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松本潤くんを応援しています。

読売新聞劇評&演劇ぶっく「観劇予報」レビュー

2011-11-08 01:16:01 | あゝ、荒野

【読売online 2011年10月31日】↓クリック

河村常雄の劇場見聞録 あゝ、荒野

<見>歌人であり映画監督でもあった劇作家・寺山修司の長編小説を夕暮マリーが脚色。
蜷川幸雄が演出した。書き手、演出家も魅力的だが、主演が松本潤、小出恵介という二大人気スター。
都心を離れた劇場が、超満員である。
1960年代の新宿・歌舞伎町らしきところが舞台。ボクシングに青春を燃やす2人の若者、
無頼の新宿新次(松本)と吃音のバリカン建二(小出)の友情と悲劇を描く。
蜷川は、今や死語となりつつある「レコード」や完全に死語となった「トルコ風呂」などの赤いネオンサイン群を
背景に使い、タンゴや演歌で観客を揺さぶりながら、売春婦のうごめく昭和のラブホテル街に誘う。
そしsて、若手人気俳優を使うのがうまい。

松本は自信に溢れるエネルギーと怒りを内面からぶちまける。
瑞々しくかっこいい。
小出は、新次とは対照的に内向的で対人恐怖症的な青年を丁寧に作り上げている。
新次は寺山の憧憬であり、建二は寺山自身であったのだろうか。
寺山の短歌を舞台両側に表示して、寺山ワールドを印象付ける演出もいい。

それが功を奏して、松本と小出の2人のリング上での死闘は圧巻。
リングは孤独の荒野となった。
ラストで蜷川は時代を現在に引き戻す。寺山の描く青年の孤独は今も変わらない。
休憩を挟んで3時間15分、長く感じる暇はなかった。
新次の金を盗む芳子の黒木華やコーチの勝村政信、スーパーの社長の石井愃一らも好演した。
29日所見。
――11月6日まで。11月13日から12月12日まで青山劇場 


演劇ぶっく 観劇予報

松本潤の『あゝ、荒野』レビュー&インタビュー

この扱いを待っていたんです・・おなじく蜷川×寺山作品、事務所の先輩の「森田くん」主演の「血はたったまま・・」

それは制作発表からずっとあったのに、「あゝ、荒野」はやっと(#`-_ゝ-)・・・・・

だから昨日昼に更新(11・7 4時)を確認してすぐみました!!

松本潤の『あゝ、荒野』レビュー&インタビュー より
「新宿新次の松本潤は絞り込んだ体で派手なアロハと白スーツを
 かっこよく着こなし、
 刹那的な中にも生きる野心と欲望、そして闘うエネルギー秘めて、
 実に魅力的。
 
小出恵介はバリカンという吃音者のもどかしい心と言葉を詩と拳にたくす青年で、
  いつも居どころを探し続けているような思い詰めた眼差しが哀しい。

 

  この2人が、夜の公園でジャングルジムに登り、星を見ながら語り合う場面は美しく切ない。
  そんな青春の瑞々しさを衒いなく描き切る蜷川演出の若さに圧倒される作品である。」

 

・・そう、ネタバレですが・・・この第2幕のラストが大好きです
劇でも・・・本当に
美しい、そして結末を知ったものには、なんとも切ないシーン

(下手バルコニー席だと、目線の高さが近くなって、もう絵画の世界でした)

 



寺山修司の長編小説を演出家・蜷川幸雄が舞台化した『あゝ、荒野』の公演が始まっている。10月29日~11月6日は彩の国さいたま芸術劇場で公演して、そのあと青山劇場で11月13日~12月2日というロングランである。

 


この作品は1966年に出版された寺山修司の小説を、今回、初めて舞台化したもので、昨年2月の『血は立ったまま眠っている』と同様に寺山ならではの叙情性の中で、
戦後という荒々しい時代に生きた若者の青春を描き出している。

 

舞台は昭和の「架空の新宿」がけばけばしいネオンで再現され、その猥雑な街を彷徨していた2人の若者、「荒ぶる魂と強靭な肉体を持て余す新宿新次(松本潤)」と「どもりの青年バリカン(小出恵介)」が、元ボクサーの片目のコーチ(勝村政信)の経営するボクシングジムで出会うところから始まる。奇妙な友情で惹かれ合う2人だったが、どこか彼方へと誘われるようなバリカンの魂が、ついには新次との死闘を呼び寄せることになる。リングに上がる2人……。

そして、その2人と交差する人々、街娼や自殺研究会の大学生、金持ちの人生失敗者などが行き交う世界は、寺山らしいレトリックと毒に満ちている。


 

新宿新次の松本潤は絞り込んだ体で派手なアロハと白スーツをかっこよく着こなし、刹那的な中にも生きる野心と欲望、そして闘うエネルギー秘めて、実に魅力的。

小出恵介はバリカンという吃音者のもどかしい心と言葉を詩と拳にたくす青年で、いつも居どころを探し続けているような思い詰めた眼差しが哀しい。

この2人が、夜の公園でジャングルジムに登り、星を見ながら語り合う場面は美しく切ない。そんな青春の瑞々しさを衒いなく描き切る蜷川演出の若さに圧倒される作品である。


 


 

この舞台の初日朝にフォトコールと蜷川、松本、小出の囲みインタビューが行なわれた。


 

【囲みインタビュー】
 

ーー今日は初日ですが、見どころは?

