OVER 30 DO THE CAMP

アウトドア/キャンプ/音楽/フェス/買い物/魂の30台もあと一年…

夏の日の1994

2011-05-21 23:06:11 | 日記
1.5kmほど行ったところに真浦というバス停があり、傍には砂浜と水道とトイレがあった。

あまりに絶好のポイントだったので一人で驚いてしまった。

地元のおばさんが歩いてきたので「ここにテントを張ってもいいですか?」ときいてみたところ、

快くOKをだしてくれた。テントを張っていると、さっきのおばさんがトマトを二つ持ってきてくれた。

「今取ったばかりで冷たくないけど・・・」と言って僕にトマトを渡す。

心から「ありがとうございます。」と言って頭を下げた。

「これが一人旅のいいところなんだな」とか、「佐渡の人はやさしいって言うけど本当だ」などと

色々考えながら自然と心が弾んでいた。


トイレの水道でシャンプーをしてから、もう一度街の方に歩きだした。夕飯の買い物のためだ。

インスタントラーメンを買おうと酒店に入ろうとしたその時だ。

中からは小太りの男が出てきて、僕は自然にぶつからないように体をずらした。

しかし、何かが心に引っかかる。「なんだろう・・・?」

その男をもう一度見る・・・・。

「あーーーーっ!!! ジミー大西だ!!!」

今まで一度も芸能人にあったことなどない。初めて間近でみる芸能人が「ジミーちゃん」って・・・。

高鳴る胸をおさえ、ジミーちゃんをよく観察する。(確かお祭りのチラシにゲスト「ジミー大西」と書いてあった。)

ジミーちゃんは全く落ち着きがなかった。(TVと一緒だ。)出たと思ったらまたお店に入って来る。

若いお兄さんたちに「ジミーちゃん、やってる?」と聞かれ、「やってる、やってるう!」と返している。

店の外に出ても同じことを言われて同じように返していた。嫌そうな顔など全くしない。そして落ち着かない。

この人は作っているんじゃなくて、本物の天然なのだろう。

ドキドキしたまま、テントへの帰りを急いだ。「握手ぐらいしてもらえば良かったな。」と少し後悔しながら。




つづく。



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