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こんにちは、GL-Worksです!

これからチューニングしようという方々の僅かな助けになれれば良いと思い、色々と解説していきたいと思います!

強化クラッチ!のお話

2023-08-12 08:26:05 | 腰下

こんにちは、GL-Worksです

ヤフオクやメルカリでエンジンの出品をしています(^^)

 

前回のオイルポンプに続いてクラッチのお話です。

ボアアップして馬力の上がった車両は純正のクラッチでは能力が足りず滑りが出てきますので、

強化クラッチを導入する必要が出てきます。

 

クラッチはいくつか種類がありますがまず最初に大きく2つに分けると

一般的なマニュアルのバイクと同じように操作するマニュアルクラッチと、

カブやシャリー、一部の年式のモンキーなどに搭載されている、クラッチレバーの操作が不要な「自動遠心クラッチ」

があります!

 

それぞれのメリット・デメリットは、

・マニュアルクラッチ

 →メリット

クラッチのタイミングを手動でコントロールできるため、

発進時に高回転をつかって勢いよく発進したい時や、ギアを一気に2速落としたり細かな操作が可能。

自動遠心クラッチに比べて軽量なためエンジンレスポンスが良い(回転数の上がり下がりが素早い)

 →デメリット

自動遠心クラッチに比べて左手の使用頻度が高い。(普通のバイクと同じ)

 

・自動遠心クラッチ

 →メリット

クラッチ操作が必要なく、ギアを一速に入れてスロットルを開けるだけで発進できるので走り出しや信号待ちが楽。

走行中スロットルを戻してシフト操作するだけでひとつ上か下のギアに変速できる。

特にカブはウィンカースイッチが右手側にあるため左手がフリーになる。

 →デメリット

マニュアルクラッチに比べて繋がりがやや弱い、滑りやすい。

重量が重いためレスポンスが少し劣る。

構造が複雑なためマニュアルクラッチより許容回転数が低い。

(キットにもよるが、マニュアルは12000rpm、遠心は10000rpmっていうイメージ)

私は遠心クラッチで14000rpmくらい回して、遠心力でクラッチがバラバラに弾け飛んで

破片がクラッチカバーを突き破ってオイルダダ漏れになった事もありますよ!

 

そして更にマニュアルクラッチの中には1次クラッチと2次クラッチが存在します。

それぞれクラッチの取り付け位置が違います。

 

1次クラッチはノーマルのモンキーやカブのようにクラッチ本体がクランクシャフト右側に付きます。

2000-5000rpmというような低い回転数域でもしっかりトルクが出ますので発進が楽です。

クランクシャフトについている為、回転に重みがでて、走行時の向かい風や登り坂で負けにくい粘り強いエンジンになるため、

最高速も伸ばしやすいですが、許容回転数が低いのとレスポンスが悪いです。

「ゔ~~~ん↑ ん~~~ん↓」って感じで、二次クラッチになると「ゔぃ~↑ ~んっ↓」って感じですかね?

ニュートラルでの吹け上がりレスポンスが悪いということは、

ギアを繋いだときにそれ以上のスピードで回転数が上がるワケがないので、ある意味それが加速の限界になってきます。

 

続いて2次クラッチですが、

2次クラッチが純正で採用されているのはベンリーCD90で、クラッチがミッション側についているためクランクシャフトがその分軽くなり、

レスポンスが鋭くなります!

また、クランクシャフトの回転に比べてミッション側の回転数はかなり低い為、高回転時のクラッチへの負荷は格段に減る構造になります。

ただ、5000rpm以下のトルクはほぼなくなり実用回転域ではなくなりますので、発進には気を使いますし燃費も悪くなります!

二次クラッチに変更したらエンジン左側についているフライホイールも軽量のものに変更する必要があります!

軽量アウターローターと調べると武川製やデイトナ製のものが出てくると思いますよ!

詳しくは別の記事にしますが、デイトナ製のレーシングアウターロータがおすすめですね!

専用のCDIも付いてきます。

 

なぜ変更が必要かというと、

クラッチがいなくなったクランクシャフト右側にはほとんど何も重りが付いていませんが、左側には純正の重たい(1kgくらいの)フライホイールが付いているわけですので、左右のバランスが非常に悪くなってしまうからです。

最悪エンジンの鋭いレスポンスにフライホイールの重さがついて行けず、クランクシャフトがネジ切れるなんて話もあります!

