4月の明石での職場のAさんから連絡があって、朝の30分ほどお茶をしてきた。
5月から産休にはいると聞いていたAさん、今でも仕事を続けていた。
「休み休みなんだけどね。
家でじっとしているくらいなら、
週に一回でも、外に出る口実で、働こうかなと」
頭が下がる。
「ところで、お給料のことなんだけど」
とAさんが言った。
「はい。ちゃんと先月の27日に入ってましたよ」
「でも、それだけじゃなくてね、
アンケートに、名前と住所と電話番号と年齢が、
書かれているのって、
自給とは別に、一枚1000円の報酬があるって知ってるよね」
「知ってましたけど、でも、それって、
銀行に一緒に振り込まれてないんですか?」
「うん。振り込まれずに、手渡しなのよ。
税金の対象外のお金でしょ?あれって。だから」
「うそ!あれ?あたしって、何人書いてもらったんだっけ……?」
「7人。7000円。けっこー、多い(笑)
『ボ』から、取りに来るように、連絡入ってないの?、
っていうか、入れてないだろうなぁ……」
「はい。入っていませんよー。
お互い声は聞きたくないんだから、
それは理解できるから、
でも、それだったらそれで、
メールででも、連絡くれればいいのに!!」
「多分、ほら、稲田さん(ここでは仮名)は、
大阪に引っ越してることになってるじゃない?
電車代のことを思えば、
連絡しても来ないなんて、思っているんじゃないかな。
っていうか、そういうことで、自分に言い訳して、
あえて、連絡していないという……」
「でしょうねぇ……。
意地汚いかもしれないけれど、金額の問題じゃなくて、
欲しいですね……その報酬」
私が、おじいちゃん、おばあちゃんたちと、
世間話をしたあと、
唐突にアンケートの内容を聞きはじめた時の、
いくつもの悲しげな表情が目に浮ぶ。
その報酬が、
『ボ』の仕事における(といっても、喫茶店とかに入ってんだろうけど)、
ガソリン代やもろもろの経費に、
すりかわっていくのが、なんか、悔しい。
『ボ』とは、二度と会いたくないが、悔しい。
Aさんが、提案を出してくれた。
「私が稲田さんからメールを貰った際、
この報酬の話が出て、
可能ならば、私がお金を預かって、
渡せないか聞いてみますね」
なんだか、無理っぽいなぁと思いつつ、
「すいません。そしたら、
『六月に入りましたけどお仕事辞めたんですか?』という、
ところから、メールが始まって……みたいに言って、
聞くだけ聞いてみてください。
無理なら無理で都合つけて、
そちらに行くようにしますので。
はい。最終的には、開き直ります」
と、答えて、
あとは、相変わらず、変な、
『ボ』の奇行ぶりを、
「さぶさぶさぶ~!!!」と、
鳥肌をたてながら聞いていた。
Aさんのおなかの赤ちゃんは、男の子らしい。
生まれたら、絶対お祝いをあげようと思った。
そのためにも、7000円。
『ボ』の経費になるくらいなら、
生まれてくる、赤ちゃんの為に使いたいです。
5月から産休にはいると聞いていたAさん、今でも仕事を続けていた。
「休み休みなんだけどね。
家でじっとしているくらいなら、
週に一回でも、外に出る口実で、働こうかなと」
頭が下がる。
「ところで、お給料のことなんだけど」
とAさんが言った。
「はい。ちゃんと先月の27日に入ってましたよ」
「でも、それだけじゃなくてね、
アンケートに、名前と住所と電話番号と年齢が、
書かれているのって、
自給とは別に、一枚1000円の報酬があるって知ってるよね」
「知ってましたけど、でも、それって、
銀行に一緒に振り込まれてないんですか?」
「うん。振り込まれずに、手渡しなのよ。
税金の対象外のお金でしょ?あれって。だから」
「うそ!あれ?あたしって、何人書いてもらったんだっけ……?」
「7人。7000円。けっこー、多い(笑)
『ボ』から、取りに来るように、連絡入ってないの?、
っていうか、入れてないだろうなぁ……」
「はい。入っていませんよー。
お互い声は聞きたくないんだから、
それは理解できるから、
でも、それだったらそれで、
メールででも、連絡くれればいいのに!!」
「多分、ほら、稲田さん(ここでは仮名)は、
大阪に引っ越してることになってるじゃない?
電車代のことを思えば、
連絡しても来ないなんて、思っているんじゃないかな。
っていうか、そういうことで、自分に言い訳して、
あえて、連絡していないという……」
「でしょうねぇ……。
意地汚いかもしれないけれど、金額の問題じゃなくて、
欲しいですね……その報酬」
私が、おじいちゃん、おばあちゃんたちと、
世間話をしたあと、
唐突にアンケートの内容を聞きはじめた時の、
いくつもの悲しげな表情が目に浮ぶ。
その報酬が、
『ボ』の仕事における(といっても、喫茶店とかに入ってんだろうけど)、
ガソリン代やもろもろの経費に、
すりかわっていくのが、なんか、悔しい。
『ボ』とは、二度と会いたくないが、悔しい。
Aさんが、提案を出してくれた。
「私が稲田さんからメールを貰った際、
この報酬の話が出て、
可能ならば、私がお金を預かって、
渡せないか聞いてみますね」
なんだか、無理っぽいなぁと思いつつ、
「すいません。そしたら、
『六月に入りましたけどお仕事辞めたんですか?』という、
ところから、メールが始まって……みたいに言って、
聞くだけ聞いてみてください。
無理なら無理で都合つけて、
そちらに行くようにしますので。
はい。最終的には、開き直ります」
と、答えて、
あとは、相変わらず、変な、
『ボ』の奇行ぶりを、
「さぶさぶさぶ~!!!」と、
鳥肌をたてながら聞いていた。
Aさんのおなかの赤ちゃんは、男の子らしい。
生まれたら、絶対お祝いをあげようと思った。
そのためにも、7000円。
『ボ』の経費になるくらいなら、
生まれてくる、赤ちゃんの為に使いたいです。