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難しい地名

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ユーロ消滅

2019-01-31 16:14:33 | 日記
記忘庵日誌2019・1・30 荻野源吾
ユーロ消滅?
 イギリスは紳士・淑女の国として大方の日本人は捉えている。なるほど大英帝国の歴史を誇ってきた国、そのマナーなど個人的には優れた教養を身に着けてきた民族と言えるかもしれない。
しかし国際政治ではその「狡猾さ」はつとに知られている。石油利権巡るイランでの王室傀儡化や第一次世界大戦で日本に対独戦を促したりなどはその一例にすぎない。イギリスに留学した人たちはその「狡猾さ」は賢さからくるのでなく、案外行き当たりばったりの行動様式があると分析している。
今回のブレグジット(Brexit-ユーロ離脱のこと)でもこの行動様式を示している。
このユーロ離脱騒ぎ。一体イギリスは何がしたいのかよくからないというのが世界の受けとであろう。そこにはユーロ圏を揺さぶりにかけてあわよくばイギリスの金融センターの地位を堅持しようとするイギリスの魂胆が見えているというのが世界の経済界の受け止めである。これがイギリス流の狡猾さである。

イギリスがユーロを離脱するのか。すぐ前にはギリシャの財政危機がユーロの足を引っ張るということでひと騒ぎしてきた。いよいよイギリスの離脱が第二の引き金となってユーロは消滅するのか。

ぶり返す歴史とはいえまずこれはあり得ない。折角築かれた「ヨーロッパの一体感」は損なわれない。なぜなら当初11カ国で始まった欧州連合(欧州石炭鉄鋼共同体→欧州経済共同体EECを経て)が今やヨーロッパ諸国28カ国余りを包含するに至っている。国境の壁を除き、ユーロの共通貨幣(\euro―19カ国使用)の共同体としての意識、その便宜が各国の連帯を余儀なくして来ているといえる。これはすでに今後の国際社会のモデルとして活きている。いずれイギリスもそのことを悟るであろう。
問題は今このユーロ圏をリードするドイツの「メルキァヴェッリ」(マキァヴェッリ主義に対してドイツのメルケル首相の手法をもじっている)がどう動くか。単に権力論ではなく、世界リスク社会への挑戦となり、かつ緊縮政策による締め付けでなく債務国への理解と南北格差の解消などによる民主主義の進展がなされるかに期待が寄せられている。(参考・ウルリッヒ・ベック著・島村訳「ユーロ消滅―ドイツ化するヨーロッパへの警告」岩波書店2013)
ドイツ人は勤勉なだけにギリシャ国民が怠惰に映るのかも知れない。しかしドイツは移民を最も受け入れたりして今メルケルは奮闘しているとも思われる。
ドイツはどこまで忍耐できるか。イギリスの狡猾さとドイツの忍耐力の対峙。完

かぎろひ ロマン

2019-01-08 16:14:21 | 日記
記忘庵日誌2019・1・1荻野源吾
かぎろひ ロマン
「平成の時代」が間もなく終わる。今年の四月、新元号の公表とか。
平成は予測された通り少子高齢化で人口減少社会となった。かつ格差と貧困が想像以上に拡大した社会でもある。
これに政治の方向と個人の生き方などが十分に対応してきているかと言えば甚だ心もとない。あと10年以内に持続可能社会への筋道の明暗がわかれてくるとAIは予測する。いずれ「生き方」をかえねば一極集中の旧来型システムはリスクとなる。
ここ大宇陀は街の中心の広い土地に立派な「こども園」があり、「阿騎野の湯」の温泉や万葉の丘や又兵衛桜などの観光立地にも恵まれている。

   
        万葉の丘から見るかぎろひ           西の空を見上げれば傾く月
ゆったり、ほっこりした牧歌的な雰囲気は住みやすさの条件を整えている。 
   江戸時代の薬問屋
古くは四国松山藩から士族が城作りで出稼ぎに来てそのまま住みついたと言われる松山の旧市街地や城跡も残されている。 
贅沢で便利な暮らしより不便でも自然の中で豊かに暮らすには最適である。