知り合いでも経験者がいますので、信憑性は高いですよ

 

さて、長くなってしまいましたが部品選びのお話です。

まず、強化遠心クラッチではメジャーなところでいうとキタコ製と武川製があります。

以前はJUNインターナショナルさんも強化遠心クラッチを出していて、個人的には一番良かったのですが残念ながら廃盤のようです

キタコ製は軽いイメージがあります。クラッチが繋がる回転数も2000rpm以降くらいなので、少しエンジンが勢いづくと同時に繋がってくれて出だしが軽いイメージがありますね!

能力的にも、ノーマルヘッド88ccまでなら問題ないと思います!

私はレギュラーヘッド(ビッグバルブヘッド)に変更したときに高回転域で滑りの症状が出てきました!

武川製はキタコ製よりもやや重いイメージがあります。つながる回転数も1500rpm前後で、アイドリングでもちょっと進んでしまう

(車のクリーピング現象みたいな感じです)ような感覚があります。

エンジンのパワーが出てくる少し前から繋がってしまうので出だしがほんの少しもたつく感じはしました。

ただ、伝達能力は強く武川Rステージ scut106ccでも結構持ちこたえるので、

88ccビッグバルブヘッドを超える仕様であれば武川製を選んだほうが良いと思いますね!

 

私はカブの遠心クラッチを中心に経験してから2次クラッチにステップアップしましたので、

モンキーの1次クラッチについてはフィーリング等の詳細は説明できませんが、

武川製、キタコ製、デイトナ製あたりがメジャーだと思います。

遠心クラッチに比べて各社差は出にくいと思いますので、

使用する強化オイルポンプのメーカーと同じもので統一すると間違いないかと思います!

オイルポンプとクラッチの間のクリアランスはやや狭いので、メーカー違いによる干渉リスクを避けるためですね!

 

2次クラッチ選びは基本的にはミッション選びとセットになってきます。

キタコ製の5速ミッションを使用する(予定がある)ならキタコウルトラクラッチ、

武川製の5速ミッションを使用する(予定がある)なら武川スペシャルクラッチ

というふうになると思います。

武川製のほうがよく見かけるのでメジャーだと思いますね!

私は1速は2次クラッチとの相性もありローギアのほうが好きでキタコ製の5速ミッションタイプ3というものを好んで使用していましたので、

クラッチもキタコウルトラクラッチでした(^^)

武川スペシャルクラッチは5枚ディスク、キタコウルトラクラッチは4枚ディスクなので武川製のほうが伝達能力は高そうですが、

106cc 4バルブヘッド tdmr32キャブで 15000rpm 最高速はgps計測で120km/h まで回しても全く滑る気配が無かったので、

18馬力くらいまでに対しては十分な能力なんだと思います(^^)

そうなるとディスク枚数が少ないほうがクラッチが軽くなりますので、よくよく比較すると武川製よりもキタコ製のほうがレスポンス良かったりしますよ

 

今回も情報を詰め込んで長くなってしまいました

混乱すると思いますが役に立ちそうでしょうか?

次回はジェネレータとフライホイールの説明をして行こうと思っています

ではみなさん、良き4miniライフを~


ジェネレーター&フライホイール!のお話

2023-08-12 08:26:05 | 腰下

こんにちは、GL-Worksです

ヤフオクやメルカリでエンジンの出品をしています(^^)

修理、チューニング、エンジン製作等、現在小規模ならではの柔軟さで対応しています!(^^)

興味がある方は是非メールください

glworks.motors@gmail.com

 

今回は12V車向けのジェネレーターの配線や社外アウターローターのお話になります~

ジェネレーターはたくさんのコイルの周りを磁石付きのお皿(フライホイール)が回転することによって車両に必要な電気を発電する部分ための部分で、エンジン左側のカバー内、クランクシャフトの左側についています。

ジェネレーター周りは主にヘッドライトの点灯やバッテリーの充電、プラグを点火するための発電、点火のタイミングを検知するためのピックアップセンサー、クランクシャフトの重り(フライホイール)等の役割を果たしています

取り外しにはフライホイールプーラーとユニバーサルプーリーホルダーが必要になってきますよ!

Amazonでどちらも1500円くらいで買えると思います(^^)

お近くの2りんかん、NAPS、ライコランド、南海部品などでも購入可能だと思いますよ

 

 

フライホイールのお話から。

ジェネレーターを交換する理由として一番多いのは、フライホイール軽量化によってレスポンスの向上をはかるためだと思います!

