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創造の魅力

機械設計者としてのものづくりの魅力を共通のテーマとしていろいろな人と語り合う場を造って行きたいと思っています

設計者とデザイナーの違い

2006-04-05 10:16:40 | Weblog
 設計者とデザイナーは直訳すれば同じ意味となりますが、使われる言葉の意味としてはかなり異なるイメージがあります。デザイナーは美術と結びつくことがあり、どちらかといえば視覚に訴える作品を企てる人と私は解釈しています。
 つまり、デザイナーは図形化したものでその真価を問われますが、設計者は必ずしも図面を描かなくとも設計者としての評価があります。むしろ、図面化するまでの過程が設計者として重要と考えられます。

 デザイナーのイメージに近い機械設計者でいえば構造設計者が相当すると考えられます。しかし、構造設計は理論的な計算に裏づけされた機械構造物を設計するため、視覚を最優先するデザイナーとは異なる点があります。
 デザイナーの世界ではモニュメントのようにアンバランスの美というものがありますが、人が住む建物や機械構造物にはムダで不安要素となります。バランス設計という言葉は視覚的なイメージでいわれますが、理論的な裏づけのある構造物は視覚的なバランスもよく、バランスを考えた造形物に関しては構造設計者とデザイナーに共通するところであるといえます。

 最近は美術対象としての建築構造物が注目されるにしたがって、建築士(建築設計者)よりも、建築デザイナーのほうが脚光を浴びる時代になっているようです。
さらに自動車や家庭電化製品などの大衆製品もデザイン重視傾向となっていますので、機械デザイナーも現れても良い時代と考えられます。
 しかし、いくらデザインがよい建築物や機械製品でも、機能・性能そして、強度が保証された構造物でないと美しい製品が凶器に豹変することになりかねません。

 視覚的要素の高いデザイナーと違って、設計した製品を使用してみないと技術価値がわからない機械構造設計者は、地味な存在でありますが、あるべき姿、存在価値は建築士と同様に非常に重要であると考えています。

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