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クラシック音楽を中心にした音楽評論
カメラ時評ほか

名曲探偵アマデウス リスト「ラ・カンパネラ」

2009-04-04 06:34:58 | Weblog
2009.04.04 Saturday
名曲探偵アマデウス リストの「ラ・カンパネラ」
 クラシックミステリー 2009年4月3日 総合地デジ

  喋りすぎる男 ~リスト パガニーニ大練習曲「ラ・カンパネラ」

 依頼人 大下貞夫(鈴木浩介)
 職 業 アナウンサー
 依頼内容
 この曲にはしゃべりの秘伝が隠されているはずなんです。それを教えてください・・・。
 何としてももう一度スポーツ実況をやりたいんです。お願いします、探偵さん!
 以上が事件ファイルで名探偵が挑む名曲とは
 リスト作曲 パガニーニ大練習曲「ラ・カンパネラ」です。
 ラ・カンパネラはフランツ・リストが作曲した6曲からなる「パガニーニによる大練習曲」の第3番嬰ト短調。Campanellaとはイタリア語で「鐘」を意味する。その名の示すようにパガニーニのバイオリン協奏曲第2番ロ短調作品7、第3楽章のロンド「ラ・カンパネラ」をテーマにして作り上げたものである。
 
 フランツ・リストは結局この「鐘」のまつわる「カンパネラ」を3曲作っているのである。
 最初の曲はイ短調のピアノ作品『パガニーニの『鐘」によるブラヴーラ風大幻想曲』を1832年に作曲している。それから7年後に2曲目の作曲になる『パガニーニの主題による超絶技巧練習曲』の第3番変イ短調とした。この曲でパガニーニのバイオリン協奏曲第1番二長調作品6、第3楽章のロンドの主題も用いているのである。しかしこの曲の主題はパガニーニのものとは、やや違う主題になっている。
 最後の曲である「パガニーニによる大練習曲」の第3曲は今日一番有名になっている嬰ト短調で書かれているものである。嬰ト短調とはなっているが、前曲と異名同音である。
 
 この3曲の「ラ・カンパネラ」の20年にもなる変遷をピアニストの小山実稚恵がその3曲を何度もピアノで弾きながらの解説がとてもよくわかるものでした。実際にはほとんど一般に演奏されない曲なので、非常に珍しいことで、小山実稚恵の実力が大いに発揮されたものでした。
 フランツ・リストがこの曲について、20年にもなる、悩みを抱えていた事に驚きますが、彼は当時の超絶技巧について自問自答した末に演奏家から作曲家に変身した事に興味を持ちます。最初の1曲目はあまりに超絶技巧に走り過ぎていて、ただ見せるだけの曲だった事に気がつき、2曲目にはその修正をして、大人の曲になり、3曲目では人の心を感動させるものへと発展し完成させたと思われます。
 結局超絶技巧だけでは人の心を感動させる事は出来ない事にリストは気がついたわけです。
 この探偵事務所に来た依頼人もいくらおしゃべりがうまくても、人に感動を伝えるのはお喋りだけではダメだという事に気がついたようです。

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