日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

最後の最後で間に合う夫。

2005年10月12日 | 夫との日々
休みだけれど、気になることがあるので、会社に行きたいと言ってた夫を、お昼に起こす。

が、めんどくさくなったらしい(そりゃそうだ)。

やめて、
お風呂に入って、散髪に行く、という。

ならちゃっちゃとやってくれ、と思うのだが、
寝だめというか寝すぎのからだは、
なかなか目覚めないらしく(そりゃそうだ)。

お昼に起こして、から始まって、
お茶ちょうだい~お風呂湧かして……まで、
しぶしぶ従っていたが、
ぐずぐずされると、いらいらしてくる。

ハードに働いているのは、わかっていても、
「おまえ、それは性格だろ」ってところも
見え隠れして、
しかし、線引きするのは、難しく。

夕方になって、
私が夕方のウォーキングへ行く準備をし始めたとたん、
戸締り確認を避けたくて、
ようやく夫は、
だらだら見ていたTVを消して、出て行った。

なんか、ずるい。
というか、コドモ。

     ★

晩ご飯ぐらい一緒に食べれるかと思ったけれど、
規則正しい生活をしているお腹は、
そんなに待つことはできず、
夜八時には先に食べ始めた。

こりゃ、散髪の後、
ゲーセンで麻雀の対戦ゲームしてるな。

ということが、手に取るようにわかる。

洗い物を終わらせて、
カッターにアイロンをかけたり、
とれかけたボタンをつけたりして、
帰りを待つ。

にしても、アイロンと裁縫。
消極的に、サービスをアピールしているよな、
と、自分を客観視する。

が、しかしそんな
ささやかな自己アピールが終わっても、
帰ってこないので、
まだ、宵の口の10時だったが、
家中の電気を消して、布団に入る。

う~ん、今度は転じて、
ささやかな抗議に入っているぞ(笑)

     ★

少しうとうととし始めた頃、
夫が帰ってきた。

「せめて、9時には帰ってきていただけません?
それか、もう少し、早めに家を出て、ぶらぶらしていただけません?」
と、むかつきながら言う。
眠りかけてから起きると、こうなるわな、と
自分を野放し。

「まぁ、鬼嫁なんで、
一緒に居たくないのも、わかりますけどねー」と、
毒まで吐いたのは、言いすぎ(笑)

びびった夫は、
最初に渡そうと思ってた(らしい)
ハーゲンダッツのカップを、
私に渡しそこねた。

晩ご飯を食べて、TVを見つつ、
麻雀の対戦成績の話をして、
ほぐれたところを見計らって、
「ほれ、新種類やで」と、
くれた時には、少々溶け始めていた。

歯も磨いたし、
この時間に冷たいのを食べ始めるのは、
胃によくないかも……と、
思っているのは、サスガに言えない。

「へー、クラッシックショコラねぇ」
と言って、
本当は夫のヘーゼルナッツのほうがいい、
なんて言えずに、食べ始める。

……なんか、胃が驚き気味……。
というのは、
なんとなく感じたけれど、
クラッシックショコラに罪はなく。

おいしくいただいた。

     ★

さらに、2、3時間後。

熟睡モードに入ってたとは思うが、
胃から腸にかけて、
遠くからの足音みたいに、
シクシクシク……と痛みがきて目覚める。

トイレに行ってみたけれど、
どうにもならず。

もどって布団の中にもぐったが、
遠くからの足音は、だいぶ近づいてきていて、
また、トイレへ。
しかし、またどうにもならず。

もう一度、布団にもどって、
遠くからやってくる足音を、
今度はじっとしてやり過ごそう、と思ったけれど、
それはもはや、足音とは言えず。
激しい交響曲で、
胃と腸を踏んづけてくるではないかいな。

