューアルされ、しかしスペックが殆ど変わらないのに、以前の商品と値段が変わらない、或いはそれ以上の価格がしてしまうのか?最新式を作るだけの開発もしていない改訂版商品なのだから、おそらくその商品の原価は半値以下、間違っても高くなることはありえません。まあ材料費のみでしょうね。おそろしく不当な販売価格と言えるでしょう。

また、それらをローンで買わせるのですが、このローンを販売する消費者金融がどれだけ流行っているかによって、その国に、どれだけ騙されている人々の多いのか、また負け組が多いのかがはっきり分かります。今回のサブプライムローンもそうですが、何故、自分の身の丈以上のものを購入してしまうのか?これは、まさしく、勝ち組営業に騙された結果ですね。その証拠に、ローンまでして買った不動産は、評価額が半値以下になってしまっています。それではローンも返済できるはずがありません。

こういう騙しが許される社会、これが資本主義です。そして、その騙しを使えない人間は、絶対に勝ち組にはなれません。しかしながら、我が日本は、負け組の為に、セーフティーネットを置いているので、自己破産もあれば生活保護もあります。それでもまあ色々と批判は絶えないのですが、しかしまあ十分な補償があると言えるでしょう。少なくとも、食べていけるわけです。だから、こういう社会的受け皿がちゃんと用意されているのであれば、資本主義も良いものだと言えます(ある意味では、日本は社会主義の国だとも言えますが)。確実に、生産効率は上がっていくわけですし、国力は増しますからね。

だが、これを世界レベルで見るとどうだろうか。

世界の構図は、昔から資本主義です。共産主義を標榜する国だって、国際競争である戦争に参加しました。植民地を作り、暴力によって国を奪い、騙すことによって資源を奪い、そうやって今世界は構築されてきたのです。そしてそれは今も続いています。どうやって、より有利な条件で国際的な取引を行うか。その為には、核をチラつかせて脅しますし、場合によっては実力行使をしますし、不当に関税を引き上げたり、人道的な問題と経済的な問題を引き換えに交渉したりします。

そうやって作り上げられた経済大国の肥やしとなった国、なっている国は世界にたくさんあります。日本だって負け組だと言えます。日本で起こったバブルは、間違いなくアメリカの国策であったでしょう。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などと持ち上げ、日本には投資能力があるのだからと必要もない金をたくさんを金を貸し、返せるか返せないかのギリギリになったところで、一気にバブルを崩壊させる。それによって、日本の企業を買収し、永年に渡って日本企業を支配する。見事に騙されました。

ただ、それ以上に犠牲になっている国は、アジアやアフリカには多くあります(殆ど中国とロシアのせいですが、イギリスやフランスのせいでもあります)。また南米のアルゼンチン、ブラジルなどもアメリカの犠牲になった国です。

そういった国々にはセーフティネットがありません。この国々が自立する為には、多額のお金が必要で、ODAや一投資企業などが率先して保護していく必要があるわけです。ですが、そういう国を救おうと先進国が努力することは少ないと言えます。自分たちが信じ、実際に成し遂げた数々の戦争や騙しなどの悪行を行えというわけにはいきませんし(アメリカはビンラディンにはそのくらいのことを言ったという話もありますが)、そういう国を自分たちの国と同じ生活レベルにまで高めると今度は食糧はもとより資源が足りません。救うことは自国の生活レベルを下げることなのです。

私は共産主義を信じていますが、しかし、それが国というミクロなレベルで妥当かどうかについては自信がありませんし、それを推奨はしません。ですが、もっとマクロなレベルなら、「世界」というレベルに立てば、この思想は絶対に間違っていないと思います。

今現在、我々先進国が日々行っている生活は、明らかに他の国々の犠牲の上に成り立っているものなのですから。

今回の記事で>米国の家庭はついに、身の丈に合った生活を送ることを学び始めている。 というものがありましたが、世界の家庭が、地球規模の身の丈に合った生活を学ぶことが、そろそろ求められてきているのではないでしょうか?

計画経済=ノルマや、共産主義などと聞くとそれだけで嫌な思いをする人はいるでしょうが、身の丈に合った生活を行うだけの生産を行う=ノルマは、戦争や侵略、騙しや御法度破りなど行わなくても、計画的にやっていけるのではないかと思うのです。不況をなくす為には、どんどん消費して、どんどん身の丈に合わない生活をすることが一番です。ですが、その国が不況であるということは、その国に依存している国々はもっと不況であるということです。

そして、自国の不況を計画する団体などないわけですから、これは無計画のしわ寄せであり、このしわ寄せを解消するには、尋常な手段では出来ないし、その尋常な手段さえとれない国力の国にには、最悪の状況しかありません。戦争と飢餓、加害者と被害者の構図で、勝ち組しか裕福になれない。こんな歴史ばかり、いつまで続けるのでしょう。

そんな歴史を終わらせる方法が、共産主義でなくても良いのですが、しかし、資本主義であるという理由で、自己中心的な振る舞いを行ったり、弱者を騙したり見捨てたり、自分の良心すら裏切ったりするということは絶対になくなると思うんですね。
①理性…勝ち組は、豊かさの限度を知り、節度を持って生活すること。
②計画…その上で計画性を持って生産活動を行い、余剰分は負け組に再分配すること。
③良心…その上で誰もが平等である為に、侵略を行う国とは戦い、侵略されつつある国には救済をすること。

これだけのことなんです。ただ、これが個人レベルに移すとなかなか難しいし、管理が行き届きません。何故なら、犯罪者はいるし、身の程を知らない人はいるし、平和や平等が嫌いな(宗教的意味合いでも)人は必ずいて、天網恢恢疎にして漏らさず、というわけにはいかないからです。中国、ソ連が崩壊した理由は、これとは全く別ですが(この話はまたすることがあるでしょう)。

今回のサブプライムローンの問題が、アメリカに共産主義国家の動きをもたらすことを望んではいません。ですが、明らかに今までの世界一の資本主義国家らしからぬ世論を見て、世界のアメリカとして、その気持ちを持って、共産主義的な国際関係を構築していって欲しいな、と思った次第。