しかし目下のところ他の田舎のように高齢化社会で過疎地である。伝統建築群も保存されているがどこの店も暇そうである。人がいない。しかしいずれここがあかるい未来をはぐくみ、若者が住み着く里山になるものと、「かぎろひ」を観ながら祈った。寒冷の朝であったが万葉の人も同じ場所、同じ時間に「かぎろひ」を観ていたであろうと当時を偲び古代のロマンに浸ることは心楽しく豊かなひと時であった。

宇多松山城址
「かぎろひ」は冬の寒冷で済んだ空気に輝く。前日雨が降っていたらそれが蒸発し好条件となる。これは四方海に囲まれた内陸部の寒暖差のある日本ならではの現象か。いわば日本のオーロラ。奈良県大宇陀の昨年の「かぎろひを観る会」は旧暦の2018年12月23-24日 に予定されたが、生憎曇り空模様。(持統6年<692>の旧暦11月17日に柿本人麻呂が詠んだこの秀歌を偲ぶ) 毎年恒例イベントで今回第47回目となりました。私は天候に併せて一日ずらした。成功。

   ひむがしの・・・・             丘から眺める霜おく里

お酒の飲み方

2018-12-17 17:59:21 | 日記
記忘庵日誌 2018・12・4 荻野源吾
お酒の飲み方
 お酒にまつわる話、つまり酒談義は枚挙にいとまがない。 
 特に酒にまつわる失敗談や有名人の逸話、全国の銘酒の紹介などはよく目にする。

 俳人協会会員で「藍生」(あおい)主宰の黒田杏子(くろだももこ)氏の「手紙歳時記」という随筆に暉峻康隆(てるおかやすたか)氏(早稲田大学教授・近世文学、俳号「桐雨」)との交遊が記されている。
 その中で杏子氏が暉峻氏の現代俳句大賞の授賞式でスピーチした時、「大宗匠(桐雨のこと)より常に心に銘じて行動せよ」と言われてきたこととの言葉を紹介している。         伊賀上野城石垣

「➀仕事は十年単位で取り組め。二、三年でまとめた仕事はロクなものがない。②俳句しかわからないケチな人にならない。③歳時記は一つの手がかり。五感を働かせて実体験を大切に。④日本酒のたしなみ方、―イ.上等の酒を ロ. 常温で ハ.上品に。」
「つまり中年過ぎたらほんもののいい酒を冷やさず熱くせず常温でゆっくり愉しむ事。これが大切。・・・・少年時代から八十年飲み続けてきた私の意見です」

 私は糖尿なので焼酎かそれ以上の蒸留酒である沖縄の泡盛(日本最西端、与那国の離島の応援の意味で産地直送)を愉しんでいる。従って日本酒では糖質ゼロ以外他はあまり飲まない。たまさかに大吟醸も口にする。
しかしこれからは今までより分量を下げて杏子氏に紹介された桐雨氏の言に従い赤秋(老年期のことー仲代達也)酒を楽しみたいと考えている。了2018年初冬

―但しいつまで飲めるかは糖尿のコントロール次第。明日お酒とも人生ともお別れかも。「解かっちゃいるけどやめられぬ。」-これはケースワークの相談援助技術の支援の基本論なのです。当事者の気持ちはよくわかるね。「そだねー(2018流行語大賞)」。

鉄砲異聞

2018-12-10 07:17:33 | 日記
記忘庵日誌 2018・11・25  荻野源吾
鉄砲異聞
 当時「鉄砲」は「鉄炮」と書かれた。火縄銃の時代、この字句の方が実感がわく。鉄炮の伝来は「1543年(天文12年)8月26日に南蛮船が種子島西之浜海岸に漂着したポルトガル人がもたらした」というのが定説になっている。

 しかし漂着日は25日、その数は三ではなく二丁、その鉄炮の伝授は友好の印として贈られたものではなく買い取ったものであるとか、その他遭遇時の人物や出会いの場などで幾多の相違点がある。(鉄炮記記述―徳永系図との相違点)
 特に漂着ではなく、当時の倭寇が海上での台風にあったと詐称して、実は交易を求めたのではないかとの推理はかなり信憑性が高い。

