亀田三兄弟のうちの、
誰に似ているかと聞かれると、
よくわからないけれど、
共通したあの細い目元がまず、
何よりも似ていた。
それに、
髪型の両サイドに、
雷模様のカットがなされている、
ナマイキさ加減からも、
『チビ亀田』とでも呼びたくなるような雰囲気が、
その幼稚園児にはあって。
まぁ多分、髪型は
本人が好き好んで、
雷模様の切り込みを入れたのではなく、
親のセンスなんだろうけど。
そして私は、亀田三兄弟を、
お父さんもひっくるめて、好ましく思っていない。
マスコミのフィルターを通して見ていることを、
考慮に入れても、
『オラオラ』的なあの感じは、どうしても好きになれない。
なので、そんなバイアスかかりまくりで、
チビ亀田を見つけると、
もうどうしようもなく、
『どうせお前も、オラオラなんだろう』
と、思わずにはいられなかった。
食パンの試食の仕事先で。
★
うろちょろしていたチビ亀田は、
試食品のパンをトースターで焼いてる最中にやってきた。
「何やってるの?」
「食パンを焼いてるの。まだあげれないよ」
思ったより、チビ亀田は、あっさり引き下がった。
チンっと、パンが焼けて、しばらくすると、
再びチビ亀田がやってきたので、
「食べてみる?」と聞いてみる。
「うん」と答えたので、
パンをあげると、
「これあげる」と、
今度はチビ亀田が、
ぎゅっと手に持っていたものを、
私が持っているトレーの上に置いた。
それは、なんの味なのか、緑色の飴ちゃんだった。
試食の仕事をしていて、交換に何かもらうなんてことは、
初めてだった。
思わず、
「え?これ、くれるの?」と聞き返さずにはいられない。
なんでもないかのように、
「うん」と答えるチビ亀田。
なんだ、いい奴じゃないか。
……ひょっとすると、あの亀田三兄弟も、案外いい奴なのかも。
幼稚園児で、亀田三兄弟を、
何故に推し量ろうとする(笑)
★
しばらくすると、
チビ亀田がまた現れた。
「もう1個ちょうだい」と言ってきた。
飴ちゃんをもらったことはもらったけど、それはそれとして。
「ごめんね。沢山の人に食べて欲しいから、1回だけにしてくれる?」
大きな大きなスーパーだと、
そんなモラルを守るより、クレーマーの方が怖いので、
何度でも食べさせろと、
最初のうちに釘を刺されるが、
基本私は、
状況にもよるけれど、
特に子供には、1回だけにしてもらっている。
チビ亀田は、その言葉を理解した。
しかし、簡単には立ち去ろうとはしない。
私の手元にある、
うっかり鞘(?)に収め忘れていた、
パンを切っていたフルーツナイフを、
興味津々で「これ何?」と触ろうとしたので、
慌てさせられた。
「きゃー!触ったらあかん!」……パンチを食らった気分。
さらに、
横の売り物の食パンをじーっと見た後、
急に、
サンドバックを殴るように、
ボコボコと、両手のこぶしで連打しはじめた。
「きゃー!やめて!!食パンが泣いちゃう!?」
……そんな言葉で注意する、私も私だが。
すっかりつまらなくなったチビ亀田は、
ようやく立ち去ってくれた。
その背を見ながら、
「確かに、マスコミのフィルターを通してでは、
見えてこない
飴ちゃんをくれるくらいの優しさが、
亀田三兄弟にもきっとあるんだろうけれど、
やっぱり、好きになれない要素の方が、
きっと上回って多いに違いない。きっときっと、間違いない」
そんな、
幼稚園児から、また改めて確信して。
★
もしも、
チビ亀田が大きくなって、
本物の亀田三兄弟に限りなく近くなって、
同じかたちで再会したら、
私はきっと、もう、「2個目のパン」をあげるしかないだろう。
そんな日が来る前に。
「さっさとなめてしまっておこーっと!」
帰り道、
緑色の飴ちゃんは、サイダーの味がして、
確かにおいしかったけど、
私の舌に
ジュワジュウワジュワっと、
早速、連打を打ってきた。
