滑り込みのように舞い込んだ、
『脂肪０』の仕事は、
それでも、今までの『脂肪０』じゃなかった。
違うメーカーの『脂肪０』。
しかも、２個パックのアロエ入り。
あるんだろうな、試食としての仕事、あるんだろうな、と、
怪しみながら行くと、間違いなくあった。
しかも、開店前に、
自分で味見してみると、おいしい！
ほんまに『脂肪０』なんかいな。甘いぞ！
これなら中途半端に残って、持って帰ってもいいぞ！！
と、ついでに思ったりもして（笑）
やはり、避けられているのは、あの４５０ｇの、
あの酸っぱい『脂肪０』だけだったのか……と、思う。バナナラッシー。
ようやく、今年のヨーグルト業界の流行に乗っかった気分。
★
お客さんに試食させると、
やはり比較的好評だった。
が、まぁ、実際に買って行ったのは、
横の１００円を切る３個パックのヨーグルトだが……だはは。
でも、試食はリズムよくやってきた。
それを私は気分よく思っていた。
だけどそれはあやまり。少なかったほうがよかったのだ。
少なかったほうが。
★
次の日の仕事は、８月３１日（月）。２日後だ。
朝、次の仕事のレポートを、
ウェストポーチに入れようとしたとき、
「はて？この前の仕事のレポートって、
ちゃんと直したっけ？記憶がないぞ」
ん？と思う。
記憶がなくても、ちゃんとしていることもある。
昔のことはよく覚えているのに、
最近のことは、すぐ忘れるから（やばいよ）。
が、今回は、いつも直すところになーい！！！なんでぇええ～！！
おいおいおいおい、思い出せ。
電車の中で、
販売数とか、試食者数とか記入して、
感想欄も書いて、
そんでもって、そんでもって、どうした？
電車を降りたときに、余計な書類は、捨てた。
スーパーへ行くまでの地図とか、商品資料とか。
その時、必要な、
買い上げをした分のレシートを貼った書類とか、
販売数とかを書いたレポートとかは、
ちゃんと別個にした記憶があるぞ！！
なのになんで……あ、そういえば。
そうそう、あの時、
イコカ（関東地方でいう、スイカと同じＩＣカード）を、
普段は、かばんの中に入れているのに、
「あれ！？ない！！」と思って、
すぐ、ウエストポーチの中を確認したら、見つかって、
「なぁ～んだ！よかった～！」ってほっとしたけど、
ただひとつ、気になったことがあったんだよ。
ウェストポーチ、チャック全開だったんだよ。
かえるがゲラゲラ笑っている口のように、ぱっかり開いていたんだよ。
あの時、イコカがあったことばかりに気がいってたから、
気にしなかった。
きっと、きっと、あの時落としたんだ！！！
あのかえるの笑い顔は、私を嘲笑っていたんだ！！
どうしよう！！レポートがないと、
お給料、出ないのよ～！！
『脂肪０』の仕事がようやく、『１』になったのに、
『給料０』って、どーゆーことよ～！！
★
人間、嫌な結論が出ると、
それを否定したくて、
無理矢理可能性を作って、
探そうとするもんだ。
しかも、頭が悪い？と思えるくらい、同じ箇所を何回も。
おかげで、
ただでさえ朝は忙しいのに、
あっという間に、仕事へ行かなくちゃいけない時間になって。
慌てて出たため、せっかく作った弁当を忘れたのも、またかなし。
その日の仕事は、もう全然やる気ナシ。
売れても、売れなくても、
食べても、食べてもらえなくても、スキにして！！
あたしは、あたしは、おうちへ、帰りたいのよ～！！
ないかもしれないけど、ないかもしれないけど、
ゴミ箱をあさって、探したいのよ～！！
もう、それしか考えていなかった。
仕事を終えて、自転車３０分の道のりを、
ゼイゼイいいながら、帰る。
紙くずばかりを捨てているゴミ箱を、
新聞紙を敷いて、バサッとひっくり返す。
あぁ～、神さま……やっぱりありません……。
お、お給料がでません……。
……と、嘆いている場合じゃねぇ。
泣いても１円にもならねぇ。
えぇい！仕方ねぇ。やってやろうじゃねーか！
こんな初歩的なミスの為じゃないが、
ウチには、予備のレポート用紙ってのがあるんでぃ！！
不思議なのだが、
普段ならすぐに忘れてしまう、販売数や、試食者数や、特価の値段や、
お客さんの感想だとかが、恐ろしい鮮明さで思い出せた。
二度目の書き込みをする。
で、サインだよ。担当者の。
夫の帰りを待って……そこから先は、ご想像にお任せします。
だめよ！口に出して言っちゃ！！
★
レポートを作成して、日給はなんとか確保し、
私は、お昼ご飯のはずだったお弁当を食べだした。
しかし、何度考えても、どうにもならないものがあった。