ただ、1次クラッチを使用する場合、特に遠心クラッチ車両は気をつけてくださいね!

軽量アウターローターを取り付けることによって間違いなくレスポンスは良くなりますが、

クランクシャフト左側のみの軽量化ですので左右のバランスが悪くなると言われています。

それに経験上、加速は少し良くなりますが最高速は結構落ちますよ。

確か88ccビッグバルブヘッドのときに、ジェネレータをノーマルから武川スーパーストリートアウターローターに変更したら

最高速が105km/h→90km/hくらいに落ちたと記憶しています。

100cc以下の仕様でしたら1次クラッチのままデイトナ製のミドルウェイトアウターローターくらいがバランス良いと思います!

発電量もノーマル同等ですし、レスポンスや加速も少し向上するとおもいますよ(^^)

100ccを超える仕様でしたら2次クラッチの取り付けと同時に軽量アウターローターに変更するのが良いと思います

その場合は私はデイトナ製のレーシングアウターローターがおすすめです

武川のものより若干重量は重いですが、フライホイールの径が武川よりも小さいのでレスポンスはほとんど変わらない上、

少し重い分、高回転域で粘り強いイメージがあります。

武川は2回購入し、二回ともコイル断線しましたが、デイトナ製はそういうことは経験しませんでした(たまたまかな?)

 

お次にジェネレータ(配線)関係のお話です。

さて、エンジンから出ている配線というのは、基本的にすべてこのジェネレーターから来ている配線になりますので、

ジェネレーターの各配線の役割を理解しておくと、年式違いのエンジンを流用したり6v車両を12v化たり、社外のジェネレーター(アウターローター)を取り付けしたり、全波整流化をする際に大きく貢献することと思います。

 

↓ LED化と全波整流化はこちらで解説しています。

https://blog.goo.ne.jp/glworks/e/93b8b632579b6cd56d450f80fe523f0e

 

基本的には110型の6極というタイプのカプラで接続します。

カプラもAmazonで購入可能です(^^)

ジェネレータから出ている配線は主に6本です。

①黄色  → ヘッドライト点灯用のコイル

②白   → バッテリー充電用のコイル

③黒二赤 → 点火発電用のコイル(この配線のみカプラーではなく単独でギボシ接続です。)

④青二白 → ピックアップセンサー(点火タイミング用センサー)

⑤緑   → アース(①②③④用のアース)

⑥緑二赤 → ニュートラル信号

※年式や車種によって桃色の配線もありますが、これはトップギアインジケータやリミッター用の配線なので、

不要であれば接続する必要はありません!

セル付き4速ロータリーの車両や3速ロータリーのプレスカブについていたりします。

 

 

ちなみに、エンジンの回転数が上がれば上がるほど発電電圧も上がってしまうため、

ヘッドライトの電球が飛んだり、バッテリーを痛めたりしないためにレギュレートレクチファイヤ(レギュレーター)という部品で電圧が上がりすぎないように制御しています(^^)

なので、バッテリーが充電されなくなったときは単にバッテリーの劣化というケースも多いですが、

回転数を上げるとヘッドライトが暗くなるなどの場合はレギュレータの交換を行うと直るケースが多いですよ(^^)

レギュレータの故障に気づかずに何度もバッテリーを交換してはもったいないので

 

以上、ジェネレータ周りの基本的なお話でした!

全波整流化のお話もしたいのですが、長くなってしまうので次回にします!

お疲れ様でした~


強化オイルポンプ!のお話

2023-08-12 00:43:51 | 腰下

こんにちは、GL-Worksです

前回ボアアップの解説と、各種キットの簡単なインプレをしました。

なるべく簡単に書いたんですけど分かりづらくなかったでしょうか?

今日は腰下のチューニングの全体像が見えてくるような解説をしていきたいと思います(^^)

 

エンジンで腰下というと、クランクケース、そこに収まっているミッション、クラッチ、オイルポンプ、クランクシャフト、ジェネレータあたりを指します。

チューニング度合いによって変更が必要になって来る場所がありますので一つずつ役割と部品選びの話をしていきます。

 

まずはオイルポンプですが、オイルをエンジン全体に輸送するためのポンプです。

カブ系エンジンにおいてオイルは全体の冷却と金属同士が擦れ合う場所の潤滑の役割を果たしています。

ボアアップすることによって発熱量も大きくなりますし、ピストン面積も大きくなるので、

オイルポンプをより容量の大きいもの(強化オイルポンプ)に変更することによってオイルの流れを強めて補っていくことになります!