誰に似ているかと聞かれると、
よくわからないけれど、
共通したあの細い目元がまず、
何よりも似ていた。
それに、
髪型の両サイドに、
雷模様のカットがなされている、
ナマイキさ加減からも、
『チビ亀田』とでも呼びたくなるような雰囲気が、
その幼稚園児にはあって。
まぁ多分、髪型は
本人が好き好んで、
雷模様の切り込みを入れたのではなく、
親のセンスなんだろうけど。
そして私は、亀田三兄弟を、
お父さんもひっくるめて、好ましく思っていない。
マスコミのフィルターを通して見ていることを、
考慮に入れても、
『オラオラ』的なあの感じは、どうしても好きになれない。
なので、そんなバイアスかかりまくりで、
チビ亀田を見つけると、
もうどうしようもなく、
『どうせお前も、オラオラなんだろう』
と、思わずにはいられなかった。
食パンの試食の仕事先で。
★
うろちょろしていたチビ亀田は、
試食品のパンをトースターで焼いてる最中にやってきた。
「何やってるの?」
「食パンを焼いてるの。まだあげれないよ」
思ったより、チビ亀田は、あっさり引き下がった。
チンっと、パンが焼けて、しばらくすると、
再びチビ亀田がやってきたので、
「食べてみる?」と聞いてみる。
「うん」と答えたので、
パンをあげると、
「これあげる」と、
今度はチビ亀田が、
ぎゅっと手に持っていたものを、
私が持っているトレーの上に置いた。
それは、なんの味なのか、緑色の飴ちゃんだった。
試食の仕事をしていて、交換に何かもらうなんてことは、
初めてだった。
思わず、
「え?これ、くれるの?」と聞き返さずにはいられない。
なんでもないかのように、
「うん」と答えるチビ亀田。
なんだ、いい奴じゃないか。
……ひょっとすると、あの亀田三兄弟も、案外いい奴なのかも。
幼稚園児で、亀田三兄弟を、
何故に推し量ろうとする(笑)
★
しばらくすると、
チビ亀田がまた現れた。
「もう1個ちょうだい」と言ってきた。
飴ちゃんをもらったことはもらったけど、それはそれとして。
「ごめんね。沢山の人に食べて欲しいから、1回だけにしてくれる?」
大きな大きなスーパーだと、
そんなモラルを守るより、クレーマーの方が怖いので、
何度でも食べさせろと、
最初のうちに釘を刺されるが、
基本私は、
状況にもよるけれど、
特に子供には、1回だけにしてもらっている。
チビ亀田は、その言葉を理解した。
しかし、簡単には立ち去ろうとはしない。
私の手元にある、
うっかり鞘(?)に収め忘れていた、
パンを切っていたフルーツナイフを、
興味津々で「これ何?」と触ろうとしたので、
慌てさせられた。
「きゃー!触ったらあかん!」……パンチを食らった気分。
さらに、
横の売り物の食パンをじーっと見た後、
急に、
サンドバックを殴るように、
ボコボコと、両手のこぶしで連打しはじめた。
「きゃー!やめて!!食パンが泣いちゃう!?」
……そんな言葉で注意する、私も私だが。
すっかりつまらなくなったチビ亀田は、
ようやく立ち去ってくれた。
その背を見ながら、
「確かに、マスコミのフィルターを通してでは、
見えてこない
飴ちゃんをくれるくらいの優しさが、
亀田三兄弟にもきっとあるんだろうけれど、
やっぱり、好きになれない要素の方が、
きっと上回って多いに違いない。きっときっと、間違いない」
そんな、
幼稚園児から、また改めて確信して。
★
もしも、
チビ亀田が大きくなって、
本物の亀田三兄弟に限りなく近くなって、
同じかたちで再会したら、
私はきっと、もう、「2個目のパン」をあげるしかないだろう。
そんな日が来る前に。
「さっさとなめてしまっておこーっと!」
帰り道、
緑色の飴ちゃんは、サイダーの味がして、
確かにおいしかったけど、
私の舌に
ジュワジュウワジュワっと、
早速、連打を打ってきた。