こんにちは、GL-Worksです
ヤフオクやメルカリでエンジンの出品をしています(^^)
前回のオイルポンプに続いてクラッチのお話です。
ボアアップして馬力の上がった車両は純正のクラッチでは能力が足りず滑りが出てきますので、
強化クラッチを導入する必要が出てきます。
クラッチはいくつか種類がありますがまず最初に大きく2つに分けると
一般的なマニュアルのバイクと同じように操作するマニュアルクラッチと、
カブやシャリー、一部の年式のモンキーなどに搭載されている、クラッチレバーの操作が不要な「自動遠心クラッチ」
があります!
それぞれのメリット・デメリットは、
・マニュアルクラッチ
→メリット
クラッチのタイミングを手動でコントロールできるため、
発進時に高回転をつかって勢いよく発進したい時や、ギアを一気に2速落としたり細かな操作が可能。
自動遠心クラッチに比べて軽量なためエンジンレスポンスが良い(回転数の上がり下がりが素早い)
→デメリット
自動遠心クラッチに比べて左手の使用頻度が高い。(普通のバイクと同じ)
・自動遠心クラッチ
→メリット
クラッチ操作が必要なく、ギアを一速に入れてスロットルを開けるだけで発進できるので走り出しや信号待ちが楽。
走行中スロットルを戻してシフト操作するだけでひとつ上か下のギアに変速できる。
特にカブはウィンカースイッチが右手側にあるため左手がフリーになる。
→デメリット
マニュアルクラッチに比べて繋がりがやや弱い、滑りやすい。
重量が重いためレスポンスが少し劣る。
構造が複雑なためマニュアルクラッチより許容回転数が低い。
(キットにもよるが、マニュアルは12000rpm、遠心は10000rpmっていうイメージ)
私は遠心クラッチで14000rpmくらい回して、遠心力でクラッチがバラバラに弾け飛んで
破片がクラッチカバーを突き破ってオイルダダ漏れになった事もありますよ!
そして更にマニュアルクラッチの中には1次クラッチと2次クラッチが存在します。
それぞれクラッチの取り付け位置が違います。
1次クラッチはノーマルのモンキーやカブのようにクラッチ本体がクランクシャフト右側に付きます。
2000-5000rpmというような低い回転数域でもしっかりトルクが出ますので発進が楽です。
クランクシャフトについている為、回転に重みがでて、走行時の向かい風や登り坂で負けにくい粘り強いエンジンになるため、
最高速も伸ばしやすいですが、許容回転数が低いのとレスポンスが悪いです。
「ゔ~~~ん↑ ん~~~ん↓」って感じで、二次クラッチになると「ゔぃ~↑ ~んっ↓」って感じですかね?笑
ニュートラルでの吹け上がりレスポンスが悪いということは、
ギアを繋いだときにそれ以上のスピードで回転数が上がるワケがないので、ある意味それが加速の限界になってきます。
続いて2次クラッチですが、
2次クラッチが純正で採用されているのはベンリーCD90で、クラッチがミッション側についているためクランクシャフトがその分軽くなり、
レスポンスが鋭くなります!
また、クランクシャフトの回転に比べてミッション側の回転数はかなり低い為、高回転時のクラッチへの負荷は格段に減る構造になります。
ただ、5000rpm以下のトルクはほぼなくなり実用回転域ではなくなりますので、発進には気を使いますし燃費も悪くなります!
二次クラッチに変更したらエンジン左側についているフライホイールも軽量のものに変更する必要があります!
軽量アウターローターと調べると武川製やデイトナ製のものが出てくると思いますよ!
詳しくは別の記事にしますが、デイトナ製のレーシングアウターロータがおすすめですね!
専用のCDIも付いてきます。
なぜ変更が必要かというと、
クラッチがいなくなったクランクシャフト右側にはほとんど何も重りが付いていませんが、左側には純正の重たい(1kgくらいの)フライホイールが付いているわけですので、左右のバランスが非常に悪くなってしまうからです。
最悪エンジンの鋭いレスポンスにフライホイールの重さがついて行けず、クランクシャフトがネジ切れるなんて話もあります!
知り合いでも経験者がいますので、信憑性は高いですよ
さて、長くなってしまいましたが部品選びのお話です。
まず、強化遠心クラッチではメジャーなところでいうとキタコ製と武川製があります。
以前はJUNインターナショナルさんも強化遠心クラッチを出していて、個人的には一番良かったのですが残念ながら廃盤のようです
キタコ製は軽いイメージがあります。クラッチが繋がる回転数も2000rpm以降くらいなので、少しエンジンが勢いづくと同時に繋がってくれて出だしが軽いイメージがありますね!
能力的にも、ノーマルヘッド88ccまでなら問題ないと思います!
私はレギュラーヘッド(ビッグバルブヘッド)に変更したときに高回転域で滑りの症状が出てきました!
武川製はキタコ製よりもやや重いイメージがあります。つながる回転数も1500rpm前後で、アイドリングでもちょっと進んでしまう
(車のクリーピング現象みたいな感じです)ような感覚があります。
エンジンのパワーが出てくる少し前から繋がってしまうので出だしがほんの少しもたつく感じはしました。
ただ、伝達能力は強く武川Rステージ scut106ccでも結構持ちこたえるので、
88ccビッグバルブヘッドを超える仕様であれば武川製を選んだほうが良いと思いますね!
私はカブの遠心クラッチを中心に経験してから2次クラッチにステップアップしましたので、
モンキーの1次クラッチについてはフィーリング等の詳細は説明できませんが、
武川製、キタコ製、デイトナ製あたりがメジャーだと思います。
遠心クラッチに比べて各社差は出にくいと思いますので、
使用する強化オイルポンプのメーカーと同じもので統一すると間違いないかと思います!
オイルポンプとクラッチの間のクリアランスはやや狭いので、メーカー違いによる干渉リスクを避けるためですね!
2次クラッチ選びは基本的にはミッション選びとセットになってきます。
キタコ製の5速ミッションを使用する(予定がある)ならキタコウルトラクラッチ、
武川製の5速ミッションを使用する(予定がある)なら武川スペシャルクラッチ
というふうになると思います。
武川製のほうがよく見かけるのでメジャーだと思いますね!
私は1速は2次クラッチとの相性もありローギアのほうが好きでキタコ製の5速ミッションタイプ3というものを好んで使用していましたので、
クラッチもキタコウルトラクラッチでした(^^)
武川スペシャルクラッチは5枚ディスク、キタコウルトラクラッチは4枚ディスクなので武川製のほうが伝達能力は高そうですが、
106cc 4バルブヘッド tdmr32キャブで 15000rpm 最高速はgps計測で120km/h まで回しても全く滑る気配が無かったので、
18馬力くらいまでに対しては十分な能力なんだと思います(^^)
そうなるとディスク枚数が少ないほうがクラッチが軽くなりますので、よくよく比較すると武川製よりもキタコ製のほうがレスポンス良かったりしますよ
今回も情報を詰め込んで長くなってしまいました
混乱すると思いますが役に立ちそうでしょうか?
次回はジェネレータとフライホイールの説明をして行こうと思っています
ではみなさん、良き4miniライフを~