そして上へと駆け上ってくる衝動。

口に手を当てて、
あわてて、キッチンへ走る。

が、シンクに顔を突っ込んでも、
なかなかすっきりとはいかず、
空砲のように、口からCO2が出るばかり。

背中をさすって欲しいと思うけど、
夫はどこまでも熟睡中。
気づいてくれない。

     ★

痛いせいなのか、寂しくなったのか、
よくわからないけれど、
とにかく涙を流しながら、
ハーゲンダッツのクラッシックショコラの色をした、
どろどろしたものを吐く。

そのままキッチンに、お腹を抱えて寝転がる。

「そういえば、保険証、
会社が作り変えるからと、持っていったきりじゃないか。
いつ手元に戻ってくるんだろう」

と、
普段は気にしないようにしている不安材料が、
頭の中に押し寄せてくる。

あぁ、辛気くせぇ、胃酸くせぇ……、と
思っているところで、
ようやく夫が、びっくりした様子でやって来た。

     ★

「もう、全部吐いて、終わってるから……」と、
言いながらも、

別のところは、
最後の最後で、間に合いましたな、と、
胸の中でつぶやく。

寝床に座り込むと、
ブルっと震え、鳥肌が立った。

「さぶっ!」と言ったら、
「寒いんか!?」と言って、
夫は私を寝かしつけ、上布団をかけた。

「……?温いが、重いぞ」と思ったら、
夫は自分の分も重ねてかけてくれていた。

「あのねぇ、それじゃあ、あんたが風邪ひくでしょう」
と言って、
起き上がって、夫に上布団をかけ返したときには、
彼はすでにガーガーと寝ている状態で。

どうもイマイチ、
噛み合わないコミュニケーションだが、
仕方がない。こういうもんだ。

チクチク痛いお腹を撫でつつ、
負けず劣らず安眠す。

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5 コメント

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リアルだ… ()
2005-10-13 19:55:06
おお。

リアルに己を見ているようだ…^_^;

ささやかな自己アピールも、ささやかな抗議も。

先に食べてしまうのも、寝てしまうのも。

っていうか、帰ってこなかったりしますからね!うちの場合!

(ここでキレるな…あたし)



クラッシックショコラも、いつかおみやげとして手渡された気がします…。



でも、ぜんぶ本音と冷静な視点とを書いてるから、

読んでいておもしろい。

ふつーにこういう出来事書かれたら、こっちが憂鬱になりそうだもん。

て、おもしろがっていいのでしょうか・・・という不安もありますが。



ちなみに、私は精神的疲労がまず胃に出ます。

吐かないけど胃痛がはじまる。<これは某職場時代。うふ。



とにもかくにも、胃腸が無事でありますよう。

風邪かな?
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ふたりの自分が互いに見つめあっている。 (いなだっち)
2005-10-14 09:13:09
こういう状態に置かれた時って、

「ふたりの自分」が出てきませんか?

そのふたりの自分が、

互いの自分を見詰め合っているという感じ。



ここで書いた側面は、

今、私は、カルシウム不足のように、

コミュニケーションが不足しているので、

(案山子を人と見間違える位ですから・笑)

栄養補給の為に、

そこを軸にして書いた訳です

(ここで書くことは、人に話す行為に近いですから、

精神的に補えるわけです)。



コミュニケーション不足を補うために、

オンナオンナ的行動や感傷に

陥っていく自分が、なんだか面白いと、

もうひとりの自分が思っている。



自分でも、おもしろいと思っていますから、

ぜひ、おもしろがって読んでくださいってもんです。

だはっ!



     ★



でね、

もうひとりの自分、

つまり、コミュニケーション不足を、

気にしない自分はね、

こう思っていたんですよ。



例えば、ひとりでごはん食べていることも、

TVのチャンネル争いをせずに見れているから、

(特にこの時は大好きな、

所さんの『笑ってこらえて・吹奏楽の旅SP』

を見てたから)

「今は帰ってくるな!」と思っていましたし、



アイロンやお裁縫なんて、

せずにすむなら、絶対しませんから、

多少卑屈な動機でも、

「今は内面を重視するな。

普段したくないと思っているものを、

したくなっている時は、素直にやれ!!」

と、プライドを低く設定して、やる。

やれるときに、やっとけ、私って感じ(笑)



ハーゲンダッツにしたって、

昔は、「お土産」という行為で、

相手に気持ちを示すという表現すら、

知りませんでしたから、

(自分は貰うのが普通でも、

不思議と、自分がそれを相手に対して行うって、

思いつかなかったようです)

まず、その行為を覚えてもらえたこと自体、

今は嬉しいので、

たとえクラッシックショコラでも、

たとえ溶けかかってても、

今のところはいいのです。食べてあげます。



ながく夫婦をやることで、

最終目標は、

「どっちがいい?」と聞いたり、

「歯も磨いたから、明日食べるわ」

と言っても、拗ねないように、

教育したいと思っていますがね(笑)



     ★



結局、このふたりの自分の共通項は、

相手に対する要求ばかりです。

二律背反的というか、わがままというか。



おそらく欲しいのは、

私の予想外なコミュニケーション。

彼のオリジナルなコミュニケーション。

それは、私から教えられない、

ジレンマというか、

パラドックスなものを要求しているのです。



ですから、ハーゲンダッツは、

昔の彼からすれば、ありえないことでしたし、

ふとんも自分の分までかけてくるとは、

思いませんでしたから、嬉しいのです。



おもしろがってくれて、ありがとう。

これからも、おもしろがってください(笑)
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後日談。 (いなだっち)
2005-10-14 09:34:36
そうそう。

多少ひくお話かもしれませんが、

私はバカウケしたので、

この話の後日談を書いておきます。



このことの翌日(13日)に彼が

教えてくれたのですが、

真夜中に、

私がトイレに行ったり来たりしている時、

彼も実はぼんやりと気がついたのだそうです。

が、

体調不良だと思わずに、

ひとりで快楽を貪っていると、

思ったらしいです(笑)



「ど、どうしよう、つ、妻の秘密を知ってしまった……」



と、妄想に駆られ、



「これは、気づかないフリをするのが、

思いやりってもんだ……」



と、ドキドキしていたんだそうです。



ま、確かに、荒い息遣いをしていましたが、

あほちゃう、と思ってしまいました(笑)



また、

シンクで、ゲロってる(失礼!)

