金融王に俺はなる!

経済関連のニュースについて色々語ります

回転寿司 進むファミレス化

2018-04-26 11:25:28 | 商品・サービス
近年、スシローやくら寿司などの大手回転寿司チェーン店では、寿司以外のメニューにも力を入れるようになっています。ラーメン、ハンバーグ、ポテトフライ、スパゲティ、アップルパイ、パフェなど、もはや寿司屋という枠を越えてファミリーレストラン化しているという印象を受けます。このように、大手の回転寿司チェーンがサイドメニューを充実させているのは、大きく分けて三つの目的があるという事です。

“ファミレス化”のメリットとは?
サイドメニューを充実させることで、普段の外食ではファミレスを中心に利用する客層も取り込むことができる。魚嫌いの子どもを連れているファミリーにもアピールできるはずだ。
寿司ばかり食べていては飽きてしまうという客も、サイドメニューが充実し、料理の幅が広がるとあれば、次に来店する楽しみが増え、リピーターの増加につながる。客離れを食い止めるのにも一役買いそうだ。
また、低価格の回転寿司チェーンでは寿司ネタで特色を打ち出すことは、実は難しい。しかし、サイドメニューであればわかりやすい差別化が可能になる。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-00050084-yomonline-bus_all


そして、回転寿司店には原価率を高くしてもやっていけるという大きな強みがあります。一般的な飲食店では、原価率を概ね3割以下に抑えないと経営が成り立たないと言われています。そんな中で、回転寿司は原価率が3割以上のお店が多いです。例えば、マグロやイクラなどは原価率が7~8割と極めて高くなっており、すなわち価格100円の寿司ならば70~80円が材料費という事です。実際、業界最大手のスシローでは、全体の原価率はおよそ5割に上っています。

多くの回転寿司店では、シャリを自動で握る専用の機械が導入されており、寿司を握った事の無いアルバイトでも簡単に対応できるようになっています。また、商品は基本的にベルトコンベアに乗せて自動で運ばれるので、接客がほぼ必要ありません。つまり、回転寿司店はファミレスなどに比べて、料理人や従業員の数が大幅に少なく済む体制になっているという事です。こうした事情から、回転寿司は原価率を高く設定できるのです。

関連リンク:主な外食メニューの原価率一覧

2016年度の売上高は、業界1位のスシローが1477億円(前年比8.5%増)、2位のくら寿司が1136億円(7.9%増)、3位のはま寿司が1090億円(8.0%増)と、上位3社はいずれも8%程度の高い伸び率となっています。コスパに優れているうえ、メニューが豊富とくれば、回転寿司の人気が高まるのも当然でしょう。

とはいえ、2016年のファミレスの市場規模は1兆3198億円で、回転寿司は6055億円と、倍以上の差が付いています。しかし、今後は回転寿司店がファミレス客を取り込んで、更に市場規模を拡大していく可能性もありそうです。