ついつい、あだ名をつけてしまう。
★
物流関係の日雇い派遣のお仕事へ。
自転車でもいける場所っぽかったが、
位置がわからないので、
二駅先で、待ち合わせ。
一体、どんな人が何人ほどくるのかわからない。
一箇所しかない改札口をでると、
年齢不詳の男性たちが数人固まっていた。
その人たちに声をかけると、
予想どおり、日雇い派遣の人たちだった。
つい、「アキハバラーズ」と、
その集団を名づける。
メイドの制服を着ていない私は、
その集団の中でとても浮いた(笑)
この前の泉大津のときは全員女性だったけど、
今回は私以外は全員男性のようだった。
待っている間に、そのリーダー格の人が、
私ともうふたりの男性に声をかけてきた。
「どんな仕事をするか知ってる?」
「いえ……」
「○○生命のパンフだとかのピッキング作業だから。
もう、簡単、簡単。
門真と比べたら、大分ここは天国だから」
泉大津と比べたらどうかわかんないじゃないのさー。
不意に、レベッカの『MOOM』のサビが流れてきた。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
なんとなくその風貌から、
そのリーダー格の人には、「マリオくん」と名づける。
「なんか、質問ある?」マリオくんが聞く。
「ピッキングってなんですか?」
素朴に聞いてみる。
結局、その説明は、
そこでの作業の具体的なことしか教えてくれなかった。
私は、そもそもの「ピッキング」という言葉の意味が、
知りたかったんですが……。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
後に、作業をして、
「あぁ、用は『箱詰め作業』ってことね」と、腑に落ちる。
「その場のリーダーの人が、
仕事の仕方は教えてくれるから」
と、ケムに巻いたマリオ君。
プライドが高くて、器が小さそう……。
★
最後の人が来て、私を含め6人。
アキハバラーズと共に民族大移動(大げさ・笑)
マリオくんに説明を受けた私を含め三人だけが、
その場所での仕事の初参加者のようだった。
女子の集団と違って、沈黙が重い。
天気の話から、その初参加のふたりに声をかけてみる。
そのうちのひとりを、
風貌から「ひげ面くん」と名づけた。
彼は軍手の準備を忘れていたので、
途中コンビニで買いたいと言っている。
「買っても使わなかったりして……」
と、ひげ面くんはつぶやく。
マリオくん、その言葉に反応。
「こういう仕事してたら、今日つかわなくったって、
これから絶対軍手は必要になるって」
先を見越したその言葉に対して、ひげ面くんは、
「もう、今日でこの仕事は終わりですから」
と返す。
転職先が決まり、来週から行くので、
つなぎでしていたこの仕事は今回で終わるのだという。
それに対して、マリオくん、
少しタメて、
「……就職のほうが、この仕事よりいいよ」
と、他の人には見えないものを夢想しながら。
ひげ面くん、
『別におまえに言われたかねーよ』と、
言いたげなほどに、むっとした顔。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
「就職のほうが、この仕事よりいい」と、
マリオくんは言いながらも、
マリオくんは、この仕事を絶対に気に入っている。
私は確信した。
思ってもいないことを言う声の、
なんと浮いてる感じだろう。
なんとなく、フォローしたくて、
私はひげ面くんに、
「私が言うのも変でしょうけど、おめでとうございます」
と、声をかけた。
★
その後もマリオくんは、
先輩風?を吹かせた。
「近くだし気に入ったなら、ここを優先的に紹介してあげるって、
言われたの?
それ、○○(日雇い派遣の派遣社名)の誰が言ったの?