75cc程度では過酷な環境下で使用しない限りはオーバーヒートするかどうかは微妙なラインだと思いますが、

間違いなく変更するに越したことはないと思いますね!

オイルポンプはクラッチの裏側に位置していますので、交換にはクラッチを外す必要があります。

クラッチを外すためにはエンジン右側のケースを開ける必要があり、ガスケットの取り替えも必要になってきますので、

二度手間にならないように強化クラッチの導入と同時にやってしまいたいところですね

 

オイルポンプ自体の取り外しには特に特殊工具は必要ないですが、

その前にクラッチを外す必要があり、クラッチの取り外しには専用の

「クラッチセンターロックナットレンチ」と、「ユニバーサルプーリーホルダー」が必要になってきます(^^)

どちらもアマゾン等の通販で購入可能で、2りんかん、NAPS、南海部品、ライコランド等のショップでも取り扱っていることが多いです

細かく言えば作業にあたりオイルを抜く必要もあるので、オイルの受け皿なども用意しておく必要があります

 

オイルポンプ自体の部品選びですが、メジャーなのはキタコ製、武川製ですかね。

キタコさんは特にスーパーオイルポンプとハイパーオイルポンプを各種販売していて、

100cc以下の車両にはスーパーオイルポンプ、

100cc以上の車両にはハイパーオイルポンプを推奨していますので、

紛らわしいので購入時には気をつけてくださいね(^^)

それと6V用と12V用では互換製が無いので気をつけてください!

取り付けは可能ですがオイルの通る穴の構造が若干違い、

例えば6V用のクランクケースに12V用のオイルポンプを使用するとクランクシャフトにオイルが行かなくなり、

数キロですぐに焼き付きます!そうなるとクランクシャフトの変更も必要になってきて大変ですよ!←経験済み

オイルポンプに使用するガスケットも6vと12vでは異なります。

12v用のガスケットは抜きが多く、6vは丸い穴が何個か開いているような感じですね。

 

基本的には使用するボアアップキットと同じメーカーのものを使用するのが一番良いかとは思います。

各社オイルポンプを開発するに当たって当然自社のボアップキットで試験をしていると思いますので(^^)

ただし、私はメーカーの違うオイルポンプを使ったからと言って故障した経験はありませんね(^^)

オイルポンプは製品によってオリフィス穴の拡大加工を推奨しています。

拡大加工をやらなくても良いという方もいますし、意見が分かれるところではあります。

個人的にはビッグバルブヘッドを使用する場合は必ず拡大したほうが良いと思いますが、

ノーマルシリンダーヘッドでは拡大しなくても焼付き等の経験は無かったですね

 

オイルポンプによって押し出されたオイルは、

1. クラッチカバー内部を介してクラッチセンター部に入り、クラッチの回転によって汚れが分離され、その後クランクシャフトの芯を通りクランクシャフトの中心まで運ばれてクランクシャフトの回転によってコンロッドやピストンの裏側の冷却、シリンダーの潤滑などが行われる

2. オリフィス穴を通りクランクケースを脱出してエンジンスタッドボルトの通り穴を経由しシリンダーヘッドまで輸送されシリンダーヘッド右側カバーを中継しカムシャフトの芯を通りカムシャフトの回転によってヘッド内部を冷却とカムシャフト自体の潤滑を行い、カムチェーンが入っている空間を通りクランクケースに戻る

という2つに別れる動きをしています!

なので、オイルポンプの能力とオリフィス穴の径によってオイルのどれくらい割合が1のルートへ行くかが決まります。

 

そして一度拡大されたオリフィス穴は元には戻りません。

オリフィス穴が拡大されたクランクケースに純正のオイルポンプを使用してしまうと、

オイルの圧力が下がることによってオリフィス穴での抵抗が少なくなり、

クランクシャフトの方にオイルが回りにくくなる可能性が高いですので、

ノーマルのオイルポンプには戻せないと思って頂いたほうが良いかなと思います。

ただ、ボアアップしていない50ccの車両で強化オイルポンプを使用しても別に問題は無いと思うんですけどね(^^)

 

ちなみにオイルクーラーを取り付ける場合は、排気量問わず必ずオイルポンプを強化品に変更したほうが良いと思います。

 

お疲れ様でした!

オイルポンプに関して抑えておくべきところはこんなところではないかと思います!

情報量が多くて疲れると思いますが、役に立ててもらえると嬉しいですね(^^)

次回はクラッチの話をしていきます