 ポルトガル人の混ざった倭寇がいて、玉鋼の技術を持っていた当時の砂鉄のある種が島、黒色火薬の原材料となる硫黄と木炭は自給できた。あと硝石のみが無く、王直を頭目とする倭寇集団はこれを日本に売りつけるのが狙いではなかったかと言われている。これこそが鉄炮伝来の目的ではなかったのかと。

 こんな話も伝えられている。根来や雑賀衆、そして大友宗麟や足利将軍、信長への鉄炮・火薬の伝播ルート。火薬欲しさに最初寛容であった信長は、キリシタン禁令に傾いた。このとき神の教えを説きに来ていたイエズス会は信長と対立、陰で光秀を操り本能寺の変を起したのではと言われる。威力のある火薬を用いた鉄炮のこと、信長の遺骸は毛髪一本残さずに吹っ飛んだ。これが信長の本能寺の変の後の所在探しになり、謎の生死像を作り上げたのではないかと思われる。今ならDNA鑑定も可能だが。なるほどもっともな話ではないか。
 歴史とはかくも謎に満ちた数奇な物語を生むことにもなる。

 今「西郷(せご)どん」ブーム。西郷南洲の蟄居した奄美大島。大島の現地の人たちの思いは沖永良部の人たちの満面の賛意とは少し違うという。島の妻、愛加那は西郷の死を知り、唾したともいう。複雑な哀惜と怨念の交差か。
 また上野の西郷像を見た糸夫人は、自分の主人とは違う。似ていない。浴衣姿では犬連れて散歩などしなかった。などと語ったという。どこに真実があるのか。
 「敬天愛人」に生きたことは間違いないとしても、それは孤島の島流しで愛加那に学んだことが多かったようだ。ともすれば歴史は国家に都合よく西郷像や大久保像を作り上げていく。そして本当の西郷像も所詮勝者に都合よく書かれていることを知らねばならない。
 参考―日高恒太郎「辺海放浪」新人物往来社2009・9・22

地味で真面目な作品ー将棋の世界に新風

2018-10-06 10:07:40 | 日記
記忘庵日誌2018・9・24荻野源吾
地味でまじめな作品―泣き虫しょったんの奇跡
 観て良かった。皆さんにお勧めしたい。
 この映画はノンフィクションのドキュメント。将棋の瀬川五段の実話が原作。
 将棋に興味が無い人、日ごろ洋画や時代劇しか馴染んでいない世代にも十分楽しめる。現代の勝負師、将棋の世界で生きている人の物語。
 奨励会には26歳までに四段に昇格しないとプロになれないという鉄則があった。一旦奨励会を退会してプロを諦めた人、瀬川氏はアマから再度プロへの道を切り開いた開拓者。「しょったん」こと「瀬川昌司」氏は好きなことに打ち込む幸せを願う学校の担任や父親の励ましを受けつつも途中頓挫する。それが勝ち負けを超えた本当に将棋が好きという境地から本来の実力を発揮して将棋の世界に新機軸を打ち立てたと言える。
 娘の知人がこの瀬川氏の兄で偶然この映画を知らされた。恐らくこの偶然が無ければ見過ごしていたであろう。それほどにこの映画は地味ながら含蓄ある映像。静かな対局。耳に残るのは将棋盤の指し手の音とストップウォツチ式の「チン」としいう時計の音。
やはりノンフィクションのドキュメンタリータッチの映画には何かを教えられる。以下は解説―
『泣き虫しょったんの奇跡』(なきむししょったんのきせき)は、将棋棋士・瀬川晶司の自伝[1]、及びその映像化作品である。サブタイトルは『サラリーマンから将棋のプロへ』。
全国中学生選抜将棋選手権大会で優勝して奨励会入りしたが、年齢制限で退会し、大学を経てサラリーマンになって安定を得たものの、アマ強豪としてプロ公式戦に参加して7割を超える勝率を挙げ、多くの人々の支援を得て日本将棋連盟を動かし、規定に存在しないプロ編入試験を実現し、合格するまでの瀬川の前半生を記している。 主役に松田龍平、父親役國村隼、教師役-松たか子、工藤一男-イッセー尾形 藤田守 - 小林薫 など名優が脇役を固めている。
• 豊田利晃監督の20周年記念作品。