のを気づいたとき、



「あれ!ち、違うの!

どうしよう、起き上がるタイミングが、

わかんないぞ!」



と、内心慌てふためいて、

でも、なかなかお布団に戻ってこないから、

薄目で、キッチンのほうを見たら、

倒れていたから(っていうか寝転がったんですが)、



「どうしよう!俺、明日からどうしよう!」



と、私の心配をする前に、

自分のこれからが、

一瞬にして、わかんなくなったんだそうです。



話を聞けば聞くほど、

アホな雑種犬みたいだと、笑ってしまいました。
返信する
アホな雑種犬 ()
2005-10-14 18:32:58
後日談も、笑わせて頂きました。

「妻の秘密」て!

でも、ご主人の思考回路に沿っていくと、

それはそれでほぼ納得できちゃうね。

とてもおかしいのだけど。



途端に心配したのがじぶんの身だったことは、特に納得しちゃった。

土壇場になると意外に思考だけどんどん進んでしまうもの。

あとから聞くと「アホな雑種犬」なんだけどね。あは。



でも、夫婦の間ってそういうすれ違いに満ちているよねぇ。

なんとなくこのズレ加減がじぶんちと似てる気がしたけど、

よくよく考えたら、うちは逆かも。

アホな雑種犬は私のような…。



まあ、それは置いといて。

     ★

私もね、そんなときは大抵、

じぶんがふたり出てくるんです。

ふたりで見つめあい睨み合い、時に闘い、そして話し合って、

へらへらと振舞う私がいる。へらへら?(笑)。

でも、殊に旦那のことになると、出てこないんだよ~。

甘えなんだろうね。けっきょく。



かといって、文句タラタラゆったり、泣き喚いたりもできなくて、

ムカムカひとりで怒ってるんだわ。



だから、いなだっちのアイロンがけのとこ読むまで、

私も多く、そういう動機でアイロンがけ始めていたこと、無自覚だったの。

恐ろしいほど客観視できてないよねー。

こんなんじゃウタも書けんよ。

でもアイロンがけってさ、

やってるうちにきぶんよくなっちゃわない?



とにもかくにも、いなだっちの教育が、

これからもうまくうまくいくこと、

ここでこっそり応援しています。

きっと私は、教育されながら。





ちなみに『笑ってこらえて・吹奏楽の旅SP』見てたよ!私も。

感動してたよ。

特に見るつもりなかったんだけど、

知ってる学校が出てたからついのめりこんでたん。
返信する
すれ違いと教育と「笑ってこらえて」 (いなだっち)
2005-10-15 10:48:34
>でも、夫婦の間ってそういうすれ違いに満ちているよねぇ。



本当に……。

他人からすれば、笑えることなのに、

自分ちのことのすれ違いは、

意外と笑ってない(笑)←わらってるじゃんか。



>でもアイロンがけってさ、

やってるうちにきぶんよくなっちゃわない?



そう?袖とかをね、

かけている時、

裏返したら、

さっきかけたところに、

またシワ作ってるってことない?



もっと、効率的に出来ないかなぁ~と、

いつもイライラしちゃう。



だったら、

「花まるマーケット」とか見て、

研究しろって話なんだけれど、

そこまで追求心もなく(笑)



結局、いつもやり始めてからも、

イヤイヤやってる(笑)



>とにもかくにも、いなだっちの教育が、

これからもうまくうまくいくこと、

ここでこっそり応援しています。

きっと私は、教育されながら。



六年かかって、やっと

「お土産」を覚えたんだから、

あと何年かかることやら(笑)



でもね、こういうのって、

歌会の点数とコメントについて、

いろいろ考えるのと同じだと思う。



気持ちの表現手段には、

どんなものがあるのか、

また、自分がどんなテンションかってことや、

相手がどんな気持ちか、

そのリアクションはどんな風なのが多いのか、

そういうものに合わせて、

決めていけて、

受け入れられたり、られなかったりする。



意表を突きたい気持ちから始まって、

やがて、そのときそのときの気持ちを

表現するための方法として用いていく。



年をとるごとに、

ナチュラルに解き放ち合えるようになれば、

いいのですがね。



教育は、私もいつの間にか、

どこかの部分がなされている気がします。

無自覚ですが、なんとなく。



>ちなみに『笑ってこらえて・吹奏楽の旅SP』見てたよ!私も。

感動してたよ。



よかったよね~。

「吹奏楽の旅」と「新体操の旅」だけは、

外せない、外したくない私です。
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