買い上げ金……つまり、試食の立替分。プラス、ウェットティッシュ代。
レシートばかりは、予備がない。
こういう時に限って、こういう時に限って、
計算すると、２５００円近く自腹を切っていて。
あぁ、この時ほど、
「みんな買わないんだったら、食べなきゃよかったのよ！！」
と強く思ったことはない。
２日前を思えば、ご乱心もいいところの豹変ぶり。
しかも、悔やまれるのが、
普段は、立替のレシートは、お財布の中に直して、
家に帰ってから、専用用紙に貼り付けたりするのに、
今回に限って、お財布の中が、
（お札や小銭ではなく）いらないレシートで、
パンパンになってたから、
買い物袋に荷物をつめるお客さんに混じって、
セロテープで、先に専用用紙に貼っちゃったりしたのよね～。
あぁあぁ……ばかばかばかばか。
お財布の中だったら、
予備の専用用紙に貼り付ければ、何事もないことになってたのにぃ～！！
わかっていても、頭は回る。
なんとかならないのか、と思い、
レポートをなくしたことはナイショにして（言えない！言えない！）、
派遣会社に、立替レシートをなくしたら、
救済措置は全くないのか、と、問い合わせてみると、
「スーパーに行ってもらって、
お店の人に、
どこのレジを、何時何分に使ったかを説明し、
記録を探してもらって、それを証明するものを、
記載してもらえれば、なんとか……」
という、精一杯の回答をくれたけど。
言えない……初めていった遠方のスーパーの担当者に、
それだけの手間……。
「あきらめます……」と小さく答えて、電話をきった。
が、もうここまですれば、あきらめがついた。
翌日の火曜日、９月１日。
本当は行く予定じゃなかったけど、
派遣会社へ行って、さっさとお給料を精算した。
もう、一刻も早く、手放したかったのだ。
書き直した（という言い方にしておこう）レポート用紙。
ただ、未だに気になっているのが、ひとつ。
あの時の担当者の名前は、「シバ」だった。
漢字として、「司馬」なのか「芝」なのか「柴」なのか知らない。
あのレポートがメーカーの手に渡って、
「あれ？ここの担当者の名前の漢字って、これだっけ？」
と、疑問に思わないか、気になっている。あぁ……。
胸に暗さを抱えたかたちで、９月に突入しています。
『脂肪０』の仕事は、
それでも、今までの『脂肪０』じゃなかった。
違うメーカーの『脂肪０』。
しかも、２個パックのアロエ入り。
あるんだろうな、試食としての仕事、あるんだろうな、と、
怪しみながら行くと、間違いなくあった。
しかも、開店前に、
自分で味見してみると、おいしい！
ほんまに『脂肪０』なんかいな。甘いぞ！
これなら中途半端に残って、持って帰ってもいいぞ！！
と、ついでに思ったりもして（笑）
やはり、避けられているのは、あの４５０ｇの、
あの酸っぱい『脂肪０』だけだったのか……と、思う。バナナラッシー。
ようやく、今年のヨーグルト業界の流行に乗っかった気分。
★
お客さんに試食させると、
やはり比較的好評だった。
が、まぁ、実際に買って行ったのは、
横の１００円を切る３個パックのヨーグルトだが……だはは。
でも、試食はリズムよくやってきた。
それを私は気分よく思っていた。
だけどそれはあやまり。少なかったほうがよかったのだ。
少なかったほうが。
★
次の日の仕事は、８月３１日（月）。２日後だ。
朝、次の仕事のレポートを、
ウェストポーチに入れようとしたとき、
「はて？この前の仕事のレポートって、
ちゃんと直したっけ？記憶がないぞ」
ん？と思う。
記憶がなくても、ちゃんとしていることもある。
昔のことはよく覚えているのに、
最近のことは、すぐ忘れるから（やばいよ）。
が、今回は、いつも直すところになーい！！！なんでぇええ～！！
おいおいおいおい、思い出せ。
電車の中で、
販売数とか、試食者数とか記入して、
感想欄も書いて、
そんでもって、そんでもって、どうした？
電車を降りたときに、余計な書類は、捨てた。
スーパーへ行くまでの地図とか、商品資料とか。
その時、必要な、
買い上げをした分のレシートを貼った書類とか、
販売数とかを書いたレポートとかは、
ちゃんと別個にした記憶があるぞ！！
なのになんで……あ、そういえば。
そうそう、あの時、
イコカ（関東地方でいう、スイカと同じＩＣカード）を、
普段は、かばんの中に入れているのに、
「あれ！？ない！！」と思って、
すぐ、ウエストポーチの中を確認したら、見つかって、
「なぁ～んだ！よかった～！」ってほっとしたけど、