……結構、いい加減だから、アテにしないほうがいいよ。
ま、僕は長いから、ここでも専用の名札を作ってもらっているけどね」
♪MOON……♪
「え?残業不可って言ってたのに、結局することにしたの。
いいよ、いいよ、そのほうが。
そういうことで、○○に恩を売っといたら」
♪MOON……♪
なんだか、全部が全部、
「アンタに言われてもねー」と突っ込みたくなるようなマリオくん。
★
仕事は、ある保険会社の
全国の支店から発注された
プリンターのトナーの箱詰めと、
荷札をつける作業。
そして、中身と伝票のチェック。
黒を2本注文するところもあれば、
赤・黄・青・黒を各1本注文するところもあって。
各支店で送るトナーがバラバラなのだ。
伝票と箱詰めしたトナーの色を、
ペアになった人と読みあわせをしながらチェックし、
ふたをしていく作業。
離島、九州、中国、中部、四国、近畿と、
沢山の支店の分を、ひたすら作っていく。
ペアを組んだのは、
アキハバラーズにいた、
ひげ面くんや私と同様、
ここでの作業が初めてと言ってた男性と。
草食動物的に、おとなしく優しそうな。
仕事の管理者が、残業ができるかどうかの
確認にうろうろしている。
それを見ながら、私はそのペアの男性に、
「残業されるんですか?」と聞いてみる。
「はい。先ほど、あのリーダーの人には、
7時半まで大丈夫だといいました」
「7時半……?あれ?遅くても、
残業は7時までだと聞きましたけど……。
マリオ君それでOKって言ってました?」
「マ、マリオ君って……」
♪MOON……♪
「え?だってほら、眉毛の太さが、
マリオ君ぽいじゃないですか。
名前わかんないし」
男性、閉口。ひぃちゃった。
差別的に聞こえたんだろうなぁ。
まぁでも確かに、いい印象を持っていないのは、
確かなんだけど。
区別するため、と思ってくださったほうが、
ありがたかったが。
ちなみに、その草食動物的な男性を、
私は、目が大きかったので、
「キョロットくん」と名づけていた。
だって名前知らないんだもん。
そのかわり、私のことは、
影で「メガネ」と呼んでもらっても
一向に構わないのだが。
今度この仕事をすることがあったら、
名前を聞くところから始めないといけないなぁ。
あだ名は胸の中だけで(でもやっぱりつけるのはやめれないなぁ~)。
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物流関係の日雇い派遣のお仕事へ。
自転車でもいける場所っぽかったが、
位置がわからないので、
二駅先で、待ち合わせ。
一体、どんな人が何人ほどくるのかわからない。
一箇所しかない改札口をでると、
年齢不詳の男性たちが数人固まっていた。
その人たちに声をかけると、
予想どおり、日雇い派遣の人たちだった。
つい、「アキハバラーズ」と、
その集団を名づける。
メイドの制服を着ていない私は、
その集団の中でとても浮いた(笑)
この前の泉大津のときは全員女性だったけど、
今回は私以外は全員男性のようだった。
待っている間に、そのリーダー格の人が、
私ともうふたりの男性に声をかけてきた。
「どんな仕事をするか知ってる?」
「いえ……」
「○○生命のパンフだとかのピッキング作業だから。
もう、簡単、簡単。
門真と比べたら、大分ここは天国だから」
泉大津と比べたらどうかわかんないじゃないのさー。
不意に、レベッカの『MOOM』のサビが流れてきた。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
なんとなくその風貌から、
そのリーダー格の人には、「マリオくん」と名づける。
「なんか、質問ある?」マリオくんが聞く。
「ピッキングってなんですか?」
素朴に聞いてみる。
結局、その説明は、
そこでの作業の具体的なことしか教えてくれなかった。
私は、そもそもの「ピッキング」という言葉の意味が、
知りたかったんですが……。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
後に、作業をして、
「あぁ、用は『箱詰め作業』ってことね」と、腑に落ちる。
「その場のリーダーの人が、
仕事の仕方は教えてくれるから」
