日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

ぬいぐるみを抱いて。

2008年04月30日 | お仕事な日々
パンのお仕事。
エコバックをもらったところのメーカーさんの。
ちなみに、この前書いた、
100万人(10万人ではありませんでした・笑)キャンペーンの
食パンではございません(すでに達成されていました。よかったよかった)。

ございませんが、
マフィンの食べ方を広く伝えるというものだったので、
エコバックに描かれている、
あのクマなのか、犬なのか、うさぎなのか、
よくわからない
(すいません……。
あのキャラの絵本が好きな人たちには謝っておきます・笑)、
キャラクターのぬいぐるみが、
ディスプレイとして飾られていて。

「お昼休みの時は、
このぬいぐるみたちは、バックに下げてください(盗まれるので)」

と、朝、メーカーさんに言われたので、
休憩時、
飾っていた台から、
この二匹のぬいぐるみを抱きかかえた。

瞬間、ひどく愛おしい感情が……!!
な、なんじゃこりゃ~!!

あふれんばかりの愛しさが、
機械的に込み上げてきて、動揺した。

涙が出てきそうになって、怖くなった。

     ★

前々からわかっていたけれど、
やわらかくて小さいものを抱くと、
否応なく愛おしさが込み上げてくる。

母性というよりは、
人間の本能的なものですよね。
きっと男性でも溢れ出る感情だと思うんだけど。

だけど私は、
その理屈抜きの
お約束事のように溢れてくる感情が、
受け入れられない。

なので、
親戚や友達の赤ちゃんをお披露目されても、
抱っこだけは、遠慮させてもらっている程、
やわらかくて小さいものには、警戒心を抱いているのだが。

擬似の「生き物のようなもの」である、
ぬいぐるみにまで、思わせられるとは。

それまでかわいいとは思っていなかった
(すいません。謝っておきます。ファンの人)、
この二匹に、
すざましく愛情を注ぎたくなる。

あぁ、私を壊すものは、ナイフでもなんでもない。
むしろこんな、小さくてやわらかなもの。

この無条件さが、どうしてもダメ。

見る分や、撫でるぐらいなら、
普通なんだけど、
抱くのは、胸が潰れてしまいそうになる。

そのひどい愛おしさの先に、
自分の中にある、
虐待の芽を見て、怯える。

     ★

ぬいぐるみは、私が休憩の間、
スーパーの事務所に保管してもらうことになった。

そこへ行き着くまでに、会うパートさん達は、
みんな、
「いやっ!かわいい~!!」と、
目を細める。

「かわいいですよね」と言って、
私はニコニコしながら答える。

答えながら、
自分の
人間としての、女としての、
キャパの狭さを思っていた。

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