トーマス・ヘンゲルブロック指揮ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
6月に来日したハンブルク放送交響楽団。1945年以来、イッセルシュテット、ヴァント、ドホナーニといった錚々たる指揮者が伝統を築き上げ、名声を高めてきました。首席指揮者のヘンゲルブロックは、古楽からオペラや現代音楽、さらには演出まで手がける才人。
今回の来日では、マーラーの交響曲第1番「巨人」が、のちに削除された「花の章」を含む5楽章形式で演奏されました。
最新の研究結果を反映した「1893年ハンブルク稿」に基ずくもので、今回が日本初演です。大作曲家マーラーの創作過程を知ることができる貴重な機会です。
1.バイオリン協奏曲 ホ短調作品64 メンデルスゾーン作曲
2.交響曲第1番 二短調「巨人」<1893年ハンブルク稿> マーラー作曲
管弦楽:ハンブルク北ドイツ放送交響楽団
バイオリン:アラベラ・美歩・シュタインバッハー
指揮:トーマス・ヘンゲルブロック
[収録:2015年6月4日/サントリーホール]
トーマス・ヘンゲルブロック

トーマス・ヘンゲルブロック(Thomas Hengelbrock, 1958年6月9日 - )は、ドイツの指揮者。
1985年、ドイツの古楽アンサンブル、フライブルク・バロック管弦楽団の設立に加わり、1997年まで指揮を担当。以降ドイツ・ハルモニア・ムンディに多くの優れた録音を残す。1988年から1991年まではアムステルダム・バロック・ソロイスツとも仕事をした。1995年にはブレーメン・ドイツ室内フィルハーモニー管弦楽団の初代芸術監督に任命され、彼らのバロック期のレパートリーを広げた。
1993年にはウィーン音楽祭のアン・デア・ウィーン劇場でのグルックの『アンチェステ』でオペラ指揮者としてのデビューを果たし賞賛された。次いでベルリンとウィーンでのグルックの『アウリスのイフィゲニア』、ボン市立歌劇場でのモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』を指揮し、ボンでの演奏ではノルトライン=ヴェストファーレン州の批評家たちから「ベスト・コンサート・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。他にもプラハ、コペンハーゲン、パリでのパーセルの『アーサー王』、ベルリンでのバルトークの『青ひげ公の城』などを指揮している。
多くのオーケストラやオペラハウスから招聘を受ける、人気と実力を兼ね備えた指揮者であり、2000年からウィーン・フォルクスオーパーの音楽監督、2001年からフェルトキルヒ音楽祭の監督を務めている。2011年からNDR交響楽団の首席指揮者に就任。同年のバイロイト音楽祭では新演出の『タンホイザー』で指揮を務めたが、この年限りで降板となった(翌年はクリスティアン・ティーレマンが指揮を担当した)。