と、ケムに巻いたマリオ君。
プライドが高くて、器が小さそう……。
★
最後の人が来て、私を含め6人。
アキハバラーズと共に民族大移動(大げさ・笑)
マリオくんに説明を受けた私を含め三人だけが、
その場所での仕事の初参加者のようだった。
女子の集団と違って、沈黙が重い。
天気の話から、その初参加のふたりに声をかけてみる。
そのうちのひとりを、
風貌から「ひげ面くん」と名づけた。
彼は軍手の準備を忘れていたので、
途中コンビニで買いたいと言っている。
「買っても使わなかったりして……」
と、ひげ面くんはつぶやく。
マリオくん、その言葉に反応。
「こういう仕事してたら、今日つかわなくったって、
これから絶対軍手は必要になるって」
先を見越したその言葉に対して、ひげ面くんは、
「もう、今日でこの仕事は終わりですから」
と返す。
転職先が決まり、来週から行くので、
つなぎでしていたこの仕事は今回で終わるのだという。
それに対して、マリオくん、
少しタメて、
「……就職のほうが、この仕事よりいいよ」
と、他の人には見えないものを夢想しながら。
ひげ面くん、
『別におまえに言われたかねーよ』と、
言いたげなほどに、むっとした顔。
♪MOON あなたは知ってるの? MOON あなたは何もかも……♪
「就職のほうが、この仕事よりいい」と、
マリオくんは言いながらも、
マリオくんは、この仕事を絶対に気に入っている。
私は確信した。
思ってもいないことを言う声の、
なんと浮いてる感じだろう。
なんとなく、フォローしたくて、
私はひげ面くんに、
「私が言うのも変でしょうけど、おめでとうございます」
と、声をかけた。
★
その後もマリオくんは、
先輩風?を吹かせた。
「近くだし気に入ったなら、ここを優先的に紹介してあげるって、
言われたの?
それ、○○(日雇い派遣の派遣社名)の誰が言ったの?
……結構、いい加減だから、アテにしないほうがいいよ。
ま、僕は長いから、ここでも専用の名札を作ってもらっているけどね」
♪MOON……♪
「え?残業不可って言ってたのに、結局することにしたの。
いいよ、いいよ、そのほうが。
そういうことで、○○に恩を売っといたら」
♪MOON……♪
なんだか、全部が全部、
「アンタに言われてもねー」と突っ込みたくなるようなマリオくん。
★
仕事は、ある保険会社の
全国の支店から発注された
プリンターのトナーの箱詰めと、
荷札をつける作業。
そして、中身と伝票のチェック。
黒を2本注文するところもあれば、
赤・黄・青・黒を各1本注文するところもあって。
各支店で送るトナーがバラバラなのだ。
伝票と箱詰めしたトナーの色を、
ペアになった人と読みあわせをしながらチェックし、
ふたをしていく作業。
離島、九州、中国、中部、四国、近畿と、
沢山の支店の分を、ひたすら作っていく。
ペアを組んだのは、
アキハバラーズにいた、
ひげ面くんや私と同様、
ここでの作業が初めてと言ってた男性と。
草食動物的に、おとなしく優しそうな。
仕事の管理者が、残業ができるかどうかの
確認にうろうろしている。
それを見ながら、私はそのペアの男性に、
「残業されるんですか?」と聞いてみる。
「はい。先ほど、あのリーダーの人には、
7時半まで大丈夫だといいました」
「7時半……?あれ?遅くても、
残業は7時までだと聞きましたけど……。
マリオ君それでOKって言ってました?」
「マ、マリオ君って……」
♪MOON……♪
「え?だってほら、眉毛の太さが、
マリオ君ぽいじゃないですか。
名前わかんないし」
男性、閉口。ひぃちゃった。
差別的に聞こえたんだろうなぁ。
まぁでも確かに、いい印象を持っていないのは、
確かなんだけど。
区別するため、と思ってくださったほうが、
ありがたかったが。
ちなみに、その草食動物的な男性を、
私は、目が大きかったので、
「キョロットくん」と名づけていた。
だって名前知らないんだもん。
そのかわり、私のことは、
影で「メガネ」と呼んでもらっても
一向に構わないのだが。
今度この仕事をすることがあったら、
名前を聞くところから始めないといけないなぁ。
あだ名は胸の中だけで(でもやっぱりつけるのはやめれないなぁ~)。