日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

報酬の使い道。

2006年06月05日 | お仕事な日々
4月の明石での職場のAさんから連絡があって、朝の30分ほどお茶をしてきた。

5月から産休にはいると聞いていたAさん、今でも仕事を続けていた。

「休み休みなんだけどね。
家でじっとしているくらいなら、
週に一回でも、外に出る口実で、働こうかなと」

頭が下がる。

「ところで、お給料のことなんだけど」
とAさんが言った。

「はい。ちゃんと先月の27日に入ってましたよ」

「でも、それだけじゃなくてね、
アンケートに、名前と住所と電話番号と年齢が、
書かれているのって、
自給とは別に、一枚1000円の報酬があるって知ってるよね」

「知ってましたけど、でも、それって、
銀行に一緒に振り込まれてないんですか?」

「うん。振り込まれずに、手渡しなのよ。
税金の対象外のお金でしょ?あれって。だから」

「うそ!あれ?あたしって、何人書いてもらったんだっけ……?」

「7人。7000円。けっこー、多い(笑)
『ボ』から、取りに来るように、連絡入ってないの?、
っていうか、入れてないだろうなぁ……」

「はい。入っていませんよー。
お互い声は聞きたくないんだから、
それは理解できるから、
でも、それだったらそれで、
メールででも、連絡くれればいいのに!!」

「多分、ほら、稲田さん(ここでは仮名)は、
大阪に引っ越してることになってるじゃない?
電車代のことを思えば、
連絡しても来ないなんて、思っているんじゃないかな。
っていうか、そういうことで、自分に言い訳して、
あえて、連絡していないという……」

「でしょうねぇ……。
意地汚いかもしれないけれど、金額の問題じゃなくて、
欲しいですね……その報酬」

私が、おじいちゃん、おばあちゃんたちと、
世間話をしたあと、
唐突にアンケートの内容を聞きはじめた時の、
いくつもの悲しげな表情が目に浮ぶ。

その報酬が、
『ボ』の仕事における(といっても、喫茶店とかに入ってんだろうけど)、
ガソリン代やもろもろの経費に、
すりかわっていくのが、なんか、悔しい。

『ボ』とは、二度と会いたくないが、悔しい。

Aさんが、提案を出してくれた。

「私が稲田さんからメールを貰った際、
この報酬の話が出て、
可能ならば、私がお金を預かって、
渡せないか聞いてみますね」

なんだか、無理っぽいなぁと思いつつ、

「すいません。そしたら、
『六月に入りましたけどお仕事辞めたんですか?』という、
ところから、メールが始まって……みたいに言って、
聞くだけ聞いてみてください。
無理なら無理で都合つけて、
そちらに行くようにしますので。
はい。最終的には、開き直ります」

と、答えて、
あとは、相変わらず、変な、
『ボ』の奇行ぶりを、
「さぶさぶさぶ~!!!」と、
鳥肌をたてながら聞いていた。

Aさんのおなかの赤ちゃんは、男の子らしい。
生まれたら、絶対お祝いをあげようと思った。

そのためにも、7000円。

『ボ』の経費になるくらいなら、
生まれてくる、赤ちゃんの為に使いたいです。

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