ただひとつ、気になったことがあったんだよ。
ウェストポーチ、チャック全開だったんだよ。
かえるがゲラゲラ笑っている口のように、ぱっかり開いていたんだよ。
あの時、イコカがあったことばかりに気がいってたから、
気にしなかった。
きっと、きっと、あの時落としたんだ！！！
あのかえるの笑い顔は、私を嘲笑っていたんだ！！
どうしよう！！レポートがないと、
お給料、出ないのよ～！！
『脂肪０』の仕事がようやく、『１』になったのに、
『給料０』って、どーゆーことよ～！！
★
人間、嫌な結論が出ると、
それを否定したくて、
無理矢理可能性を作って、
探そうとするもんだ。
しかも、頭が悪い？と思えるくらい、同じ箇所を何回も。
おかげで、
ただでさえ朝は忙しいのに、
あっという間に、仕事へ行かなくちゃいけない時間になって。
慌てて出たため、せっかく作った弁当を忘れたのも、またかなし。
その日の仕事は、もう全然やる気ナシ。
売れても、売れなくても、
食べても、食べてもらえなくても、スキにして！！
あたしは、あたしは、おうちへ、帰りたいのよ～！！
ないかもしれないけど、ないかもしれないけど、
ゴミ箱をあさって、探したいのよ～！！
もう、それしか考えていなかった。
仕事を終えて、自転車３０分の道のりを、
ゼイゼイいいながら、帰る。
紙くずばかりを捨てているゴミ箱を、
新聞紙を敷いて、バサッとひっくり返す。
あぁ～、神さま……やっぱりありません……。
お、お給料がでません……。
……と、嘆いている場合じゃねぇ。
泣いても１円にもならねぇ。
えぇい！仕方ねぇ。やってやろうじゃねーか！
こんな初歩的なミスの為じゃないが、
ウチには、予備のレポート用紙ってのがあるんでぃ！！
不思議なのだが、
普段ならすぐに忘れてしまう、販売数や、試食者数や、特価の値段や、
お客さんの感想だとかが、恐ろしい鮮明さで思い出せた。
二度目の書き込みをする。
で、サインだよ。担当者の。
夫の帰りを待って……そこから先は、ご想像にお任せします。
だめよ！口に出して言っちゃ！！
★
レポートを作成して、日給はなんとか確保し、
私は、お昼ご飯のはずだったお弁当を食べだした。
しかし、何度考えても、どうにもならないものがあった。
買い上げ金……つまり、試食の立替分。プラス、ウェットティッシュ代。
レシートばかりは、予備がない。
こういう時に限って、こういう時に限って、
計算すると、２５００円近く自腹を切っていて。
あぁ、この時ほど、
「みんな買わないんだったら、食べなきゃよかったのよ！！」
と強く思ったことはない。
２日前を思えば、ご乱心もいいところの豹変ぶり。
しかも、悔やまれるのが、
普段は、立替のレシートは、お財布の中に直して、
家に帰ってから、専用用紙に貼り付けたりするのに、
今回に限って、お財布の中が、
（お札や小銭ではなく）いらないレシートで、
パンパンになってたから、
買い物袋に荷物をつめるお客さんに混じって、
セロテープで、先に専用用紙に貼っちゃったりしたのよね～。
あぁあぁ……ばかばかばかばか。
お財布の中だったら、
予備の専用用紙に貼り付ければ、何事もないことになってたのにぃ～！！
わかっていても、頭は回る。
なんとかならないのか、と思い、
レポートをなくしたことはナイショにして（言えない！言えない！）、
派遣会社に、立替レシートをなくしたら、
救済措置は全くないのか、と、問い合わせてみると、
「スーパーに行ってもらって、
お店の人に、
どこのレジを、何時何分に使ったかを説明し、
記録を探してもらって、それを証明するものを、
記載してもらえれば、なんとか……」
という、精一杯の回答をくれたけど。
言えない……初めていった遠方のスーパーの担当者に、
それだけの手間……。
「あきらめます……」と小さく答えて、電話をきった。
が、もうここまですれば、あきらめがついた。
翌日の火曜日、９月１日。
本当は行く予定じゃなかったけど、
派遣会社へ行って、さっさとお給料を精算した。
もう、一刻も早く、手放したかったのだ。
書き直した（という言い方にしておこう）レポート用紙。
ただ、未だに気になっているのが、ひとつ。
あの時の担当者の名前は、「シバ」だった。
漢字として、「司馬」なのか「芝」なのか「柴」なのか知らない。
あのレポートがメーカーの手に渡って、
「あれ？ここの担当者の名前の漢字って、これだっけ？」
と、疑問に思わないか、気になっている。あぁ……。
胸に暗さを抱えたかたちで、９月に突入しています。
