本読みました!
久しぶりに一冊読んだ気がします。
今回、読んだ作品は辻村深月さんの青空と逃げるです。
■あらすじ
役者をする夫がある日事故に遭う。
共演者である女優が運転する車に乗っていたという夫…。
マスコミは女優と夫が不倫関係にあったと報道。
妻である早苗と息子の力は、
マスコミや女優の所属する事務所に、
連日対応を迫られ、疲弊する日々…。
夫は早苗に説明することなく退院していた。
追い詰められた早苗は、力を連れ友人の住む四万十へと向かった。
■感想
割と分厚めな作品ですが、さくさく読んでしまいました。
読みやすいと思います。
ただ内容は好きじゃありませんでした。
問題から逃げても良い、
知らない人でもいいから周りに助けを求めてもいい、
ということが伝わる作品ではありました。
だから、勇気づけられる、感動的である内容ではあります。
実際に自分が早苗だったら、力だったら、と考えると、
なんで言いたいことを我慢するんだろうかと考えてしまいました。
言いたいことは、絶対言うべきだと思っていて、
言わないで後悔するなら、言って後悔したいと考えてます。
だから、
なんで思っていることをぶつけないんだとイライラしました。
早苗は夫に女優との関係をはじめに確認すべきだし、
力にも今後の見通しに困っていると伝えるべきだと思いました。
力も状況を理解しているからこそ早苗に何も伝えられないし、
夫は早苗自身に事情を伝えていないまま姿を消し、早苗を不安にさせます。
互いを思っているから言わないのかもしれません。
あと、小五の力の夏休みを利用し二人は四万十へ行きます。
ですが、夏休みが終わっても二人の旅は終わらず…
あちらこちらを旅します。
そういう内容なので、
読んでいると全国に旅したくなりました。
冒頭から始まる四万十での生活も、
兵庫・家島も別府、仙台。
それぞれの魅力が伝わるので、行ってみたいと思ってしまいます。
でも、
小五の子どもをいつまで通学させずに旅を続けるの?
とも思ってしまいます。
これが現実的に考えちゃうとしらける点かもしれません。
そして、夫の登場が遅いので、モヤモヤが残ります。
夫の言い分も知りたいのに、出てこないのでモヤモヤしました。
早苗と力、母子の逃亡物語だから、これはこれでいいのかなとも思います。
でも、モヤモヤ。
読み終わったときに半端な気持ちが残る作品でした。
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