日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

ついついあだ名をつけてしまうの。

2007年10月05日 | お仕事な日々
ついつい、あだ名をつけてしまう。

     ★

物流関係の日雇い派遣のお仕事へ。

自転車でもいける場所っぽかったが、
位置がわからないので、
二駅先で、待ち合わせ。

一体、どんな人が何人ほどくるのかわからない。

一箇所しかない改札口をでると、
年齢不詳の男性たちが数人固まっていた。

その人たちに声をかけると、
予想どおり、日雇い派遣の人たちだった。

つい、「アキハバラーズ」と、
その集団を名づける。

メイドの制服を着ていない私は、
その集団の中でとても浮いた(笑)

この前の泉大津のときは全員女性だったけど、
今回は私以外は全員男性のようだった。

待っている間に、そのリーダー格の人が、
私ともうふたりの男性に声をかけてきた。

「どんな仕事をするか知ってる?」
「いえ……」
「○○生命のパンフだとかのピッキング作業だから。
もう、簡単、簡単。
門真と比べたら、大分ここは天国だから」

泉大津と比べたらどうかわかんないじゃないのさー。

不意に、レベッカの『MOOM』のサビが流れてきた。

    ♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪

なんとなくその風貌から、
そのリーダー格の人には、「マリオくん」と名づける。

「なんか、質問ある?」マリオくんが聞く。
「ピッキングってなんですか?」

素朴に聞いてみる。

結局、その説明は、
そこでの作業の具体的なことしか教えてくれなかった。

私は、そもそもの「ピッキング」という言葉の意味が、
知りたかったんですが……。

   ♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪

後に、作業をして、
「あぁ、用は『箱詰め作業』ってことね」と、腑に落ちる。

「その場のリーダーの人が、
仕事の仕方は教えてくれるから」
と、ケムに巻いたマリオ君。

プライドが高くて、器が小さそう……。

     ★

最後の人が来て、私を含め6人。
アキハバラーズと共に民族大移動(大げさ・笑)

マリオくんに説明を受けた私を含め三人だけが、
その場所での仕事の初参加者のようだった。

女子の集団と違って、沈黙が重い。
天気の話から、その初参加のふたりに声をかけてみる。

そのうちのひとりを、
風貌から「ひげ面くん」と名づけた。

彼は軍手の準備を忘れていたので、
途中コンビニで買いたいと言っている。

「買っても使わなかったりして……」
と、ひげ面くんはつぶやく。

マリオくん、その言葉に反応。

「こういう仕事してたら、今日つかわなくったって、
これから絶対軍手は必要になるって」

先を見越したその言葉に対して、ひげ面くんは、
「もう、今日でこの仕事は終わりですから」
と返す。

転職先が決まり、来週から行くので、
つなぎでしていたこの仕事は今回で終わるのだという。

それに対して、マリオくん、
少しタメて、

「……就職のほうが、この仕事よりいいよ」

と、他の人には見えないものを夢想しながら。

ひげ面くん、
『別におまえに言われたかねーよ』と、
言いたげなほどに、むっとした顔。

   ♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪

「就職のほうが、この仕事よりいい」と、
マリオくんは言いながらも、
マリオくんは、この仕事を絶対に気に入っている。
私は確信した。

思ってもいないことを言う声の、
なんと浮いてる感じだろう。

なんとなく、フォローしたくて、
私はひげ面くんに、
「私が言うのも変でしょうけど、おめでとうございます」
と、声をかけた。

     ★

その後もマリオくんは、
先輩風?を吹かせた。

「近くだし気に入ったなら、ここを優先的に紹介してあげるって、
言われたの?
それ、○○(日雇い派遣の派遣社名)の誰が言ったの?
……結構、いい加減だから、アテにしないほうがいいよ。
ま、僕は長いから、ここでも専用の名札を作ってもらっているけどね」

   ♪MOON……♪

「え?残業不可って言ってたのに、結局することにしたの。
いいよ、いいよ、そのほうが。
そういうことで、○○に恩を売っといたら」

   ♪MOON……♪

なんだか、全部が全部、
「アンタに言われてもねー」と突っ込みたくなるようなマリオくん。

     ★

仕事は、ある保険会社の
全国の支店から発注された
プリンターのトナーの箱詰めと、
荷札をつける作業。
そして、中身と伝票のチェック。

黒を2本注文するところもあれば、
赤・黄・青・黒を各1本注文するところもあって。
各支店で送るトナーがバラバラなのだ。

伝票と箱詰めしたトナーの色を、
ペアになった人と読みあわせをしながらチェックし、
ふたをしていく作業。

離島、九州、中国、中部、四国、近畿と、
沢山の支店の分を、ひたすら作っていく。

ペアを組んだのは、
アキハバラーズにいた、
ひげ面くんや私と同様、
ここでの作業が初めてと言ってた男性と。

草食動物的に、おとなしく優しそうな。

仕事の管理者が、残業ができるかどうかの
確認にうろうろしている。

それを見ながら、私はそのペアの男性に、
「残業されるんですか?」と聞いてみる。

「はい。先ほど、あのリーダーの人には、
7時半まで大丈夫だといいました」

「7時半……?あれ?遅くても、
残業は7時までだと聞きましたけど……。
マリオ君それでOKって言ってました?」

「マ、マリオ君って……」

   ♪MOON……♪

「え?だってほら、眉毛の太さが、
マリオ君ぽいじゃないですか。
名前わかんないし」

男性、閉口。ひぃちゃった。

差別的に聞こえたんだろうなぁ。
まぁでも確かに、いい印象を持っていないのは、
確かなんだけど。

区別するため、と思ってくださったほうが、
ありがたかったが。

ちなみに、その草食動物的な男性を、
私は、目が大きかったので、
「キョロットくん」と名づけていた。

だって名前知らないんだもん。

そのかわり、私のことは、
影で「メガネ」と呼んでもらっても
一向に構わないのだが。

今度この仕事をすることがあったら、
名前を聞くところから始めないといけないなぁ。

あだ名は胸の中だけで(でもやっぱりつけるのはやめれないなぁ~)。

最新の画像もっと見る