蜷川 2人が4回戦を闘うんですが、そこは本物のリングを買ってちゃんとセットに使ってるんです。


 

ーーネオンがいかにも新宿らしいですね。

蜷川 ネオンの洪水にしようかなと。僕らは60年代、寺山も一緒にああいう光景の中で生きてたからね。

 
ーー松本さんたちにとってああいう新宿は?

松本 僕の中では昔の写真とか眺めてセピア色な感じがあるんですが、今回はビビッドですね。その時代を僕ら2人が生きるというのはすごく新鮮です。

 

ーー60年代なのでその工夫は?

小出 やっぱり寺山さんの原作をよく読むしかないですね。

松本 自分たちの知らない時代ですから写真とか資料とかでイメージを膨らませてました。

小出 新宿のゴールデン街に飲みに行きました。松本くんも、皆さんも一緒に。

松本 写真を撮ってもらったんです。チラシに写ってるのがそうです。

小出 つまみが柿ピーしかなくて(笑)。それをつまみに飲んでました(笑)。


 

ーー2人の役作りの姿をどうご覧になってましたか?

蜷川 よくやってます。ボクシングの稽古をよくやってたし。この2人がえらいのはどんなにたいへんでも音を上げない。

小出 こんなときしか言わないんですよ。

松本 (小出に)せっかく誉めてくれてるのだから、もうちょっと聞こうよ(笑)。

蜷川 肉体的にもたいへんだし、台詞の数も多いしたいへんなんですよ。でもよくやったね。だてにアイドルやってない(笑)。


 

ーー痩せましたね?

松本 絞りました。体重だけで一番多いときより5キロくらい。

小出 僕も頑張りました。でも快楽主義者なので(笑)食事とか行っても控えるものと控えないものとあるんです。油物は一切とらないんですが、僕はどうしても美味しいものに目が行ってしまって、今日くらいいいかなとか(笑)。

 


ーー試合のシーンもありますしたいへんですね。

小出 もう、ばっちんばっちんです。

松本 信用してやるしかないです。ずっと練習してきたので信用してます。

小出 かなり容赦ないんですよ、この人は。ボディって実際に殴り合ってるんですけど、たまにロウブロウが入るとがーんと(笑)。一回止まりました。容赦ないです。

松本 実際入るとかなり目つき変わりますね。僕もやられてます。なんか一応殺陣があって段取りがあるんですが、たまに段取りじゃないのを出すんですよ。

小出 すごいイラッって顔になる(笑)。

松本 ちょっとしたパンチでもかなりくるんです。


 

ーー蜷川さんは今回恐い、厳しい、優しい?

松本 優しい、ですかね。

小出 僕は1回やらせてもらってますが、前より厳しいです。容赦ないです(笑)。遠慮ないです。けちょんけちょんです。チビ、デブとか(笑)。昨日ゲネ中にだめだしされました。もっと鬱屈しろ、すっきりするな!って。でも難しいんですよ。久方ぶりにものを投げたかったらしいです(笑)。

蜷川 そう。投げてやろうかなと(笑)。こいつはラクをしようとして手を抜くからね。そうすると某朝ドラみたいな(笑)。

小出 今度、それに出るんですけど(笑)。

ーーそんなに絞られて変化しましたか?

小出 周りがバリカンにしか見えないと言ってくれてます。松本くんも哀れで泣けてくると。

松本 うん、可哀想ですね

小出 2人でやるシーンが少ないんですよ。だから感動もひとしおで、思い入れがある。ジャングルジムのシーンとか。

松本 あそこ2人だけじゃないですか、だからぐっとくるんです。


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ーー泣けますか?

松本 涙は出す役ではないんですが、内心はぐっときてます。

蜷川 小出はときどき泣いてます(笑)。ハナ垂らして。

小出 ぐちゃぐちゃです(笑)。ダメですね、台詞が出なくなるから。


 

ーー台詞も難しいですね。

小出 難しいんです。何言ってるかわかってないとか。いやそんなことないですけど(笑)。危ない、危ない(笑)。詩のような感じなので。

松本 ここ1カ月くらい稽古させてもらって、ふだん色々なことをやらせてもらってますけど、本当にレベルの高いことをこの現場では求められていたと思いますし、ここで1カ月間稽古できたのは贅沢な時間でした。これから本番は楽しんで、時間を大切にして過ごしたいなと。


 

ーー嵐のメンバーは?

松本 来ると言ってました。全員というのは断りました(笑)。さっき「初日おめでとう」というメールが、それは櫻井(翔)からです。

ーー最後に意気込みを。
松本 寺山さん独特の綺麗で恐いというか、狂暴なところもある作品で、そんな寺山さんの作品を蜷川さんが演出する。感覚で味わってもらえるのが一番いいと思うので、楽しんで観てもらえたらと思ってます。

蜷川 僕が思ってたよりずっといいんで、ほっとしてます。

小出 いまこの年齢でしかできない役だなと思います。20代でパワーもまだ残ってるし、今、この作品に出会えたのが嬉しいです。


 


『あゝ、荒野』

原作◇寺山修司

演出◇蜷川幸雄

出演◇松本潤、小出恵介、勝村政信、黒木華、渡辺真起子、村杉蝉之介、江口のりこ、月川悠貴、立石涼子、石井愃一 他

●10/29~11/6◎彩の国さいたま芸術劇場大ホール

●11/13~12/2◎青山劇場

〈料金〉S席10500円 A席9500円

〈問合せ〉Bunkamura 03-3477-3244(10時~19時)

http://www.bunkamura.co.jp

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