～手元という職人～

土木業・造園業などには「手元（てもと）」という名の職人が

います。


あらゆる職業には技術を持った立派な職人さんがいます。

でも、その職人さんを支える人がいます。時には、お母ちゃん

であったり、見習い作業員だったり、後輩社員だったり、ベテ

ランの黒子さんだったりします。


手元とは、その職人さんの手先となって懐で作業の世話をする

人のことです。「ペーペー」だとか「下っ端」とかいってバカ

にしてはいけません。時には手元次第で仕事の成否が決まる時

もあり、段取り補助上手な手元のお陰で利益が生まれることだ

ってあります。



ですから、手元はとっさに頭がキレないといけない、洞察力が

ないといけない、拡縮の視野を持ってないといけない、判断力

に優れていないといけない、作業者全員と良好な関係にないと

いけない、対外的な交渉も渡り合えないといけない、など意外

に高等な資質を要求されるのです。

ですから、デキる会社の手元役の人は、大抵デキる人です。決し

て脚光を浴びることもなく、あまりキレイな仕事もさせてもら

えませんが、見えないところでオニのように努力されています。



そんな人がいるからこそ、業務が成り立っているのです。

もちろん、活躍されている技術職人さんは本当に立派です。た

だ、日陰にもそんな立派な職人がいるということを知っていた

だきたかったのです。