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創造の魅力

機械設計者としてのものづくりの魅力を共通のテーマとしていろいろな人と語り合う場を造って行きたいと思っています

読んで判る機械設計(5)ワッシャーとカラー

2007-10-24 11:42:25 | Weblog

 ワッシャーは和訳すれば座金ですが、一般的に座金と呼称するのはボルト・ナットにセットするものを呼称することが多いようです。ボルト・ナットに使われる座金はJIS規格で寸法・形状が決められていますが、ワッシャーと呼称されるものは自由設計された寸法・形状のものです。

 機械製図でワッシャーの寸法表示する場合は(厚み)―(外径)×(内径)の順番で表示します。カラーは円筒形状のもので、主に軸に装着した部品間のスペーサーとして使用されます。機械製図でカラーの寸法表示する場合は(外径)×(内径)―(長さ)の順番で表示します。いずれも、企業によっては社内基準で加工法を規定して上記寸法表示を指示するだけで製作図面を省略する場合があります。 カラーの長さを短く外径を大きくすればワッシャーとなり、長さを長くすればパイプ(管)となります。その呼称の境界となる寸法・形状はありませんので、あくまで用途によって呼称が変わるといえます。いずれの用途でもワッシャー、カラーは機械要素部品に分類されるもので、強度、剛性はあまり必要とされませんので、材質はSS400相当品が多く使用されています。  

 ボルト・ナット用座金の規格品は板材からプレスで打ち抜き加工で製作されます。大量生産によって低価格で市販されていますが、板材の厚さは生産されている規格寸法で決まってきます。板の厚さは圧延加工の寸法精度で、表面はプレス加工による変形やかえりが見られます。

  機械要素として使用するワッシャーは構造上で厚さ、外径、穴の径などの寸法精度が要求されるとともに、変形のない部品が要求されるため、一般的に機械加工で製作することが多くなります。 産業機械用と用いられるワッシャー、カラーは多種少量で、加工単価が割高となるため製作コストをできるだけ安価にする工夫が大切です。

 一般的にはコスト削減のために標準寸法を決めて部品の共通化を図って種類を少なくするとともに、仕込み生産でまとめて製作する方法も考えられています。最近は標準的な寸法・形状の加工品で表面処理を施したものまで1個単位で安く販売している企業がありますので、それらのカタログに提載された寸法・形状に合わせた設計をする方法もあります。市販品の利用は要素部品の製作コストの低減だけでなく、図面作成時間削減に伴う設計コストの削減にもつながります。



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